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{{Otheruseslist|'''[[常緑]][[高木|小高木]]で[[柑橘類]]の橘'''|その他|橘 (曖昧さ回避)}}
{{Redirect|橘}}
{{生物分類表
| 名称 = タチバナ
| 色 = lightgreen
|画像= [[画像:ヤマトタチバナの実.jpg|250px]]
|画像キャプション =
|status= 絶滅危惧IA類
| 界 = [[植物界]] [[:en:Plantae|Plantae]]
| 門 = [[被子植物門]] [[:en:Magnoliophyta|Magnoliophyta]]
| 綱 = [[双子葉植物綱]] [[:en:Magnoliopsida|Magnoliopsida]]
| 亜綱 = [[バラ亜綱]] [[:en:Rosidae|Rosidae]]
| 目 = [[ムクロジ目]] [[:en:Sapindales|Sapindales]]
| 科 = [[ミカン科]] [[:en:Rutaceae|Rutaceae]]
| 亜科 = [[ミカン亜科]] [[:en:Aurantioideae|Aurantioideae]]
| 属 = [[ミカン属]] ''[[:en:Citrus|Citrus]]''
| 種 = '''タチバナ''' ''C. tachibana''
| 学名 = ''Citrus tachibana'' <br/>([[牧野富太郎|Makino]]) [[田中長三郎|Tanaka]]
| 和名 = タチバナ、ヤマトタチバナ、<br />ニッポンタチバナ
}}
'''タチバナ'''(橘、学名:''Citrus tachibana'')は、[[ミカン科]][[ミカン属]]の[[常緑]][[高木|小高木]]で[[柑橘類]]の一種である。別名は'''ヤマトタチバナ'''、'''ニッポンタチバナ'''。
 
'''タチバナ'''(橘、学名:''Citrus tachibana'')は、[[ミカン科]][[ミカン属]]の[[常緑]][[小高木]]で[[柑橘類]]の一種である。別名は'''ヤマトタチバナ'''、'''ニッポンタチバナ'''。
 
__TOC__{{-}}
== 概要 ==
日本に古くから野生していた日本固有の[[柑橘類|カンキツ]]である。本州の[[和歌山県]]、[[三重県]]、[[山口県]]、[[四国地方]]、[[九州地方]]の海岸に近い山地にまれに自生する。近縁種には[[コウライタチバナ]](''C. nipponokoreana'')があり、[[萩市]]と韓国の[[済州島]]にのみ自生する(萩市に自生しているものは[[レッドリスト|絶滅危惧IA類]]に指定され、国の[[天然記念物]]となっている)。
 
[[静岡県]][[沼津市]]戸田地区に、国内北限の自生地が存在する。
 
日本では、その実や葉、花は文様や家紋のデザインに用いられ、近代では[[勲章]]のデザインに採用されている。三重県[[鳥羽市]]ではヤマトタチバナが市の木に選定されている<ref>鳥羽市"[http://www.city.toba.mie.jp/gyousei/gaiyo/gaiyo.html 鳥羽市/鳥羽市の概要]"(2012 {{ja icon}} - [[鳥羽市]]、[[20161]][[12726]]閲覧。</ref>。
 
== 特徴 ==
[[File:タチバナの木.jpg|thumb|タチバナの木]]
[[File:ヤマトタチバナの花.jpg|thumb|ヤマトタチバナの花]]
[[File:ヤマトタチバナの花2.JPG|thumb|ヤマトタチバナの花 2]]
[[File:Citrus tachibana.jpg|thumb|]]
樹高は2 メートルから4 メートル、枝は緑色で密に生え、若い幹には棘がある。
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タチバナの名称で苗が園芸店で売られていることがあるが、ニホンタチバナではなくコウライタチバナと区別されず混同されていることがある。コウライタチバナは、葉や実がタチバナより大きく、実がでこぼこしているのが特徴である。
 
== 文化 ==
[[File:Citrus tachibana, Kofuku-ji Nanendo.JPG|thumb|160px|[[興福寺]]南円堂の橘]]
日本では固有のカンキツ類で、実より花や常緑の葉が注目された。[[マツ]]などと同様、常緑が「'''永遠'''」を喩えるということで喜ばれた。
 
[[古事記]]、[[日本書紀]]には、[[垂仁天皇]]が[[タジマモリ|田道間守]]を[[常世]]の国]]に遣わして「'''非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)・非時香木実(時じくの香の木の実)'''」と呼ばれる不老不死の力を持った(永遠の命をもたらす)霊薬を持ち帰らせたという話が記されている。[[古事記]]の本文では非時香菓を「'''是今橘也'''」(これ今の橘なり)とする由来から[[京都御所]][[紫宸殿]]では「[[右近橘]]<ref>この橘は、[[キシュウミカン|紀州蜜柑]]に近いものとする説もある。</ref>、[[左近桜]]」として橘が植えられている。ただし、実際に『古事記』に登場するものが橘そのものであるかについてはわかっていない。
 
[[奈良時代]]、その「右近の橘」を[[元明天皇]]が寵愛し、宮中に仕える[[県犬養橘三千代]]に、杯に浮かぶ橘とともに[[氏|橘]][[宿禰]]の姓を下賜し[[橘氏]]が生まれた。<!-- 橘の永遠を喩える常緑にあやかって[[姓]]にしたと考えられている。 -->
 
『[[古今和歌集]]』夏、[[詠み人らず]]'''五月待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする'''」以後、橘は懐旧の情、特に昔の[[恋人]]への心情と結び付けて詠まれることになる。
 
[[1937年]]に制定された[[文化勲章]]は橘をデザインしている。[[昭和天皇]]の意向で意匠が橘花とされたとする説については別記事「[[文化勲章#意匠案と昭和天皇との関係|文化勲章]]」を参照のこと。
 
== 家紋 ==
[[File:Japanese crest Tachibana.svg|thumb|right|150px|橘紋]]
'''橘紋'''(たちばなもん)は、タチバナの実と葉を図案化した[[家紋]]である。文様としては[[平安時代]]末期ごろに現れ、[[江戸時代]]には90家余りの[[旗本]]が用い、[[ツタ|蔦紋]]や[[桐紋]]などとともに[[五大紋|十大紋]]の一つに挙げられている。[[元明天皇]]が、[[橘諸兄|葛城王]]に橘姓を下賜したことにちなみ橘系の[[氏族]]や橘氏の後裔を称する家、他氏族が[[家紋]]として用いた。『[[見聞諸家紋]]』に記された、[[薬師寺氏]](丸に三つ立ち橘)、[[小寺氏]](藤巴に三つ橘)が文献上の初見である。
 
=== 使用 ===
[[井伊氏]]、[[黒田氏]]などが用い、黒田氏の橘紋の由来は、[[黒田職高]][[小寺氏]]に仕えた際に下賜されたことからであり、[[井伊氏]]は、[[井伊共保]]が生まれた際の故事にちなむとされる。なお[[日蓮宗]]の寺紋「井桁に橘・日蓮宗橘」は、開祖の[[日蓮]]が井伊氏一族の出身であることに由来するという<ref>[[千鹿野茂]]監修 [[高澤等]]著『家紋の事典』[[東京堂出版]] [[2008年]]</ref><ref>新人物往来社編 [[加藤秀幸]] [[楡井範正]]執筆『索引で自由に探せる 日本家紋大図鑑』[[新人物往来社]] [[1999年]]</ref>。
 
[[京都府]][[八幡市]]の「[[石清水八幡宮]]」では、八幡神を勧請した僧・[[行教]]の紋が橘であったため、橘紋と三つ巴が神紋とされている。また本殿の彫刻には真ん中に橘の実があり、その実の両側から鳩が向かい合っている形のものがある。本殿前には左右共に橘の木が植えられており、授与品としてこの橘の実を使った御神酒も作られている。
 
=== 図案 ===
『法然上人絵伝』に見られ、構図の種類には「橘」、「丸に橘」、「井桁に橘」、「三つ葉橘」などがある。同様の図案で「茶の実紋(ちゃのみもん)」があるが、[[チャノキ]]の実を図案化したもので橘紋の実の部分に3枚の葉がない構図である。
<gallery>
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== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{reflistReflist}}
 
 
== 外部リンク ==
* [http://eco.pref.yamaguchi.jp/rdb/html/10/100098.html レッドデータブックやまぐち 「タチバナ」] {{ja icon}}
* [http://eco.pref.yamaguchi.jp/rdb/html/10/100097.html レッドデータブックやまぐち 「コウライタチバナ」] {{ja icon}}
 
==外部リンク==
*[http://eco.pref.yamaguchi.jp/rdb/html/10/100098.html レッドデータブックやまぐち 「タチバナ」]
*[http://eco.pref.yamaguchi.jp/rdb/html/10/100097.html レッドデータブックやまぐち 「コウライタチバナ」]
 
{{柑橘類}}
{{Plant-stub}}
 
{{DEFAULTSORT:たちはな}}
[[Category:ミカン属]]