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法勾配を立項
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'''勾配'''(こうばい)とは水平面に対する傾きの度合いをいう<ref>日本国語大辞典、第7巻、p.577、小学館、第1版第2刷、1976年4月15日</ref>。地形や人工的な構造物、建造物の[[傾き]]([[wikt:傾斜|傾斜]])につて言ことが多い
 
== 数学 ==
[[ベクトル解析]]において、[[スカラー場]]の[[変化率]]を表す[[ベクトル場]]については[[勾配 (ベクトル解析)]]を参照。
 
== 勾配の表し方 ==
勾配の表し方は、次の2つが代表的なものである。
* 水平長さを基準の長さ1(又は100%)とし、垂直長さの値をもって勾配(勾配値)を示す。3.5/100、3.5%など。
 
* 水平面に対する面の傾斜を[[度 (角度)]]によって表す。2.0度など。
 
ただし、後述する「法勾配」は特殊な例外である。
 
== 地理・土木・建築 ==
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* 主に[[道路]]や[[鉄道]]における[[線形 (路線)|線形]]要素の1つについては[[線形 (路線)#勾配]]も参照。関連用語として[[カント (路線)|カント]]<!--、[[バンク]]-->などがある。
* [[河川]]の[[河床]]の勾配('''河床勾配''')はi=1/50、i=1/100等と分数で表す。1/100とは水平距離100に対して高さが1の勾配(1%と同義)である。
* '''法勾配''':[[盛土]]・[[切土]]の[[法面]]の勾配は、鉛直高さを1とし、水平距離がnの場合、1:nと表現する<ref>[http://www.thr.mlit.go.jp/bumon/b00037/k00290/river-hp/kasen/study/yougo/kouzou.html] 水辺つくり用語集、法勾配(のりこうばい)、国土交通省東北地方整備局河川部</ref>。高さの方を基準とするのは、盛土・切土の計画高さが重要であるからである。例えば、高さを1、水平距離を0.5とする場合、1:0.5のように表現して、「5分勾配」と呼ぶ。この呼び方は、もともと「[[分]]」が{{分数|1|10}} を表す漢字であるから本来の漢字の用法にかなったものである。しかし、1:1.5の勾配の場合(5mの盛土高さを確保するためには、7.5mの水平距離が必要ということ)は、「1割5分勾配」という特殊な言い方をする<ref>[http://www.pref.tochigi.lg.jp/d08/documents/documents/260324moridokou.pdf] 盛土法勾配、栃木県森林整備課の基準</ref><ref>[http://doboko.jugem.jp/?eid=10] 法面勾配について、</ref>。これは、「[[割]]」の{{分数|1|10}} を「分」と呼ぶ慣用があるために、このような呼び方になったものである。ただ、この呼び方は「割」が全体の{{分数|1|10}} を意味する別の慣用があるため、一般の誤解を招くことがある<ref>[http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1339568813] 土工などの「法勾配」の表現方法について</ref>。
* 日本建築における勾配は、通常、水平1尺に対して立ち上がりの(または立ち下がりの)長さで表される。例えば「三寸勾配」というのは、水平1尺に対して3寸の立ち上がりの勾配である。つまり三寸勾配を角度で表せば、<math>\tan\theta = {3 \over 10}</math> つまり約17度である。水平1尺に対して立ち上がり1尺の勾配、つまり45度の勾配は「矩(かね)勾配」といい、ふつう、勾配という言葉は矩勾配よりも小さい勾配に用いられる。矩勾配以上の勾配は特に返勾配ということがある。
* [[屋根勾配]]
* 斜率→[[斜率]]を参照のこと。
 
=== 法勾配 ===
土木工事における[[盛土]]・[[切土]]の[[法面]]の勾配を表現する場合は、次の2つの点で、通常の勾配の表し方とは異なる特殊な言い方をする。
 
* 法勾配では、水平長さを1とするのではなく、逆に鉛直高さを1とし、水平距離がnの場合、1:nと表現する<ref>[http://www.thr.mlit.go.jp/bumon/b00037/k00290/river-hp/kasen/study/yougo/kouzou.html] 水辺つくり用語集、法勾配(のりこうばい)、国土交通省東北地方整備局河川部</ref>。高さの方を基準とするのは、盛土・切土の計画高さが重要であるからである。例えば、高さを1、水平距離を0.5とする場合、1:0.5のように表現して、「5分勾配」と呼ぶ。この呼び方は、「[[分 (数)]]」が{{分数|1|10}} を表す単位であるから、[[分 (数)]]の本来の用法にかなったものであり、理解しやすい。
 
* '''法勾配''':[[盛土]]・[[切土]]の[[法面]]の勾配は、鉛直高さを1とし、水平距離がn1以上の場合、1:n「割」を通常の単位の使い方表現すは異な<ref>[http://www.thr.mlit.go.jp/bumon/b00037/k00290/river-hp/kasen/study/yougo/kouzou.html] 水辺つくり用語集、法勾配(のりこうば使)、国土交通省東北地方整備局河川部</ref>。高さの方を基準とるのは、盛土・切土の計画高さが重要であるからである。例えば、高さを1、水平距離を0.5とする場合、1:0.5のように表現して、「5分勾配」と呼ぶ。この呼び方は、もともと「[[分]]」が{{分数|1|10}} を表す漢字であるから本来の漢字の用法にかなったものである。しかし、1:1.5の勾配の場合(5mの盛土高さを確保するためには、7.5mの水平距離が必要ということ)は、「1割5分勾配」という極めて特殊な言い方をする<ref>[http://www.pref.tochigi.lg.jp/d08/documents/documents/260324moridokou.pdf] 盛土法勾配、栃木県森林整備課の基準</ref><ref>[http://doboko.jugem.jp/?eid=10] 法面勾配について、</ref>。これは、「[[割]]」の{{分数|1|10}} を「分」と呼ぶ慣用(例えば野球バッターの打率:3割2分5厘)があるために、このような呼び方になったものである。ただ、この呼び方は「割」が全体の{{分数|1|10}} を意味する通常の慣用があとは異なるため、一般の誤解を招くことがある<ref>[http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1339568813] 土工などの「法勾配」の表現方法について</ref>。
 
== 脚注 ==