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'''シクロデキストリン''' (cyclodextrin) は数分子の<small>D</small>-[[グルコース]]が α(1→4) グルコシド結合によって結合し環状構造をとった環状[[オリゴ糖]]の一種である<ref>[http://goldbook.iupac.org/C01500.html IUPAC Gold Book - cyclodextrins]</ref>。'''CD'''
== 歴史 ==
グルコースが5個以上結合したものが知られている。一般的なものはグルコースが6個から8個結合したものであり、それぞれ6個結合しているものが α-シクロデキストリン(シクロヘキサアミロース)、7個結合しているものが β-シクロデキストリン(シクロヘプタアミロース)、8個結合しているものが γ-シクロデキストリン(シクロオクタアミロース)と呼ばれている。▼
1891年にヴィリエ (A. Villiers) によって発見され、1903年にこの物質がシャルディンガー (F. Schardinger) によって環状オリゴ糖であることが判明した
== 構造と性質 ==
▲1891年にヴィリエ (A. Villiers) によって発見され、1903年にこの物質がシャルディンガー (F. Schardinger) によって環状オリゴ糖であることが判明したのでシャルディンガーデキストリンともいう。
[[Image:Cyclodextrin.svg|thumb|600px|シクロデキストリンの3種類の化学構造]]
▲グルコースが5個以上結合したものが知られている。一般的なものはグルコースが6個から8個結合したものであり、それぞれ6個結合しているものが
シクロデキストリンは塩基に対しては安定であり、酸に対してもデンプンや他のオリゴ糖に比べるとかなり安定である。また α-[[アミラーゼ]]による分解もデンプンに比べるとかなり遅い。β-アミラーゼによっては分解されない。また熱に対してもかなり安定で、
[[デンプン]]に ''Bacillus'' 属、''Brevibacterium'' 属、''Corynebacterium'' 属といった[[細菌]]から[[抽出]]したシクロマルトデキストリングルカノトランスフェラーゼ ([[EC番号|EC]] 2.4.1.19) を作用させることによって得られる。▼
▲シクロデキストリンは塩基に対しては安定であり、酸に対してもデンプンや他のオリゴ糖に比べるとかなり安定である。また α-[[アミラーゼ]]による分解もデンプンに比べるとかなり遅い。β-アミラーゼによっては分解されない。また熱に対してもかなり安定で、200 {{℃}} 程度まで加熱しても安定である。
シクロデキストリンの水への[[溶解度]]は 25 {{℃}} でα体が 14.5 g/100 mL、β体が 1.8 g/100 mL、γ体が 23.2 g/100 mLであり、β体はその溶解性が低い。
シクロデキストリンの環状構造の内部は他の比較的小さな分子を包接できる程度の大きさの空孔となっている。空孔の内径はα体で 0.45–0.6 nm、β体で 0.6–0.8 nm、γ体で 0.8–0.95 nm 程度とされている。またシクロデキストリンの[[ヒドロキシ基]]はこの空孔の外側にあるため、空孔内部は疎水性となっており、疎水性の分子を包接しやすい。
== 用 シクロデキストリン また、シクロデキストリンは光学活性体であるため、一対の[[鏡像異性体]]に対して包接しやすさが異なる。すなわち[[ラセミ体]]から鏡像異性体を分離するのに利用できる。そこでシクロデキストリンの誘導体を固定相とする[[ガスクロマトグラフィー]]や[[高速液体クロマトグラフィー]]のカラムが市販されている。ほか、[[ロタキサン]]のリング部分として、[[ポリエチレングリコール]]などと組み合わせて用いられる。
== 生合成 ==
▲[[デンプン]]に ''Bacillus'' 属、''Brevibacterium'' 属、''Corynebacterium'' 属といった[[細菌]]から[[抽出]]したシクロマルトデキストリングルカノトランスフェラーゼ ([[EC番号|EC]] 2.4.1.19) を作用させることによって得られる。
== 超分子への応用 ==
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