「引き上げ線」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
設置方法の節を移動
14行目:
電車区間、特に[[私鉄|民鉄]]では、ダイヤ作成の際に折り返し列車を設定する場合、ほとんどの場合は引き上げ線で折り返すようにしている。
 
JRでも、[[鶴見駅]]・[[尼崎駅 (JR西日本)|尼崎駅]]・[[神戸駅 (兵庫県)|神戸駅]]・[[城陽駅]]のように、引き上げ線で折り返す列車が設定されている駅がある。また、[[高槻駅]]・[[厄神駅]]のように、[[車両基地]]への連絡線を引き上げ線として使う場合もある。[[米原駅]]における[[東海道本線]]列車のように、車両基地自体を引き上げ線として使用する例もある。
 
設置される本数はほとんどが1線だが規模の大きい駅では2線以上設置される場合もあり、駅の両端に引上げ線を設置する駅もある。([[京阪本線]][[樟葉駅]]や[[都営地下鉄三田線]][[白金高輪駅]]など)
設置方法としては複線(複々線)の場合、上下線の間に中線を設置するパターンが大半を占めるが、単線区間の駅にあるように本線(上下線)の横(左右どちらか一方または両側)に設置されるパターンもある(近鉄の主要駅など)。ただこの方法の場合は出庫または入庫の際に線路を列車が横断する関係上、対向の本線までも塞いでしまうため、ダイヤ上のネックになることがある。
 
特殊なものとしては、[[京急川崎駅]]の[[品川駅|品川]]方にあった留置引き上げ線を品川方面からの下り列車が直接入れるようにし、[[待避駅|待避線]]の機能を持たせたものがある。これは品川方面からの快特の後ろに[[羽田空港国内線ターミナル駅|羽田空港]]からの列車を後部に連結する際、ダイヤ上羽田空港始発が前に来てしまう為、この引き上げ線で品川方面からの車両を先に通す必要があったからである。なお、2012年にその運用が廃止された後も品川駅 - 京急蒲田の折り返し列車は京急蒲田に折り返し設備が存在しない為、下り線→引き上げ線→京急川崎6番線→上り線の順で折り返しを行っている。
設置される本数はほとんどが1線だが規模の大きい駅では2線以上設置される場合もあり、駅の両端に引上げ線を設置する駅もある。([[京阪本線]][[樟葉駅]]や[[都営地下鉄三田線]][[白金高輪駅]]など)
 
特殊なものとしては、[[京急川崎駅]]の[[品川駅|品川]]方にあった留置線を品川方面からの下り列車が直接入れるようにしたものがある。これは品川方面からの快特の後ろに[[羽田空港国内線ターミナル駅|羽田空港]]からの列車を後部に連結する際、ダイヤ上羽田空港始発が前に来てしまう為、この引き上げ線で品川方面からの車両を先に通す必要があったからである。なお、2012年にその運用が廃止された後も品川〜京急蒲田の折り返し列車は京急蒲田に折り返し設備が存在しない為、下り線→引き上げ線→京急川崎6番線→上り線の順で折り返しを行っている。
 
== 設置条件 ==
設置方法としては複線(複々線)の場合、上下線の間に中線を設置するパターンが大半を占めるが、単線区間の駅にあるように本線(上下線)の横(左右どちらか一方または両側)に設置されるパターンもある(近鉄の主要駅など)。ただこの方法の場合は出庫または入庫の際に線路を列車が横断する関係上、対向の本線までも塞いでしまうため、ダイヤ上のネックになることがある。大がかりな例としては[[青砥駅]]のように、立体構造となっているものもある。
設置場所については、列車が到着した方向のままで、そのまま引き上げることのできる配置が良いとされている。到着した時の向きのまま入ることができる配線なら列車の向きを変える作業(エンド交換)が1回(引き上げ線内での作業)で済むのに対し、逆向きだと3回(到着した線路上、引き上げ線内、出発する線路上)のエンド交換をしなければならず、それだけ手間と時間がかかるためである。但し、これは必須条件というわけではなく、[[京成津田沼駅]]において逆向きの引き上げ線を使用した3回のエンド交換を要する折り返しが日常的に行われているという例もある。
 
設置場所については、列車が到着した方向のままで、そのまま引き上げることのできる配置が良いとされている。到着した時の向きのまま入ることができる配線なら列車の向きを変える作業(エンド交換)が1回(引き上げ線内での作業)で済むのに対し、逆向きだと3回(到着した線路上、引き上げ線内、出発する線路上)のエンド交換をしなければならず、それだけ手間と時間がかかるためである。但し、これは必須条件というわけではなく、[[京成津田沼駅]]や[[藤井寺駅]]において逆向きの引き上げ線を使用した3回のエンド交換を要する折り返しが日常的に行われているという例もある。
 
また、最低限の条件としてすべての引き上げ線が上り線、下り線どちらからも出入り可能であることが求められる。