「不当景品類及び不当表示防止法」の版間の差分

景品表示法は「1匹の[[ハエ|蝿]]がきっかけになった法律」と言われる。[[1960年]]（[[昭和]]35年）の偽[[ニセ牛肉]]缶事件が契機となった。[[ウシ|牛]]の絵が貼ってあった「三幌ロースト大和煮」の缶詰に蝿が入っていたとの報告が[[保健所]]に寄せられた。[[東京都]]と[[神奈川県]]が調査を進めるうちに、当時、「[[大和煮|牛肉大和煮]]」と表示していた20数社の商品のうち、[[牛肉]]100％のものは2社しかなく、大部分は[[馬肉]]や[[鯨肉]]だったことが判明した（当時は馬肉や鯨肉は、安価であり牛肉よりも低級品と見なされていた）。

事業者は、これらの偽ニセ牛肉缶を大幅に安い価格で販売していたため、[[刑法 (日本)|刑法]]の[[詐欺]]罪は適用できなかった。また消費者に健康被害をもたらすものでもなかったため、[[食品衛生法]]も適用できなかった。

このような[[不当表示]]に対して、[[主婦連合会]]など消費者の批判が高まり、既すでに消費者問題となっていた過大な景品類とあわせて、これらを規制する景品表示法が[[1962年]]（昭和37年）に制定された。