「マクドナルド・コーヒー事件」の版間の差分

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Manabuohara (会話 | 投稿記録)
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*コーヒーを渡す際、マクドナルドはなんら注意をせず、またカップの注意書きも見難いこと
 
その上で、填補賠償認定額20万ドルの80%にあたる16万ドルを本来の填補賠償額として、またマクドナルドのコーヒー売り上げ高の2日間分に相当する270万ドルを[[懲罰的損害賠償]]額として、それぞれ支払いを命じる[[陪審制#審理手続|評決]]が下された。日本でこの事件は「コーヒーをこぼしただけで、裁判で3億円(16万ドル+270万ドルの当時の為替レートによる円換算額)もの賠償金を得た」と、[[訴訟社会|訴訟大国]]アメリカを象徴するものとしてテレビ番組などで取り上げられた。
 
しかし、[[判事]]のスコットは評決後の手続で懲罰賠償額を「填補賠償額の3倍」に当たる48万ドルに減額を命じ、最終的にはマクドナルドが合計64万ドルの賠償金支払いを命じる[[判決]]が下された。その後、[[和解]]が成立し、マクドナルドは60万ドル未満(非公開)の和解金をステラに支払った。
 
== 真偽と真相 ==
日本でこの事件は「コーヒーをこぼしただけで、裁判で3億円(16万ドル+270万ドルの当時の為替レートによる円換算額)もの賠償金を得た」という[[都市伝説]]めいたストーリーで知られ、[[訴訟社会|訴訟大国]]アメリカを象徴するものとしてテレビ番組などで取り上げられた。
 
実際は、ステラには[[植皮|皮膚移植]]手術を含む7日間の[[入院]]と、その後2年間の通院が必要であり、娘はそのため仕事を辞めて[[介護]]にあたった。そして、治療費は1万1千ドルにも上り、治療が終わっても火傷は完全には癒えず、その痕が残った。また、マクドナルドは裁判中に「10年間で700件というのは0に等しい」と発言するなど、裁判において[[陪審員]]の心証を損ねた。
 
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ステラの一件に関しても、本来であれば最低限の治療費の支払いでの和解で結審していたはずだった。しかしマクドナルド側の示談交渉における不手際と判事による調停を拒否、裁判中においても「たしかな科学的根拠と数字」を引き合いに出し、提供する側として顧客の安全対策を軽視していると陪審員にみられたことも、原告側の過失を認めつつ、被告である企業側の責任の方が重大であるという判決を引き出した一因だといえる。
 
この裁判ののち、訴訟社会としての在り方を考える動きが社会はもちろん、政治活動の一端としても活発になっていくこととなる。
 
== 関連項目 ==