「結合係数」の版間の差分

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== 結合係数の意味 ==
[[ファイル:Coupling Coefficient.gif|350px|thumb|right|結合係数のモデル]]
結合係数は巻線の[[自己インダクタンス]]中の有効インダクタンスの比である。言い換えれば変圧器の一次側・二次側それぞれの自己インダクタンスのうち、何割が[[変圧器]]として働き、何割が[[チョークコイル]]として働いているかを表す係数であるといえる。
 
理想的な変圧器の磁束は全て[[漏れ磁束#変圧器の磁束|主磁束]]<ref>一次巻線と二次巻線の双方に鎖交する磁束。変圧器の変圧作用を構成する磁束。</ref>で構成され、[[漏れ磁束]]<ref>一次巻線または二次巻線のいずれか一方だけに鎖交する磁束。変圧作用に寄与しない磁束。漏れインダクタンスを構成する。一次巻線のみに鎖交する磁束を一次側漏れ磁束という。二次巻線のみに鎖交する磁束を二次側漏れ磁束という。</ref>がない。この場合の結合係数''k'' = 1である。しかし、実際の変圧器では漏れ磁束があるので、結合係数は1よりも小さくなる。そして、この漏れ磁束が変圧器の一次側、二次側にそれぞれ直列に接続されたインダクタンスになる。これが[[漏れインダクタンス]]<ref>漏れインダクタンスには学会定義のものと工業会測定法で定められるものとがある。それぞれ示す値は異なる。[http://www.tlm.co.jp/web/gijyutu/leakage.html]</ref>である。漏れインダクタンスは変圧器の一次巻線または二次巻線に直列に接続されたチョークコイルと等価な働きをする。
 
[[ファイル:Transformer eq0.gif|350px|thumb|right|漏れインダクタンスと有効インダクタンス]]
一次巻線、二次巻線の[[自己インダクタンス]]をそれぞれ''L''<sub>1</sub>、''L''<sub>2</sub> 、一次側、二次側の有効インダクタンス([[励磁インダクタンス]])<ref>二次側励磁インダクタンスというものは実際には存在しないので計算上において便宜的に扱われるのみである。</ref><ref>二次側有効インダクタンスというものはある。結合しているので、一次側か二次側の一方しか記載しない。</ref>をそれぞれ''M''<sub>1</sub> 、''M''<sub>2</sub> とすれば次の式が成り立つ。
 
: <math>M_1 = k L_1\,</math>