「哲学の慰め」の版間の差分

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本書は5部構成でまとめられており、その文章は基本的に[[対話形式]]で記されている。またその対話の合い間で詩文が挟まれていることも文体の特徴である。ボエティウスはプラトンに代表されるギリシア哲学の影響を示しながら、この著作で特に[[倫理]]に関するいくつかの主題を扱っている。特に[[理性]]によって情念を乗り越え、[[美徳]]または[[善]]の概念に示される真の人間のあり方を追求する問題が取り上げられている。同時に[[キリスト教]]的な[[神]]の概念とも整合できる[[神学]]が展開されている。つまり、神の万能性を踏まえながらも、人間の意志とは[[必然]]によって拘束されたものではなく、自由でありうるという彼の主張に見られる。神の存在と人間の[[自由意志]]の関係を調和させようとしている。
 
ボエティウスのこの著作は中世以後にさまざまな類書をもたらし、[[ダンテ・アリギエーリ|ダンテ]]や[[ジョヴァンニ・ボッカッチョ|ボッカチオ]]にも影響を与え、[[活版印刷]]が導入されてからは各語に翻訳されていった。[[1473年]]に不完全ではあったもののニュルンベルクからまず出版され、[[1491年]]から翌年にかけて出版された『ボエティウス著作集』に収録される。しかし初めて学術研究に利用可能な完全版が出版されたのは[[1871年]]になってからである。
 
== 哲学の慰め ==