「原子間力顕微鏡」の版間の差分

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[[Image:AFM fr.jpg|right|300px|thumb|'''原子間力顕微鏡'''の原理(光てこ方式)。中央の台に試料を載る。その上に描かれているのがカンチレバーである。台をX-Y軸方向に移動しながらカンチレバーにレーザー光をあて、反射光の変移に応じて左側のフィードバック用回路を用いて台をZ軸方向に上下させる。このX-Y-Z方向の動きが観察像となる(右下の矢印)]]
 
<ref name=":0" />'''原子間力顕微鏡'''(げんしかんりょくけんびきょう、'''Atomic Force Microscope'''; AFM)<ref>G. Binnig, C. F. Quate, & Ch. Gerber, "Atomic Force Microscope", ''Phys. Rev. Lett.'' '''56''', 930–933 (1986){{doi|10.1103/PhysRevLett.56.930}}</ref>は、[[走査型プローブ顕微鏡]](SPM)の一種。その名のとおり、試料と探針の[[原子]]間にはたらく[[力]]を検出して画像を得る。
 
[[分子間力|原子間力]]はあらゆる物質の間に働くため容易に試料を観察することができるため、探針と試料表面間に流れるトンネル電流を利用する[[走査型トンネル顕微鏡|STM]]とは異なり、絶縁性試料の測定も可能である。また電子線を利用する[[走査型電子顕微鏡|SEM]]のように導電性コーティングなどの前処理や装置内の[[真空]]を必要とする事もない。このため、大気中や液体中、または高温~低温など様々な環境で、生体試料などを自然に近い状態で測定できる。
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==== フォースモード(Force Mode) ====
プローブを試料に接触させ、その際に生じるカンチレバーのしなりをモニターし、カンチレバーにかかる力を測定する。細胞膜タンパク質の検出や細胞の粘弾性力の測定などに用いられている<ref name=":0">Musashi T., Yusuke M., J. Ishii, Chiaki O., and Akihiko K., "The mapping of yeast's G-protein coupled receptor with an atomic force microscope", ''Nanoscale''. 2015, 7, 4956-1963. (doi: 10.1039/C4NR05940A)</ref>。また、生体分子などを引っ張ることにより発生する力の変化から分子内構造(ドメイン)などの解析や、試料にプローブ先端で穴をあけ(インデンテーション)、剛性などを検査することも可能である。このモードでは一般的に表面形状などの分布は測定されない。
 
== 歴史 ==