「血液ガス分析」の版間の差分
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室内では吸入酸素分圧は 150 Torr なので、'''PaO<sub>2</sub> = 150 - PaCO<sub>2</sub>/0.8 - AaDO<sub>2</sub>''' [Torr] が成り立つ。
厳密に計算するのなら '''PaO<sub>2</sub> = ("大気圧" - 43)
=== 呼吸係数(RI)および酸素化係数(P/F比) ===
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: まずアシデミアがあるのかアルケミアがあるのかを調べる。基本的に代償機構ではアシデミアがアルケミアになるような大きな代償は起こらない。アシデミアがある時点で、呼吸性アシドーシスか代謝性アシドーシス、あるいはその両方が最初に起こったと考えてよい。
: アシデミアあるいはアルケミアが代謝性のものなのか、あるいは呼吸性のものなのかを考える。
: [[アニオンギャップ]] (AG)、AG = "ナトリウムイオン" - ("重炭酸イオン" + "クロールイオン") を計算する。AG が増加していればそれだけで代謝性アシドーシスの存在を意味する。また AG が増加していれば補正重炭酸イオンを計算する。これは
: 代償性変化が一次性の酸塩基平衡異常に対して予測された範囲内にあるかどうかを検討する。この代償性変化が予測範囲を外れている場合は他の酸塩基平衡異常をきたす病態が存在することを意味する。代償性変化以外の混合性酸塩基異常というものは比較的ありふれた病態であり、代償性変化の予測値を用いることでそれらを検出することができ、血液ガス分析の診断能力をあげることができる。代償性変化の予測値は次のような経験則が知られている。
; 代謝性アシドーシスの呼吸性代償
:
; 代謝性アルカローシスの呼吸性代償
:
; 呼吸性アシドーシスの代謝性代償
: 急性
: 慢性
; 呼吸性アルカローシスの代謝性代償
: 急性
: 慢性
なお、通常は
== 呼吸状態の評価 ==
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== 酸塩基平衡の評価 ==
=== 代謝性アシドーシス ===
代謝性アシドーシスには[[アニオンギャップ]]が増加するものとアニオンギャップが増加しない高クロール血性代謝性アシドーシスがある。AG の増加はそれだけで代謝性アシドーシスが存在するといえる重要な所見である。気をつけなければいけないこととして AG は低下する病態が存在することである。具体的には[[低アルブミン血症]]、IgG [[多発性骨髄腫]]、[[ブロマイド]]中毒、[[高カルシウム血症]]、[[高マグネシウム血症]]、[[高カリウム血症]]が存在する。特に低アルブミン血症のため AG の増加がマスクされることはよくあり、アルブミンが 1 mg/dL 低下するごとに AG は 2.5 ~ 3 mEq/L 低下することが知られている。これはアルブミンがアニオンであるためである。もし AG が増加していたら補正重炭酸イオンを計算する。これは
==== AG増加性代謝性アシドーシス ====
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=== 代謝性アシドーシスの治療 ===
代謝性アシドーシスの治療にはアルカリ剤の投与が行われる。HCO<sub>3</sub><sup>-</sup> の不足を補うため炭酸水素ナトリウムの投与が行われることが多い。
:"不足 HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>" (mEq/L) = "体重"(kg)
:"不足 HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>" (mEq/L) = "体重"(kg)
から計算され、まず半分量を投与し pH をみながら追加していく。メイロンで行う場合は単位換算が必要である。7% メイロン 20 mL では 17 mEq/L であり、8.4% メイロン 20 mL では 20 mEq/L で計算する。一過性に PaCO<sub>2</sub> が上昇するため、十分な換気が確保された状態で行う。心肺蘇生時に必ず代謝性アシドーシスの補正は行うので、1 回の心肺停止でおよそ 10 mEq/L の炭酸水素ナトリウムが不足するため、50 kg の人ならば 7% メイロン 120mL が必要であるということは経験的わかっている。但し実際には 20 mL ずつ 10 分毎に投与といった方法で行う場合が多い。
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== 静脈血液による血液ガス分析 ==
換気、酸素化の評価が必要な場合は動脈血液による血液ガス分析が必要であるが、酸塩基平衡を調べたい場合は静脈血による血液ガス分析で十分である。pH, PaCO<sub>2</sub>, HCO<sub>3</sub><sup>-</sup> に関しては動脈血と静脈血の相関係数は 0.9 以上とされている。平均誤差はpH 0.036
== 参考文献 ==
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