「恐鳥類」の版間の差分

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== 概要 ==
恐竜絶滅後の新生代において、巨体を手に入れ、大型動物としての[[ニッチ]]を埋めた、多系統の鳥類の一群。ノガンモドキ目に属する[[フォルスラコス]]や、カモ目に属する、[[ガストルニス]]などがいる。
 
=== 進化と一時衰退 ===
[[恐竜]]が絶滅した後も、その流れを汲む生物として鳥類が健在であった。鳥類は[[恐竜]]に極めて近縁な派生種族であったため、それまでの恐竜類、特に直系祖先の小型[[獣脚類]]の[[ニッチ]]を補うように地上に進出した巨大な鳥類が出現した。それが[[恐鳥類]]である。主な種類として、ガストルニス、[[フォルスラコス]]などがいる。当時[[新生代]]の初期[[暁新世]]においての恐鳥類はツルガイ海峡(現在の中央アジアにあたる部分でユーラシア大陸を二分していた海峡)で[[ヨーロッパ]]とも隔絶していた[[アジア]]を除く全大陸で、(アジアには生存していた化石証拠が無い)繁栄し、[[哺乳類]]を主な餌としていた(アジアには生存していた化石証拠が無い)。[[ガストルニス]]などは主に植物食だったという説も近年、提唱されている。[[ジュラ紀]]、[[白亜紀]]の原始的な鳥類は前肢に指を持ち、顎に歯が生えているものが多かったが、彼等は全て恐竜とともに絶滅し、生き残った鳥類のグループ(真鳥類)は進化の結果、既に高度な飛翔能力を持つための適応を遂げていたため、祖先が備えていた前肢の機能は、失っていた。また、顎の歯も失っていたが[[猛禽類]]のような鉤状の鋭い嘴により、補った。恐鳥類においても一度[[翼]]に進化した前肢は、飛翔能力を失った後も再び前肢としての機能を取り戻すことは無く、[[退化]]した(但し[[ティタニス]]など、ある程度は前肢を発達させた種も一部にはいた)。しかし失われた歯は[[猛禽類]]のような鉤状の鋭い嘴により補っていた。祖先の飛行への特殊化によるこれ等の欠けた部分が長期間の生存においては無視できないものとなっていった。暁新世に続く[[始新世]]において、哺乳類は第二の適応放散とよばれる大発展を遂げた。[[肉歯目]]、[[無肉歯目]]といった大型の原始的な肉食性哺乳類や、現在にも繋がる[[奇蹄目]]や[[偶蹄目]]などといった植物食哺乳類が目覚ましい発展を遂げていった。恐鳥類はこうした哺乳類の急速な適応放散による生存競争や生態系の激しい変化に適応できず、やがて多くが絶滅していき、南米に[[フォルスラコス]]が残るだけとなった。
 
=== アメリカ大陸での繁栄 ===
恐鳥類は多くの大陸では[[新生代]]の前期、[[始新世]]には既に滅んでいた。しかし、海によって他の大陸から隔絶されていた[[南米大陸]]においては恐鳥類が[[ティラコスミルス]]のような肉食性[[有袋類]]とともに長期間にわたって生態系の頂点に立ち、独自の進化を続け、繁栄していた。進化した有力な肉食性哺乳類が南米に進出できていなかったためと思われる。その後しかし、新生代の後期、[[鮮新世]]において、南米大陸が[[北米大陸]]と陸続きになったことで、南米の恐鳥類や肉食性有袋類は、[[ネコ科]]、[[イヌ科]]に代表される[[食肉目]]との競争にさらされる事にがらった。肉食性有袋類は急速に姿を消してしまい、恐鳥類頂点捕食者としての地位を占有できなくなって多様性を減少させていった。こうしてフォルスラコス類は全盛期を過ぎることになったが[[ティタニス]]など一部の恐鳥類は逆に北米にも進出し、繁栄していった。当時の中南米、そして北米の一部では、[[フォルスラコス類]]と、[[スミロドン]]などの[[ネコ科]]食肉目の大型肉食動物が、と共にフォルスラコス類は尚も生態系の頂点に君臨していた。
 
===絶滅===
以前は、約40万年前に、[[最後のフォルスラコス類]]が姿はじめとする[[消し、恐鳥類]]は、絶滅したとされていたが、新たな化石発見により、更に後の時代まで生存していたという説が提唱されている。これによれば約1万5千年前に最終氷期の環境変化により、[[スミロドン]]や、[[ドエディクルス]]、[[メガテリウム]]、[[マクラウケニア]]などの、他の多くの大型動物と、ともに最後の恐鳥類は絶滅したが分かっていされる。
 
== 脚注 ==