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アインシュタイン方程式において、リッチテンソルの略し方についての追加、送り仮名ミスの訂正
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{{翻訳直後|[[:en:Special:Permalink/723842619|en:Ricci curvature]]|date=2016年7月}}
 
[[微分幾何学]]において、'''リッチ曲率テンソル''' ({{Lang-en-short|Ricci curvature tensor}}) とは、歪んだ[[リーマン多様体]]上の[[測地線|測地]]球の体積が[[ユークリッド空間]]上の[[球体]]からどれだけずれるかを表す量である。{{仮リンク|グレゴーリオ・リッチ=クルバストロ|en|Gregorio Ricci-Curbastro}}に因んでその名がある。ある[[リーマン多様体|リーマン計量]]が与えられたとき、その記述する幾何が通常の {{Mvar|n}} 次元ユークリッド空間からどれだけ違うか表わす尺度として使うことができる。リッチテンソルはどんな[[擬リーマン多様体]]に対しても、[[リーマン曲率テンソル]]の[[跡 (線型代数学)|トレース]]として定義される。計量それ自体と同様、リッチテンソルは多様体の[[接ベクトル空間|接空間]]上の[[対称双線型形式]]である{{Harv|Besse|1987|p=43}}<ref>多様体が一意な[[レヴィ・チヴィタ接続]]を持つことが仮定されている。 </ref>。
 
[[相対性理論]]では、リッチテンソルは[[一般相対性理論|時空の曲率]](R''μv''と表す)の一部であり、[[レイチャウデューリ方程式]]を通じて物質が時間とともにどれだけ収縮もしくは拡散するかの程度に関連する。[[アインシュタイン方程式]]を通じて、[[宇宙]]に含まれる物質の量にも関連する。微分幾何学では、あるリーマン多様体上のリッチテンソルの下界により、一様な曲率をもつ{{仮リンク|空間形式|en|Space form}}と比較した場合の({{仮リンク|比較定理|en|Comparison theorem}}も参照)大域的幾何学および位相幾何学的な情報を得ることができる。リッチテンソルが真空のアインシュタイン方程式を満たすとき、その多様体は[[アインシュタイン多様体]]であるといい、特に研究されている (cf. {{Harvnb|Besse|1987}})。これと関係して、[[リッチフロー]]方程式はある計量がアインシュタイン計量へ発展するさまを記述する。この方法により、[[ポアンカレ予想]]が最終的に解決することとなった。
 
== 定義 ==