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[[フレッツ]]の場合、[[インターネット]]の利用については、IPv4では都道府県単位で1か所、IPv6では西日本と東日本の単位で1か所あるPOIと呼ばれるNTTとプロバイダ間の接続点において10Gbpsで接続されているため、同じ地域の同じプロバイダを利用するユーザで10Gbpsの帯域を共有している。例えば、同一県内で同じプロバイダを利用する1万のユーザが同時に通信すれば、1ユーザあたりの実効通信速度の期待値は1Mbpsとなる。同様に、[[Quality of Service|QoS]]による優先度の関係で、実際にはあり得ない状況だが、他のユーザが全く通信していなければ、1Gbpsで通信できる可能性もある。
 
また、[[パーソナルコンピュータ|PC]]の処理や[[ブロードバンドルーター]]搭載の[[Local Area Network|LAN]]転送等の性能が低い場合、FTTHやCATVなどの[[Wide Area Network|WAN]][[ラストワンマイル]]の回線がオーバースペックとなっている。
 
もっとも、TCP/IPのプロトコル的に、RWIN(TCP Window)の一般的なサイズ64kバイト~256kバイトでRTT(Round Trip Time)が15ms程度の場合、1組のソケット間通信では接続通信速度が1Gbpsであっても、100Mbps程度の実効通信速度が上限となる。TCPは基本的には応答確認しながら通信を行う方式であるため、RTTが長くなれば、実効通信速度が低下する。RTTは、通信の距離が長くなったり、通信が輻輳状態になったり、通過するルータの数が多くなったりすると長くなる。RWINを大きくすればRTTが長くなっても実効通信速度の低下を抑制できるが、多数の通信を捌くために通信相手となるサーバ側の送信用のTCP Windowのサイズが小さいことが多く、そのためにクライアント側も小さなRWINしか使えず、実効通信速度が低下する。複数のソケットを使用して同時並行で通信すれば、実効通信速度を上げることもできるが、クライアントの処理能力によってはかえって実効通信速度が落ちてしまうことがある。結果として、複数の機器または複数のソケットを使って同時並行で通信しない限り、100Mbps以上の帯域を消費することはまれである(応答確認を行わないUDPならばより高速な通信も可能であるが、実際には、回線の輻輳や、サーバおよびクライアントの処理能力不足でそれほど高速な通信はできない)。