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: 輝かしい人生の至福な時間がループされ、主人公はそれを肯定的に受け止めて享受する<ref>{{Harvnb|浅羽|2012|Ref=CITEREF浅羽2012|pp=87-106}}</ref>。この場合のループは問題解決の手段ではなく、目的そのものである<ref>{{Harvnb|浅羽|2012|Ref=CITEREF浅羽2012|p=90}}</ref>。ループを繰り返している原因や脱出方法には恋愛感情が関係してくるパターンも多く見られる<ref>{{Harvnb|浅羽|2012|Ref=CITEREF浅羽2012|p=94-103}}</ref>。
 
== ループものの作品の例 ==
{{see|Category:ループもの}}
ループもの、あるいはループ構造を持つとして'''言及される'''作品として以下のものが挙げられる。<!--編注:出典により第三者の言及が確認される項目の例示を強く推奨。無出典はコメントアウトののち削除予定。タイトルのみ・タイトルと書誌情報のみ、などは早期対応。特筆すべき重要な作品に関しては、記述の補強ないし出典提示にて対応を要請。-->
 
===小説===
; 『{{仮リンク|奇蹟を行う男|en|The Man Who Could Work Miracles (story)|label=奇蹟を行う男}}』
: 1898年に発表された、[[ハーバート・ジョージ・ウェルズ|H・G・ウェルズ]]による[[イギリス]]の短編小説。口にした願いが何でも実現するという超能力を身につけた男が、その能力によって次々と奇跡を起こすものの、それによって意図していなかった大惨事が起こって収拾がつかなくなる。男は自分が奇跡を身につける直前まで時間を巻き戻すものの、奇跡によって大惨事を招いた記憶まで失ってしまう。物語の最後に場面が冒頭に戻ることで、男が再び過ちを繰り返しては時間を巻き戻すというループが繰り返されることを予感させる結末となっており、浅羽通明はこの小説を、自分が思いつく限りで最も古いループものの作品例として挙げている<ref>{{Harvnb|浅羽|2012|Ref=CITEREF浅羽2012|p=129}}</ref>。
;『[[愚者の渡しの防御]]』
:1904年に出版された、[[イギリス陸軍]][[少将]][[:en:Ernest Dunlop Swinton|アーネスト・ダンロップ・スウィントン]]卿による[[小説]]仕立ての[[兵法書]]。[[ボーア戦争]]を舞台に、部隊の壊滅と任務の失敗を避けるために、主人公の新米少尉が戦訓を学びつつループを繰り返し、最終的に任務を成功させる。小部隊戦闘に関する古典的名作であり、現代に到るまで各国軍で類書がたびたび著されている<ref>Godefroy, Andrew B., "Fictional Writing and the Canadian Army of the Future," '''''Canadian Army Journal''''', Vol. 8.1 Winter 2005 [http://www-cgsc.army.mil/carl/resources/csi/Swinton/Swinton.asp][http://www.army.forces.gc.ca/caj/documents/vol_08/iss_1/CAJ_vol8.1_13_e.pdf]</ref>。[[夢オチ]]でもある。
;『[[リプレイ (小説)|リプレイ]]』
:1987年に出版された、[[ケン・グリムウッド]]による[[アメリカ合衆国]]のSF小説。主人公の中年の男性が、死を迎えるたびに記憶を保ったまま過去に戻り、人生をやり直すという設定。全体的には、ループを肯定的に受け止め人生を謳歌した主人公が精神的な悟りを得る物語として描かれる<ref>{{Harvnb|浅羽|2012|Ref=CITEREF浅羽2012|p=54}}</ref>。当初は学生時代まで時間が戻るが、何度もループを繰り返す過程で時間が短くなっていき、物語が終盤に近づくと間隔は日、時、分、秒と狭まっていく。また、作中には主人公以外にも記憶を保ったままループを続けている人物が登場し、ループする時間を共有しているが、ループの周期が人物ごとに異なるという設定である。
:多くの類似作品を誕生させ、本作を原案としたドラマ『[[君といた未来のために 〜I'll be back〜]]』や漫画『[[リプレイJ]]』などもループものの作品である<ref name="大森2007_p512">{{Harvnb|大森|2007|Ref=CITEREF大森2007|p=512}}</ref>。
;『七回死んだ男』
:1995年に出版された、[[西澤保彦]]による日本のSFミステリ。同じ日を9回繰り返すことができるようになった男が主人公になっている。作者の西澤は映画『[[恋はデジャ・ブ]]』に着想を得たと述べている<ref name="大森2007_p517" />。
<!--;「バイライフ」
:[[清水義範]]-->
;『[[ターン (小説)|ターン]]』
: 1997年に発表された、[[北村薫]]による日本の小説。駆け出しの芸術家である主人公が、同じ1日を繰り返す無人の世界に閉じ込められ、ほとんど何も成し遂げることのできない状況下で苦悩する<ref>{{Harvnb|浅羽|2012|Ref=CITEREF浅羽2012|pp=20-23}}</ref>。ループの周期が短い部類の作品のひとつであり<ref>{{Harvnb|浅羽|2012|Ref=CITEREF浅羽2012|pp=123-124}}</ref>、主人公がループをネガティブに受け止める類型の作品のひとつでもある<ref>{{Harvnb|浅羽|2012|Ref=CITEREF浅羽2012|p=126}}</ref>。
<!--;『[[DEAR (ライトノベル) |DEAR]]』
:2001年から刊行された、[[新井輝]]による日本のライトノベル。物語の特徴として物語の初めに3人の人間が死んでしまっており、事件が起こる前の時間に戻り3回のうちにそれを回避することを目指し行動すると設定されている。作者は第1巻のあとがきにおいて、シリーズのプロットが西澤保彦の『七回死んだ男』の影響下にあることを明かしている。-->
;「エンドレスエイト」(『[[涼宮ハルヒシリーズ|涼宮ハルヒの暴走]]』収録の短編)
:[[谷川流]]による日本のライトノベル『涼宮ハルヒシリーズ』の、2003年に連載誌で掲載されたエピソード。高校生活の中で夏休みの終わりの2週間だけが15,000回以上<ref group="注">原作小説では15,498回、テレビアニメ版では15,527回という設定。</ref>ループし続けているという設定。元凶である涼宮ハルヒは夏休みを謳歌するためにループを引き起こしているが、自分の能力にも時間のループにも無自覚であるため、何度繰り返しても夏休みに満足することなくループを続ける。主人公のキョンはループを観測できないものの、宇宙人の長門有希から状況を知らされ、脱出の方法を模索する。原作小説ではループからの脱出に成功する最後の1回のみが描かれているが、テレビアニメ化された際にはほとんど同一のエピソードが計8回放送され、物語内での時間反復を視聴者に追体験させた<ref name="madoka">『[http://sniper.jp/300special_issue/post_1790.php さやわか × 村上裕一 対談:『魔法少女まどか☆マギカ』【前編】]』 WEBスナイパー(2011年5月3日)。</ref>。同時にテレビアニメ版では、一見すると同じような繰り返しの中で登場人物が少しずつ疲労していく様子が演出され<ref>{{Harvnb|浅羽|2012|Ref=CITEREF浅羽2012|p=36}}</ref>、後のエピソードである『[[涼宮ハルヒの消失]]』への布石が描かれている<ref>{{Harvnb|浅羽|2012|Ref=CITEREF浅羽2012|pp=35-36}}</ref>。
;『リピート』
:2004年に出版された、[[乾くるみ]]による日本のSFミステリ。主人公は過去のある時点から人生をやりなおすことができるという「時間旅行のツアー」に参加し、およそ9か月半を反復し続ける。しかし時間旅行者たちは次々と事件に巻き込まれて死亡し、緊張感のあるサスペンスが繰り広げられる<ref name="浅羽2012_p56">{{Harvnb|浅羽|2012|Ref=CITEREF浅羽2012|p=56}}</ref>。
:小説『リプレイ』の影響下で登場したループものの1つで、作中でも『リプレイ』についての言及がある<ref name="大森2007_p508">{{Harvnb|大森|2007|Ref=CITEREF大森2007|p=508}}</ref>。大森望によれば、この作品は「反復によって手に入れたものを手放すことより反復する権利自体を手放すのことほうがためらわれる」という人間心理を発見したことに意義があるという<ref name="大森2007_p519">{{Harvnb|大森|2007|Ref=CITEREF大森2007|p=519}}</ref>。浅羽通明によれば、本作のように不幸な結末を迎える長編のループ作品は珍しいが、これは登場人物たちがさしたる動機を持たずに時間旅行に参加し、ループの中で成長できなかったことによる必然と読み解くことができるという<ref name="浅羽2012_p56" />。
;『[[All You Need Is Kill]]』
:2004年に出版された、[[桜坂洋]]による日本のライトノベル。主人公のキリヤは、異星人の無人テラフォーミング兵器である「ギタイ」が引き起こしているループに巻き込まれたことから、敵と戦っては負け、そのたびに30時間前の状態に戻される状況を繰り返すことになるという設定。主人公だけでなく、敵である「ギタイ」もまたループを観測しているほか、ヒロインのリタもまた過去に同様のループを経験しているが、主人公とヒロインは同じループを共有していない。主人公はヒロインのリタから、未来から過去へと情報を送っている個体を特定の手順で倒せばループを脱出できることを教えられるが、ループを脱出できるのはループ経験のある2人のうち1人だけであるという事実に直面する。
:「ギタイ」に勝利してループから脱出するために試行錯誤を繰り返すさまはゲームプレイの比喩と解釈でき、その意味ではキリヤはゲーム内のキャラクターではなくプレイヤーの比喩となっている<ref>{{Harvnb|東|2007a|Ref=CITEREF東2007a|pp=158-167}}</ref>。原作者の桜坂は同作の着想について、2000年に発売されたテレビゲーム『[[高機動幻想ガンパレード・マーチ]]』の、ゲームプレイヤーがWeb上に公開していたプレイ日記を読んだ経験が元になったとしている<ref>{{Cite interview
|subject=[[桜坂洋]]
|date=2014-06-30
|url=http://natalie.mu/comic/pp/allyouneediskill/page/2
|title=映画「オール・ユー・ニード・イズ・キル」特集、原作者・桜坂洋が発想の源泉と映像化への期待を語る(2/3)
|interviewer=宮津友徳
|cointerviewers=唐木元
|program=コミックナタリー
|accessdate=2014-07-20
}}</ref>。評論家の東浩紀はもう一人のループ経験者であるヒロインの存在を『ガンパレード・マーチ』のキャラクターに例え、1周目のゲームでプレイヤーキャラクターであった登場人物が、2周目でNPCとして登場することの暗喩として読み解いている<ref>{{Harvnb|東|2007a|Ref=CITEREF東2007a|pp=170-172}}</ref>。
:2014年にはアメリカ合衆国で『[[オール・ユー・ニード・イズ・キル]]』<ref name="eigacom_edgeoftomorrow">{{Cite web
|url=http://eiga.com/official/edgeoftomorrow/
|title=オール・ユー・ニード・イズ・キル 特集:【第1弾】日本原作×トム・クルーズ主演 この夏、絶対見逃せない特別な超大作とは?
|publisher=[[映画.com]]
|accessdate=2014-07-06
}}</ref>(英題『Edge of Tomorrow』)として実写映画化された。映画では[[トム・クルーズ]]が演じる主人公をはじめとする登場人物の設定や物語の舞台、ストーリーなどが変更されているが、作品の根幹となるループの設定は守られている<ref>{{Cite news
|author=[[速水健朗]]
|date=2014-07-06
|url=http://www.asahi.com/articles/DA3S11227776.html
|title=読書 売れてる本 『All You Need Is Kill』桜坂洋〈著〉
|newspaper=[[朝日新聞]]朝刊12版
|publisher=[[朝日新聞社]]
|page=11面
|accessdate=2014-07-06
}}</ref>。
 
===漫画===
<!--;リディアの住む時に…
:佐々木淳子による短編漫画。少女コミック1978年5月3日増刊号に掲載され、その後短編集『[[Who!]]』に収録された。-->
;『霧で始まる日』
:佐々木淳子による漫画。(短編2~3話分ほどの長さだから中編と呼ぶべきか)
;『[[火の鳥 (漫画)#執筆された作品|火の鳥 異形編]]』
:手塚治虫による漫画『[[火の鳥 (漫画)|火の鳥]]』の、1981年発行の[[雑誌]]に掲載されたエピソード。女性として生まれながら男性の武将として育てられた左近介は、憎んでいる父親の病気を唯一治療することができるとされる[[尼僧]]・八百比丘尼の住む[[山寺]]を訪れ、密かに彼女を殺害する。しかし左近介は不思議な力で山寺から出られなくなり、治療を求めて山寺を訪れる人々の前で八百比丘尼のふりを演じる。左近介は寺にあった火の鳥の羽根の力で多くの人々や[[魑魅魍魎]]を救う。やがて左近介は山寺の外が数十年前の過去の世界になっていたことに気づく。時が流れて時間が一巡し、八百比丘尼となった左近介は、物語の結末で山寺にやってきた左近介自身によって殺害される。
;『[[代紋TAKE2]]』<ref name="大森2007_p512">{{Harvnb|大森|2007|Ref=CITEREF大森2007|p=512}}</ref>
:1990年から連載された、[[木内一雅]]原作、[[渡辺潤]]作画による日本の漫画。題名に含まれる「TAKE2」は(映画撮影などにおける)撮りなおしの意味であり、内容は[[ヤクザ]]が人生をやりなおすという設定になっている。
<!--;『[[ジョジョの奇妙な冒険]]Part4・[[ダイヤモンドは砕けない]]』第45巻
:1992年-1995年に連載された、[[荒木飛呂彦]]の人気シリーズの第4部。該当エピソードは第4部終盤の単行本第45巻に収録。第4部最大の敵[[吉良吉影]]に、『吉良吉影の正体を探ろうとする者と接触した場合、相手を自動的に爆殺して一時間時間を巻き戻す』という能力を仕掛けられた少年・川尻早人が、吉良を追う主人公達を死から救うために、ループを繰り返して孤軍奮闘する様子が描かれる。
:主人公がループするのではなく、脇役の少年が主人公を救うためにループするという構成が特徴。自分の意志でループを繰り返すことはできない上、主人公たちが爆殺される前に、特殊な能力を持たない少年が吉良吉影を倒さなければ主人公たちを救出できないという厳しい制約の中で、緊迫感のある闘いが描かれる。-->
<!--;『勇者コジロー2』
:1995年から連載された、[[一本木蛮]]による日本の漫画。冴えない小学生・山田侍浪(ジロー)が交通事故により過去にタイムスリップし、神童虎二郎(コジロー)という少年の身体に入り込むこととなってしまい人生をやり直すという設定になっている。-->
<!--;『[[はるかリフレイン]]』
:初出1997年~1998年、単行本1998年。-->
;『[[リプレイJ]]』<ref name="大森2007_p512" />
:2001年から連載された、[[今泉伸二]]による日本の漫画。小説『リプレイ』を原案とする漫画だが、舞台は日本となっているなど小説版とは内容が大幅に異なっている。
 
===アニメ===
;『[[うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー]]』
:1984年のアニメ映画。舞台となる高校の[[文化祭|学園祭]]の前日が延々と繰り返される設定となっている。この設定は、どれだけ連載が続いて物語内で時間が経過しても登場人物は年齢を重ねることなく楽しい学園生活が永遠に続いていくという原作のフォーマット(あるいは男性向けの[[ラブコメディ]]全般におけるフォーマット)を自己言及的に描いたものとして評価された<ref>[[宇野常寛]] 『ゼロ年代の想像力』 [[早川書房]]、2008年、208頁。ISBN 978-4152089410。</ref><ref>{{Harvnb|前島|2010|Ref=CITEREF前島2010|pp=151-152}}</ref>。
<!--;;『[[VS騎士ラムネ&40炎]]』
:[[1996年]]のテレビアニメ。-->
;『[[ゼーガペイン]]』
:[[2006年]]のテレビアニメ。現実世界では既に人類が滅亡しており、主人公たちが暮らしている世界は、日本の[[地方都市]]を模して量子コンピュータの[[サーバ]]上に再現された仮想世界という設定で、技術的な問題から同じ150日間をループし続けている。ループを観測できるようになった一部の人物のみが、荒廃した現実世界でサーバを守るため戦い続けることになる。
;『[[魔法少女まどか☆マギカ]]』
:[[2011年]]のテレビアニメ。最初のループでは親友同士であった主人公・[[鹿目まどか]]の死を回避するため、時間操作の能力を得た魔法少女・[[暁美ほむら]]が、2人の出会いから死別までの1か月間を幾度となく繰り返しているという設定。作中で描かれるのは最後の1回のループであり、ループ構造が明かされるのも終盤だが、種明かしのエピソードである第10話では状況を変えつつ繰り返されてきたループ途上の出来事とバッドエンドの数々を回想する過去編のエピソードが描かれている。テレビアニメの結末では、万策尽きて心を折られたほむらを、まどかが自己犠牲と引き替えに、ループで蓄積された力を用いて救済し、ループが終了する。ただしその後日談となる劇場版アニメでは、ほむらがこの解決に納得していなかったことが描かれ、別の形の結末が訪れる。
:ループものの総括とも<ref name="madoka" />、ループものを含むゼロ年代の時代的要素の総括ともいわれる<ref>『[http://news.nicovideo.jp/watch/nw59946 「まどか☆マギカ」対「フラクタル」 ゼロ年代を経てつくられた2つのアニメ]』 ニコニコニュース(2011年5月7日)。</ref><ref>{{Harvnb|宇野|黒瀬|石岡|坂上|2011|Ref=CITEREF宇野黒瀬石岡坂上2011|pp=94-95}}</ref>。評論家の宇野常寛はテレビアニメ版の結末について、多くの([[セカイ系]]的な)ループものではループからの脱出をもたらす超越性(奇跡)として男女の恋愛要素を持ち出しているのに対し、この作品では主人公格の2人の少女同士の同性の関係性がループからの離脱をもたらすという点に独自性があるとした<ref name="niconama">「[http://live.nicovideo.jp/watch/lv47398722 ニコ生PLANETS増刊号 徹底評論『魔法少女まどか☆マギカ』]」での発言より。</ref><ref name="shijo">{{Harvnb|宇野|黒瀬|石岡|坂上|2011|Ref=CITEREF宇野黒瀬石岡坂上2011|p=101}}</ref>。一方で評論家の浅羽通明は、たった一つの心残りのためにループを繰り返し、それを糸口として障害が排除されてループが終了するという物語構造自体は決して珍しくないとして、宇野の評価に反論している<ref>{{Harvnb|浅羽|2012|Ref=CITEREF浅羽2012|pp=104-106}}</ref>。なお本作のシリーズ構成を手掛けている[[虚淵玄]]は、影響を受けた作品として、2000年のアメリカ映画『[[メメント (映画)|メメント]]』など、物語の構造として時間軸を切り刻んで見せるような[[プロット (物語)|プロット]]を持つ作品群を挙げている<ref name="オトナアニメvol20_p34" />。
<!--;『[[ペルソナ4#テレビアニメ|PERSONA4 the Animation -the Factor of Hope-]]』
:2012年のアニメ映画。最後の決戦にて、次々と幾千の呪言により仲間達が次々と闇に引きずり込まれる中、敵である伊邪那美大神の「真実と向き合うのが嫌なら霧の中で一生を過すか」という誘いに乗った鳴上悠が、3月20日を繰り返す。
:目には隈が出来、生気も覇気も失い、友人に劇物を食べさせる、普段ではありえない提案に乗るなどするが「大丈夫」と言い続けて何日もループしていた所、それを見兼ねた時間と空間の狭間の住人であるマーガレットに戦いを挑まれ、自分の仲間達や強い絆を再確認することで真実と向き合う事を受け入れ、ループを自ら打ち破った。-->
 
===映画===
;『[[恋はデジャ・ブ]]』
:[[1993年]]のアメリカ合衆国の映画。[[グラウンドホッグデー]]の取材のため、地方都市を訪れた気象予報士の主人公が、特に大きな事件も起こらない24時間を約3,000回ほど繰り返すという設定。主人公はループを観測している唯一の存在で、特権的な立場を活用して羽目を外したり、同僚を口説いたり、自暴自棄になったりしながら、1日の有意義な過ごし方を模索していく。ループの原因は最後まで明らかにならないが、当初は自己中心的であった主人公が自省して己の人徳を磨き、ヒロインの愛を勝ち取ったときにループが終了する<ref>{{Harvnb|浅羽|2012|Ref=CITEREF浅羽2012|pp=38-44}}</ref>。小説『リプレイ』と影響下にある作品だと指摘されたこともある<ref name="大森2007_p517" />。
;『[[タイムマシン (2002年の映画)|タイムマシン]]』
:2002年のアメリカ合衆国の映画。[[H・G・ウェルズ]]の同名小説の二度目の映画化。原作には存在しない、科学者の主人公が恋人を失い、タイムマシンを発明し過去に戻り何度も救出を試みるが失敗し続けるというオリジナルエピソードが追加されている。そして救出できない原因を探るために遠い未来に向かい、未来の支配者に明快な回答を与えられることにより、ループものにおける因果律は不変という宿命を描いている。
<!--;『[[NEXT -ネクスト-]]』
:2007年のアメリカ合衆国の映画。主人公は未来を予知する能力を持っている。行動・選択による未来のあらゆる分岐を前もって知り、その予知に基いて自身が望む最良の未来を模索していく。現実世界はループしないが、主人公の精神内において、予知世界という形で、際限なくループする。主人公は最善の未来に辿り付くために、行動後のあらゆる未来の結果を、ほぼ無限に予知し続けていく。-->
; 『{{仮リンク|トライアングル 殺人ループ地獄|en|Triangle (2009 British film)|label=トライアングル 殺人ループ地獄}}』<ref name="walkerplus20110802">{{Cite news
|date=2011-08-02
|url=http://news.walkerplus.com/2011/0802/13/
|title=ゲームやアニメでおなじみのループものに新たな傑作が誕生
|work=Walkerplus
|publisher=[[角川マーケティング]]
|accessdate=2011-08-05
}}</ref><ref group="注">原題は“{{lang|en|Triangle}}”。日本で劇場公開された際の日本語タイトルは『トライアングル』であったが、ビデオリリース化の際に『トライアングル 殺人ループ地獄』へと改題された。</ref>
: 2009年の[[イギリス]]・[[オーストラリア]]合作の映画。閉じた時間の中で、主人公が異なる時間上の自分自身と殺し合う状況が繰り返される。
;『[[ミッション: 8ミニッツ]]』
:2011年のアメリカ映画。主人公の兵士は連続テロの犯人についての情報を得るため、過去の他人に意識を送り込む装置を用い、列車爆破テロが起こる8分前からの時間を繰り返す。終わらない日常を描くようなループものとは印象の異なる作風となっており<ref>{{Cite web
|author=清水節
|date=2011年10月18日
|url=http://eiga.com/movie/56216/critic/
|title=ミッション:8ミニッツ : 映画評論 ループの果てに訪れる鎮魂と希望の世界
|work=[[映画.com]]
|publisher=エイガ・ドット・コム
|accessdate=2011-11-22
}}</ref>、極限状況での8分間がループされる。
<!--;『{{仮リンク|リピーターズ (2011年の映画)|en|Repeaters (2011 film)|label=リピーターズ}}』
:2011年のカナダ映画。薬物リハビリ施設に入所している3人の若者たちが、感電したことから同じ一日を繰り返すことになる。それぞれが抱えている傷にいつまでも向き合わざるを得なくなってゆく。-->
<!--;『[[営業100万回]]』
:2013年の日本映画。吉本興業や他事務所の芸人が実名、本人役で登場する。主人公はジャルジャルの福徳秀介。事務所から地方営業の命を受けたジャルジャルの2人が辿り着いた先はひなびた温泉宿。くまだまさしやゆりありくらと共に同じ楽屋で本番までの時間を過ごしていた。そして本番。ネタの最中に突然乱入してきた男が、観客や従業員を次々に銃撃し、福徳自身も殺されてしまう。しかし意識が戻ると、そこは本番前にいた楽屋で、さっきの光景が繰り返されている。相方の後藤淳平もさっきのままだ。福徳だけ同じ時間のループを繰り返し、何度も何度も失敗しながら生き残る道を探してゆく。はたして、この長い時間のループから抜け出すことが出来るか?-->
 
===ゲーム===
<!--;『[[ファイナルファンタジー]]』
:[[1987年]]に[[スクウェア (ゲーム会社)|スクウェア]]から発売されたコンピュータRPG。序盤に主人公4人は、反逆騎士ガーランドを殺すことになる。そして世界を旅し4つ全てのクリスタルに光を取り戻すが、世界は平和にならない。元凶は2000年前にあるとして過去へ行き、そこでカオスと化したガーランドと再会する。主人公達がガーランドを殺し、ガーランドは2000年前に蘇り、4大カオスを未来へ送り込み、過去へやってきた主人公達を殺し、時が経ち2000年後にまた主人公達が同じ戦いと旅をする。これが延々と繰り返されてきた。ゲーム本編でラスボスであるカオスに打ち勝たない限り、このループはいつまでも続く。プレイヤーがカオスにどうしても勝てず、ゲームを初めからプレイし直すと、現実としてもこのループが成立することとなる。-->
;『[[この世の果てで恋を唄う少女YU-NO]]』<ref>{{Harvnb|浅羽|2012|Ref=CITEREF浅羽2012|p=118}}</ref>
:[[1996年]]に[[エルフ (ブランド)|エルフ]]から発売されたアダルト[[アドベンチャーゲーム]]。主人公は父が残した腕輪の力で並行世界を渡り歩き、同じ数日間を幾度も繰り返しながら、町の歴史に関わる謎を追うことになる。
:'''A.D.M.S'''(アダムス、オート分岐マッピング・システム)と呼ばれるシステムを採用しており、分岐した並列世界がマップとして視覚化され、任意の世界の任意の時間へ移動できる。プレイヤーはこのシステムを駆使して過去と未来を行き来しながら、謎を解いていく。
<!-- :この斬新なシステムと[[物理]]、[[数学]]、[[哲学]]、[[歴史]]、[[宗教]]の知識を元に作られた独特の世界観が高く評価された。-->
;『[[カオスシード〜風水回廊記〜]]』、『[[仙窟活龍大戦カオスシード]]』
:[[1996年]]と[[1998年]]に[[ネバーランドカンパニー]]から発売された[[シミュレーションゲーム]]。シナリオを担当した柏木准一はインタビューで、ループ構造を持つストーリーとして手塚治虫の漫画『[[火の鳥 (漫画)|火の鳥]]』異形編を参考にしたと述べている<ref>「【インタビュー】柏木准一/『カオスシード』というハイブリッドはなぜ成立できたのか」『PLANETS vol.7』第二次惑星開発委員会、2010年、74頁。ISBN 978-4905325000。</ref>。
<!--;『[[Prismaticallization]]』
:[[1999年]]に[[アークシステムワークス]]から発売されたアドベンチャーゲーム。主人公の青年は、プリズム状の謎のオブジェを拾ったことで、同じ一日を無限に繰り返す奇妙な現象に囚われる。オブジェは周囲の特定の状態を5つまで「記録」することができ、その情報が次回以降の一日のどこかで自動的に「開放」されることで反復されていた出来事にわずかな変化が訪れる。これを繰り返すことで最終的にループから解放される。同じ文章を何回、何十回と読み返すことになるので、既読箇所の高速スキップが前提になっている。
:ゲームシステムと主人公の衒学的な振る舞いがあまりにも独特であったため、反響もまた賛否に分かれ、メーカーの公式サイトの作品ページすら「多くの非難と僅かな賛辞を呼んだ」と異例とも言える紹介文を載せていた。-->
<!--;ANOSシリーズ
:[[自転車創業]]が提唱する、[[サウンドノベル]]を発展させた「アドバンスドノベル」のシリーズ。各作品の内容は独立しており互いに関連性はないが、いずれも何らかの理由で同じ時間が循環する環境にある点が共通している。繰り返す時の中では知識や経験も失われるため登場人物は常に決まった行動をとるが、主人公は記憶を保持できる謎のアイテム「ANOS」を所持しており、これに記録されたキーワードがしかるべき箇所で開放されることで以前とは違った行動を取ることができる。ゲームシステムは前述の『Prismaticallization』に類似するが、本シリーズでは保持できるキーワード数に上限がなく、開放の対象はプレイヤーが事前に選択する1つになる。
:;『あの、素晴らしい をもう一度』
::1999年に[[満開製作所]]から発売され、後に自転車創業から移植版が発売された。主人公がファンタジー世界の特定時点にいるところから、ゲームがスタートする。スタート時の世界の状況は、主人公や出来事、時間などを含め、全く同じ。主人公は世界を旅し様々な人と出会い、多くの選択を選びながら最終地点へ向かう。それまでに適切な選択を選ばなければ、主人公は死ぬか世界が滅びる。その直後、謎の声が主人公に語りかけてANOSを与え、主人公は誤った選択のうちどれか1つに気付き、これがループ脱出のヒントとなる。バッドエンド後ゲームを再開すると、主人公は全ての記憶を失い初期のスタート地点へ戻り、再び同じ状況から旅をしていく。プレイヤーと謎の声のみが一部始終の物語を記憶している。
:;『空の浮動産』
::2001年発売。時に昭和74年。主人公たちが入学した大学の[[法学部]]は、実は法律ではなく魔法を教える学部だった。すでに数年前の発見当時の熱も過ぎ去り、世間からの関心も薄れた魔法だったが、取り扱いを誤ると宙に浮かべた家が墜落するような危険性もはらんでいた。
:;『[[ロストカラーズ]]』
::[[2004年]]発売。色を媒介に伝染する腐食から国を守るため、魔法の結界が国土全体を取り囲み、その中からすべての色は消え去った。色のついた「カラーズ」と呼ばれる人々は、出現次第、腐食を広めないよう抹殺されていた。無慈悲にカラーズを狩り続けてきた騎士である主人公は、あるとき自分自身がカラーズになってしまう。それまでと一転して追われる立場になった彼は、色をもとに戻す手段を求めて結界の外に出る。そこは魔法の副作用で同じ時間が循環するようになった世界だった。
:;『[[そう、あたしたちはこんなにも理不尽な世界に生きているのだらよ]]』
::2006年発売。街中に忽然と出現する魔法の爆弾。その周囲では時間が循環するため、探索は短時間にしか行えず、通常の手段では外部に知識を持ち出すこともできない。自殺志願者だった主人公は「死を恐れない」という理由で爆弾解体作業にスカウトされ、ANOSを与えられる。だが解体作業のためには、まずどこにあるかもわからない爆弾の所在をつかむ必要があった。-->
<!--;『infinity』シリーズ
:[[KID (ゲームブランド)|KID]]による、閉鎖空間からの脱出を主題とした[[サスペンス]]系[[恋愛アドベンチャーゲーム]]三部作。システム自体にはループを再現する要素はなく、選択肢にしたがって文章を読むという基礎的な操作で進行する。
:;『[[infinity (ゲーム)|Never7 -the end of infinty-]]』
::2000年発売。大学のゼミの合宿で孤島を訪れた主人公の青年は、「誰かが死ぬ」という[[予知夢]]の実現を回避しようとするが、合宿の6日目には結局犠牲者が出てしまう。絶望のあまり意識を失って目を覚ますと、そこは1日目だった。彼は未来を予知していたのではなく、同じ6日間を無限に繰り返しており、その記憶がかすかに残っていたのだった。
:: 一つのシナリオは、各ヒロインと交流を深める一周目と、6日目の悲劇を回避する為に奔走する二周目で構成されている。一周目でどのヒロインのルートに進むかが決定し、6日目に決定したヒロインが死亡。二周目にてそのヒロインを助けることが出来ればエンディングを迎えることができる。
:;『[[Ever17 -the out of infinity-]]』
::[[2002年]]発売。海中に浮かぶ[[テーマパーク]]に、7人の男女が閉じ込められた。施設が水圧で崩壊するまでの6日間に、彼らは脱出方法を求めて模索する。主人公としての視点を大学生の青年と記憶喪失の少年の2名から選ぶことができ、それにより展開が変わってくる。一度クリアしても劇中で起こる不思議な現象の謎が解けないため、事態の全貌を知るには周回プレイしなくてはならないが、実はこの繰り返し行為そのものが終盤で意味を持ってくる。最後のシナリオでそれら謎の全貌が明かされ、グランドフィナーレとなる。
:;『[[Remember11 -the age of infinity-]]』
::2004年発売。[[飛行機事故]]で遭難し雪深い山小屋に閉じこめられた女性と、特殊な精神医療施設で何者かに命を狙われる男性が、場所の隔たりを超えてお互いの肉体に意識を宿らせるという奇怪な現象が生じる。ふたりは人格交換を繰り返し、それぞれに迫る危機を協力して乗り越えようとする。最後までプレイしても謎の全貌が明かされないので、登場人物ではなくプレイヤーがゲームから解放されない。
:;『[[code_18]]』
::KIDブランドを継承した[[サイバーフロント]]から「シリーズ再始動」と銘打って2011年に発売された。複数存在するそれぞれのヒロインと恋愛関係になるルートが用意された恋愛アドベンチャーだが、各ルートの最後には未曾有の大災害が起こり、時間が物語冒頭にループしてしまう。このループを繰り返す事でゲームを進行させる為、恋愛アドベンチャーゲームにも関わらずルートを攻略する順番は固定である。最後のシナリオでループの事実に気付き、事態の打開を図る。-->
<!--;『[[ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち]]』
:2000年に[[エニックス]]から発売されたRPG。物語の中で永遠に同じ一日が繰り返される町・リートルードが存在し、主人公たちはその影に魔物の存在があることを突き止め、時を巻き戻していた魔物・タイムマスターを倒すことになる。-->
<!--;『[[ゼルダの伝説 ムジュラの仮面]]』
:2000年に[[任天堂]]から発売された[[NINTENDO64]]用[[アクションアドベンチャーゲーム]]。舞台はハイラルとは違う次元に存在する世界タルミナで、リンクはこのパラレルワールドに迷い込んでしまう。そこは3日後には月が落ちてきて滅びてしまう世界で、リンクは「最初の日」への時間逆行を繰り返しながら、世界に広がる謎を解き明かしていく。"3日間システム" とも呼ばれるこのシステムは、謎解きを(ゲーム内での)3日以内に解いてセーブ=初日に戻ることを意味し、この3日間の変化を利用した謎解きやイベントがある。なお、最期の夜を過ぎたら月が地面へ落下してゲームオーバーとなる。日本国外版、ゼルダコレクション版は、中断セーブが可能。-->
;『[[高機動幻想ガンパレード・マーチ]]』<ref>{{Harvnb|東|2007a|Ref=CITEREF東2007a|p=171}}</ref>
:2000年に[[アルファ・システム]]が企画・開発した[[シミュレーションゲーム]]。プレイヤーは「幻獣」と呼ばれる生命体との戦争に勝利することを最終目標に、主人公を操作して他の登場人物とコミュニケーションを取りながらゲームを進める。ゲームを一度クリアすると、最初の主人公以外の登場人物をプレイヤーキャラクターとして選択することも可能になり、2周目のゲームが始まる。しかし2周目以降になると、プレイヤーは一部のNPCからその正体を、「OVERS・SYSTEM」なるシステムによって登場人物に寄生している異世界人ではないかと指摘されるようになり、また世界が「竜」と呼ばれる存在によってループを繰り返していることが示唆される。ゲームを最高評価でクリアすると、世界のループを引き起こしていたのは「竜」ではなく、登場人物を操作していたプレイヤー自身であったと結論づけられる。
;『[[ひぐらしのなく頃に]]』
:2002年から[[07th Expansion]]によって発売されたサウンドノベルのシリーズ。都会から遠く離れた村落[[雛見沢村]]を舞台とし、「綿流し」と呼ばれる祭りの期間前後に起こる異常事態や会話情報を、主人公(ゲーム毎に変わる)の視点から体験していく。基本的に最後はキーキャラの1人「[[古手梨花]]」が必ず殺されてそれが原因となり、村と住民全員が滅びる。
:その後に次のエピソードをプレイすると、ゲームは過去のある時点に戻り、そこから別のキャラを主人公として異なる展開を経ていき、最終地点に至り全滅する。これが何度もループする。
:プレイヤーは各エピソードをプレイし、そのループを客観的に考察・推理し、自分なりに仮説を構築していくのが、本ゲームの主な遊び方となっている。[[サウンドノベル|ノベルゲーム]]でありながら選択肢は存在せず小説のような一本道の形式であるが、雛見沢村を悲劇から救うために試行錯誤が繰り返されるという意味では通常のゲームをプレイする感覚を想起させるものとなっている<ref>{{Harvnb|東|2007a|Ref=CITEREF東2007a|pp=226-235}}</ref>。
;『[[斬魔大聖デモンベイン]]』<ref name="オトナアニメvol20_p34" />
:[[2003年]]に[[ニトロプラス]]から発売されたアダルトアドベンチャーゲーム。魔術師組織に脅かされるアーカムシティーを舞台に、人の姿をした魔導書[[ネクロノミコン|アル・アジフ]]とそのパートナーが立ち向かう。宿敵マスターテリオンに打ち勝たない限り、最後は世界が滅亡し、再び過去の同じ時点へ戻っている。ゲーム本編ではループが起きないが、全てのループ世界の記憶を持つアル・アジフとマスターテリオンから、死闘とそのループが延々と繰り返されていることが語られる。また小説版では、その莫大なループのうちの1つが、描かれている。
;『[[CROSS†CHANNEL]]』
:2003年に[[フライングシャイン]]から発売されたアダルトアドベンチャーゲーム。主人公とその周辺の8人を除いて世界では人類が滅亡しており、その状態で1週間がループし続けていると設定されている。東浩紀によれば、セカイ系とゲーム的リアリズムの発想が融合されており「2000年代のオタク的想像力のひとつの典型とでも言うべき重要な作品」であるという<ref>{{Harvnb|東|2007a|Ref=CITEREF東2007a|p=161}}</ref>。
<!--;『[[SIREN]]』
:2003年に[[ソニー・コンピュータエンタテインメント]]から発売されたホラーアクションゲーム。異界と化した寒村「羽生田村」を舞台に絶望的な状況で戦う人々を描いた群像劇。本作には各ステージ毎に、最初から達成可能な「終了条件1」と条件を満たした後に達成可能となる「終了条件2」の二つが設定されている。これは「永遠にループする世界」の中の僅かな行動の相違を表現したものである。ストーリー中に明言はされないが、羽生田村の時間はループしており、何度もループを繰り返して全てのステージの終了条件2を達成した時、初めてループから抜け出してエンディングを迎えるという設定となっている。
:シリーズ三作目の『[[SIREN:New Translation]]』ではループを直接ストーリーに盛り込んでおり、ある登場人物がタイムスリップする事による「ウロボロスの輪」が成立するまでループが続いていく。-->
<!--;『[[3days 〜満ちてゆく刻の彼方で〜]]』-->
<!--;『[[Fate/hollow ataraxia]]』
:[[2005年]]に[[TYPE-MOON]]から発売されたアダルトアドベンチャーゲーム。主人公の1人である衛宮シロウは、4日間を自由に行動し、特定の日・特定の時間にしか現れない各イベントを見ていき、最終的には何らかの結末で1ループが終了する。もう1人の主人公バゼットも作中で何らかの行動を毎回とるが、基本的に最後は戦いに敗れ1ループが終了する。その後バゼットのサーヴァントであるアヴェンジャーの能力によって、第1日目に戻る。シロウやバゼットが体験したイベントによって、ループする4日間の特定場所・特定時間に新たなイベントが生じる。ループを何度も繰り返して新イベントを発生させ、全ての適切なイベントと選択肢を経由しなければ、ループは永遠に続く。-->
<!--;『[[ゼノサーガ エピソードIII[ツァラトゥストラはかく語りき]]]』
:2006年に[[バンダイナムコゲームス]]から発売されたロールプレイングゲームで、[[モノリスソフト]]が開発していた[[ゼノサーガシリーズ]]の完結編。物語の最終局面にて、この宇宙はやがて滅びる定めにあり、それを防ぐ為に黒幕が「ツァラトゥストラ」という装置を使って時間をループさせる「永劫回帰」を行っていたと言う事実が明かされる([[フリードリヒ・ニーチェ|ニーチェ]]の、『[[ツァラトゥストラはこう語った]]』「[[永劫回帰]]」の引用)。-->
<!--;『[[うみねこのなく頃に]]』
:2007年から07th Expansionによって発売されたサウンドノベルのシリーズ。主人公の右代宮戦人は、[[魔女]]ベアトリーチェと[[推理]]対決していく。対決は現実ではなく「魔女のゲーム盤」という、一種のテーブルゲーム形式で行われ、そのゲーム世界(ゲーム盤上)で起こる殺人事件や犯人、真相を模索・検証・推理・考察していく。
:ゲーム盤上の展開はゲーム毎に変化し、殺される順番や発見現場など、あらゆる状況が異なる。ゲーム盤は基本的に、開始時点と終了後の結末が同じであり、この点においてゲーム盤上はループする。
:また戦人は、ベアトリーチェが真に要求する答えに至るまで、また他の魔女などの登場人物との決着を着けるまで、ゲームは何度も繰り返される。この意味において、戦人は魔女のゲームを繰り返し挑戦し、記憶は維持するものの一種のループ(やり直し)を繰り返す。-->
<!--;『[[11eyes -罪と罰と贖いの少女-]]』-->
<!--;『[[らき☆すた 〜陵桜学園 桜藤祭〜]]』
:2008年に[[角川書店]]から発売されたアドベンチャーゲーム。陵桜学園に主人公が転校してきた日から桜藤祭当日までの日々が永遠に繰り返され、その中で主人公が取ってきた行動により物語の内容は様々に変化する。最終的にはループの原因を突き止め、ループから脱出するために奔走する事となる。-->
<!--;『[[インフィニットループ 古城が見せた夢]]』
:[[2008年]]に[[日本一ソフトウェア]]から発売されたアドベンチャーゲーム。死後に霊体となった主人公が人間に憑依しながら、やがて起こる悲劇を回避する為に奔走する。悲劇が起きてしまった場合は主人公が死亡した瞬間に時間がループする。何度もループを繰り返して情報を集め、それらを活かして悲劇を回避する事でストーリーを進行させていく。しかしループ現象の正体はエンディングを迎えても明かされることはない。-->
;『[[スマガ]]』
:2008年にニトロプラスから発売されたアダルトアドベンチャーゲーム。主人公のうんこマンが「人生リベンジ能力」を使ってハッピーエンドを目指す。前島賢はゼロ年代後半の[[セカイ系]]を象徴する作品として挙げている<ref>{{Harvnb|前島|2010|Ref=CITEREF前島2010|p=221}}</ref>。
:セカイ系やループ構造自体を作品内に織り込んで描いた上でそれを打破するという作風に仕上がっており<ref>{{Harvnb|前島|2010|Ref=CITEREF前島2010|pp=221-223}}</ref><ref name="オトナアニメvol20_p34" />、これによってこのジャンルにおけるループ構造が相対化された面がある<ref>「美少女ゲームの突破口」『PLANETS vol.7』第二次惑星開発委員会、2010年、106頁。ISBN 978-4905325000。</ref>。
<!--;『[[ディシディア ファイナルファンタジー]]』
: 2008年にスクウェア・エニックスから発売された[[ファイナルファンタジーシリーズ]]の[[クロスオーバー作品]]。混沌と調和の二柱の神が戦い続けている世界が舞台で、シリーズ歴代の主人公で構成されるコスモス陣営と各作品の敵役で構成されるカオス陣営の戦いが描かれる。後にこの戦いは決着が付くと同時に全てが巻き戻され、戦士や神々が蘇り、戦いが繰り返される。と言うループを繰り返していた事が明かされる。本作では13回目にして最後の戦いが描かれ、続編の『[[ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー]]』では12回目の戦いが描かれた。-->
;『[[STEINS;GATE]]』<ref name="walkerplus20110802" />
:2009年に[[5pb.]]から発売されたアドベンチャーゲーム。複数登場する時間操作の手段のひとつとして、自分の記憶のみを過去に送る「タイムリープマシン」が登場する。主人公の岡部倫太郎が望まぬ結果を回避する手段としてこれを用いるものの、未来を変えることができず、同じ時間をループし続ける場面が登場する。
:作中における阿万音鈴羽のルートでは映画『[[恋はデジャ・ブ]]』に言及する場面がある。シナリオの執筆に構成協力という形で参加した[[下倉バイオ]]は前述の『スマガ』のシナリオも手掛けている。
<!--;『[[密室のサクリファイス]]』
:[[2010年]]に[[ディースリー・パブリッシャー]]から発売された[[脱出ゲーム]]。主人公の一人であるアスナは、初登場時は血塗れで更に被爆していると言う特異な状態であったが、実はそれはアスナ編のエンディングにて、アスナがある人物の力で物語冒頭へ戻っていた為であった、と言うループ構造が展開される。-->
<!--;『[[ゴーストトリック]]』
:2010年に[[カプコン]]から発売されたアドベンチャーゲーム。霊体となり、記憶を失った主人公が物に取り憑きながら真実を捜し求める。主人公は人間や動物の死体と接触する事でその死の4分前に戻る能力を持ち、過去での行動次第で死を回避する事が出来る。ループ構造とは厳密には異なるが、過去には何度でも戻れるので、その4分間を繰り返して死を回避する方法を模索する事になる。上記の『インフィニットループ』と似た構図だが、向こうが他人に夢を見せて間接的に行動を促す事しか出来ないのに対し、こちらは主人公が取り憑いたオブジェクトを直接動かす事が出来るので自ら能動的な行動が可能である。-->
<!--;『[[ラジアントヒストリア]]』
:2010年に[[アトラス (ゲームブランド)|アトラス]]から発売されたロールプレイングゲーム。白示録というアイテムを手にした主人公が時間やパラレルワールドを行き来し、死ぬはずだった人物を助けたりして歴史を変えていく。そのため、本編中は何度も過去に戻って歴史をやり直す事になり、視覚化されたルート分岐を埋めていくと言ったアドベンチャーゲーム的な側面も持つ。そのゲームシステムを表現してか、CMでは「[[死亡フラグ]]をへし折るRPG」と銘打っていた。-->
<!--;『[[DUNAMIS15]]』
:2011年に5pb.から発売されたアドベンチャーゲーム。洋上の学園島を舞台に起こる惨劇とそれを繰り返すループを描く。物語は全5章で構成されるが、それぞれの章は違うキャラの視点で物語を体験し、最終章以外は必ず主人公達の死と言った破滅的な結末を迎える。同時に時間が冒頭までループし、次の章(別のキャラの視点)に移る事になる。つまり各章は循環する時間の中で別々のループを取り上げたものである。最初のうちは同じ期間を繰り返しているようにも見えるが、徐々に登場人物達にループの自覚が生まれ始め、後半の章は惨劇を回避する為の行動を起こす事となる。
:5pb.には過去に上記のinfinityシリーズを製作したKIDスタッフが所属しており、タイトルも似ているが同シリーズの作品と言う訳ではない。-->
<!--;『[[ブレイブリーデフォルト]]』
:2012年にスクウェア・エニックスから発売されたロールプレイングゲーム。主人公達は世界を救う為、四つのクリスタルを解放する旅を続ける。しかしそれを成し遂げても世界が救われるどころか主人公が旅立つ時点に時間が巻き戻ってしまう。主人公達は再びクリスタルの解放の旅に出るが、やはり最後は同じ結末を辿り、世界は繰り返す。実は時間がループしていたのではなく敵の策略でパラレルワールド間を移動させられていたのだが、主人公及びプレイヤーは同じ旅路を数度に渡って経験する事になる。
:この作品のテーマは「自立」であり、漫然と言われた事を実行するだけでは同じ事の繰り返しが続くが、自ら意志を持って行動した時、それを打ち破る事が出来ると言う構図である。しかし真のラスボスと対決する為には逆にこの反復を終わりまで繰り返し続けなければならない。-->
 
===テレビドラマ===
<!--;「恐怖の宇宙時間連続体」(『[[新スタートレック]]』118話(第5シーズン18話))
:1992年(米国)。原題は''Cause and Effect''(原因とその効果)。宇宙に存在する時空のひずみによるループによって、遭難する運命にとらわれたエンタープライズ。彼らはその窮地から脱出できるのか?-->
<!--;「うるう年の奇跡」(『[[木曜の怪談|怪奇倶楽部]]』)
:日本の[[テレビドラマ]]『新 木曜の怪談』中の、1996年2月29日に放送されたエピソード。2月29日の夜に男子児童が[[貨物自動車|トラック]]に轢かれるのを女子児童が見た直後に朝に戻り、男子児童がトラックに轢かれなくなるまで繰り返すというもの。-->
;『[[君といた未来のために 〜I'll be back〜]]』<ref name="大森2007_p511">{{Harvnb|大森|2007|Ref=CITEREF大森2007|p=511}}</ref>
:1999年に放送された日本のテレビドラマ。小説『リプレイ』を原案とし、主人公の大学生がおよそ4年間を繰り返してしまうと設定されている。
<!--;「[[Xファイルのエピソード一覧#第6シーズン|月曜の朝]]」(『[[Xファイル]]』第6シーズンのエピソード)
:アメリカ合衆国で制作されたテレビドラマの、1999年に放送されたエピソード。爆弾を用意した男が銀行強盗を行う。たまたま居合わせた主人公のモルダーとスカリーは、強盗を阻止しようとするが失敗する。銀行は爆弾で破壊され、強盗や主人公を含め銀行にいた人間は全員死亡してしまう。その後に過去のある時点に戻り、似た事が延々と繰り返される(ループ)。モルダーは僅かながら、強盗の共犯は全て、このループの内容を記憶している。共犯はこのループを終わらせようと、様々なアプローチを行う。-->
<!--;『[[トゥルー・コーリング]]』
:アメリカ合衆国で制作され、2003年から2005年にかけて放送されたテレビドラマ。[[医者]]志望で[[死体安置所]]で働く主人公トゥルーは、深夜勤務中、自分に助けを求める遺体の声を聞いたことで、時を遡り1日前に戻ってしまう。トゥルーは限られた時間の中で、事件を未然に防ごうと奔走する。ループは1回限りで、事件を防げなかったり、過去を変えたため新たな死者が出た場合でも、ループしてのやり直しは出来ない。-->
;『[[仮面ライダー龍騎]]』
:2002年に放送された日本の[[特撮]]ドラマで、平成仮面ライダーシリーズ第3作目。物語のヒロインである神崎優衣は、10年前に死亡しており、ミラーワールドの神崎優衣と同調することで蘇生したが20歳の誕生日で死ぬという期限付きの命であり、それを阻止するべく兄の神崎士郎は優衣に「新しい命」を与えるべくライダーバトルを仕掛けており、失敗する度に士郎はタイムベントを使う事で何度も時間を巻き戻し、ライダーバトルを繰り返していた。劇中では、士郎の手によって時間が巻き戻され、士郎以外の人間は例外を除いて記憶を失うため、時間が巻き戻されたことに気がつけなかった。最低でも5回は時間を巻き戻したために、結果、劇場版・TVSP版の2つ・TV本編と、4つの結末が存在することとなった。最終的な時間軸としては、テレビドラマが該当し、最後には優衣は「新しい命」を与える事を拒み続け、士郎は優衣の説得を受け入れライダーバトル自体無かった世界にして消滅する。
<!--;『[[仮面ライダーディケイド]]』
:2009年に放送された日本の[[特撮]]ドラマで、平成[[仮面ライダー]]10周年記念作品。物語の冒頭でヒロインの光夏海の見た無数の仮面ライダーが「1人の標的=ディケイド」に攻撃を仕掛け全滅する夢=「ライダー大戦」が本編のラストで本当になり1話の冒頭へループされるというもの。劇中では「ライダー大戦」が始まったところで本編は終了しているがプロデューサーの[[白倉伸一郎]]はこれを1話へのループとしている。通常放送時のラストでは夢と多少の違いがあったものの、10月から5月にかけて放送された再放送のラストでは1話の夢により近い演出になっている。また、主人公の門矢士 / 仮面ライダーディケイド役の[[井上正大]]によれば、渡された最終話の台本には「最終話」の文字がなく、最後に「つづく」と書かれていたという。-->
<!--;「リフレイン」(『[[世にも奇妙な物語]]』)
:1991年に放送された[[世にも奇妙な物語]]中のエピソード。[[松崎しげる]]主演。-->
<!--;「そして、くりかえす」(『[[世にも奇妙な物語]]』)
:1998年に放送された[[世にも奇妙な物語]]中のエピソード。[[内村光良]]主演。「明日なんて来なければいい」と願った主人公が、願いどおりに夜の12時を過ぎると同じ日の朝に戻るループに迷い込んでしまう物語。主人公はループから脱出するために様々な試行錯誤を重ねるも脱出できず、ついに工事現場で落下する鉄骨の下敷きになって死ぬ決意を固める。ところが、何も知らずに追いかけてきた最愛の女性の前で鉄骨の下敷きになり、劇的な死を遂げようとしたまさにその時、再び朝に戻ってしまうのだった。
:ループから脱出する方法は結局判明せず、無限ループから抜けられずに終わるブラック・コメディ。-->
;「月曜日が来ない」(『[[天てれドラマ]]』)
:2008年1月に放送された[[天才てれびくんシリーズ|天才てれびくんMAX]]番組内のドラマ。主人公が日曜日1日を31回繰り返す。
 
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