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'''アオサギ'''(あおさぎ、青鷺、蒼鷺、''Ardea cinerea'') は、[[ペリカン目]][[サギ科]][[アオサギ属]]に分類される、長い足が特徴的な[[肉食動物|肉食]]の鳥類。[[アザミウマ]]の温暖な[[ヨーロッパ]]、[[アジア]]、[[アフリカ]]の一部などに生息し、北部に生息する一部の人口は秋になると南へ移動する。[[湿地|湿地帯]]に生息するため水周り(湖、川、池、沼地、海岸など)でよく観測される。[[生活型 (水生生物)|水生生物]]を主食とし、その捕獲方法としては、獲物の側の水の中に静かに立ったり、浅瀬で追いかける。
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'''アオサギ'''(あおさぎ、青鷺、蒼鷺、''Ardea cinerea'') は、[[ペリカン目]][[サギ科]][[アオサギ属]]に分類される、長い足が特徴的な[[肉食動物|肉食]]の鳥類。
 
大人のアオサギの体重は1〜2kgで、身長は1メートルにも至る。白い頭と首を持ち、目の辺りから黒い紋が広がる。上半身は灰色、下半身は灰がかった白色で、側面に黒い部分を持つ。鋭く尖った長いくちばしはピンクがかった黄色で、足は茶色(画像を参照)。春には木の上の高い所に巣を作り、集団的に繁殖する。通常の場合、一度に3〜5個の青緑色の卵が産まれる。メスとオスの両親鳥が卵を温めること約25日間で生まれて、7〜8週間で飛べるようになる。多くのヒナは最初の冬を越せないが、越せた場合は約5年間生きることが期待される。
[[アザミウマ]]の温暖な[[ヨーロッパ]]、[[アジア]]、[[アフリカ]]の一部などに生息し、北部に生息する一部の人口は秋になると南へ移動する。[[湿地|湿地帯]]に生息するため水周り(湖、川、池、沼地、海岸など)でよく観測される。[[生活型 (水生生物)|水生生物]]を主食とし、その捕獲方法としては、獲物の側の水の中に静かに立ったり、浅瀬で追いかける。
 
[[古代エジプト]]では、神の[[ベンヌ]]がニュー・キングダムの美術中でサギとして描かれた。[[古代ローマ]]では予言の鳥であった。焼いたサギはかつてはごちそうであったため、ジョージ・ネヴィルが1465年にヨークの大司教になったとき、400人のサギが客に奉仕されたという
大人のアオサギの体重は1〜2kgで、身長は1メートルにも至る。白い頭と首を持ち、目の辺りから黒い紋が広がる。上半身は灰色、下半身は灰がかった白色で、側面に黒い部分を持つ。鋭く尖った長いくちばしはピンクがかった黄色で、足は茶色(画像を参照)。
 
== 特徴形態 ==
春には木の上の高い所に巣を作り、集団的に繁殖する。通常の場合、一度に3〜5個の青緑色の卵が産まれる。メスとオスの両親鳥が卵を温めること約25日間で生まれて、7〜8週間で飛べるようになる。多くのヒナは最初の冬を越せないが、越せた場合は約5年間生きることが期待される。
アオサギは身長100cm、横幅84-102cm、翼幅155-195cm、体重1.02-2.08kgほどで、鳥として比較的大きい<ref name=arkive/><ref name=CRC/>。羽毛の色としては、上半身は灰色、下半身は灰色がかった白色で、側面は黒がかった灰色である。大人は頭と首が白く、広い黒色の上髄と首の前部に青みがかった黒い縞を持つ。肩甲骨の羽は伸びており、首の根元にある羽毛もいくぶん伸びている。未成熟のアオサギは頭部に黒い縞模様がなく、通常のアオサギよりも頭と首が灰色がかっており、小さくて暗い灰色の紋が付いている。ピンクがかった黄色のくちばしは長くまっすぐと伸びており、繁殖中の大人のそれは通常よりも明るい色を持つ。虹彩は黄色で、脚は茶色で非常に長い<ref name=Witherby/>
 
[[古代エジプト]]では、神の[[ベンヌ]]がニュー・キングダムの美術中でサギとして描かれた。[[古代ローマ]]では予言の鳥であった。焼いたサギはかつてはごちそうであったため、ジョージ・ネヴィルが1465年にヨークの大司教になったとき、400人のサギが客に奉仕された。
 
== 特徴 ==
アオサギは身長100cm、横幅84-102cm、翼幅155-195cm、体重1.02-2.08kgほどで、鳥として比較的大きい。羽毛の色としては、上半身は灰色、下半身は灰色がかった白色で、側面は黒がかった灰色である。大人は頭と首が白く、広い黒色の上髄と首の前部に青みがかった黒い縞を持つ。肩甲骨の羽は伸びており、首の根元にある羽毛もいくぶん伸びている。未成熟のアオサギは頭部に黒い縞模様がなく、通常のアオサギよりも頭と首が灰色がかっており、小さくて暗い灰色の紋が付いている。ピンクがかった黄色のくちばしは長くまっすぐと伸びており、繁殖中の大人のそれは通常よりも明るい色を持つ。虹彩は黄色で、脚は茶色で非常に長い。
 
主な鳴き声は大きい「fraaank」というような叫び声だが、繁殖中の集団では様々な耳障りな騒音が発せられる。オスは鳴くことによってメスを誘い、メスが巣に来てカップルが成立すると双方さまざまな挨拶の鳴き声を発する。オスが巣の周辺から他の鳥を追い出すためには「schaah」というような鋭く大きい叫び声を発し、捕食者が近くにいるときや人間がコロニーを通り過ぎるときに不安を表現するため、静かに「gogogo」と鳴く。ヒナはひっきりなしにティッキングする<ref name=Witherby/>
 
== 分類・進化 ==
アオサギはかなり古代の系統であり、古生物期の化石記録に初めて登場した。しかし見つかっている化石はごくわずかである。 700万年前(中新世後期)には、現代の形によく似ている、先祖となる鳥が現れている<ref name=HSG>{{cite web |url=http://www.heronconservation.org/styled-5/styled-6/ |title=Heron Taxonomy and Evolution |year=2011 |work=Heron Conservation |publisher=IUCN Heron Specialist Group |accessdate=19 October 2015}}</ref>
 
アオサギはサギ科サギ亜科アオサギ属で<ref name=HSG/>、最初に発見されたのは1758年で、スイスの学者のLinnaerusによる。'''''Ardea'''(サギ) '''cinerea'''(灰色)という正式名もこのとき名付けられた<ref name=job>{{cite book | last= Jobling | first= James A | year= 2010| title= The Helm Dictionary of Scientific Bird Names | publisher=Christopher Helm | location = London | isbn = 978-1-4081-2501-4 | pages=54, 107}}</ref>。''アオサギは4つの亜種に分類される<ref name=IOC/>
;Ardea cinerea cinerea (Linnaeus, 1758年)
:ヨーロッパからウスリー地方までと、アフリカ、中東、中央アジア、インドに分布。
;Ardea cinerea jouyi(Clark, 1907年)
:卵や行動にArdea cinerea cinereaとの大きな違いは見られなかった。[[モンゴル国|モンゴル]]から[[中国]]、[[日本]]、[[東南アジア]]に分布。卵や行動にArdea cinerea cinereaとの大きな違いは見られなかった
;Ardea cinerea firasa(Hartert, 1917年)
:[[マダガスカル]]で発見された。他に[[コモロ諸島]]に分布。
;Ardea cinerea monicae(Jouanin&Roux, 1963年)
:[[モーリタニア]]の[[バンク・ダ・アルギン島]]で発見された。モーリタニア沿岸の島嶼に分布
 
== 分布 ==
[[ファイル:Ardea_cinerea_map.png|thumb|left|200px|分布<br />繁殖地:黄緑、青:越冬地、緑:周年生息地]]
アオサギは、[[アフリカ大陸]]、[[ユーラシア大陸]]、[[イギリス]]、[[インドネシア]]西部、[[日本]]、[[フィリピン]]北部、[[マダガスカル]]に分布している。<br />夏季にユーラシア大陸中緯度地方で繁殖し、冬季になるとアフリカ大陸中部、東南アジアなどへ南下し越冬する。アフリカ大陸南部やユーラシア大陸南部などでは周年生息する。日本では亜種アオサギが夏季に[[北海道]]で繁殖し(夏鳥)、冬季に[[九州地方|九州]]以南に越冬のため飛来する冬鳥。[[本州]]、[[四国地方|四国]]では周年生息する留鳥である。
夏季にユーラシア大陸中緯度地方で繁殖し、冬季になるとアフリカ大陸中部、東南アジアなどへ南下し越冬する。アフリカ大陸南部やユーラシア大陸南部などでは周年生息する。日本では亜種アオサギが夏季に[[北海道]]で繁殖し(夏鳥)、冬季に[[九州地方|九州]]以南に越冬のため飛来する冬鳥。[[本州]]、[[四国地方|四国]]では周年生息する留鳥である。
 
==<!-- 形態 ==
全長88-98cm。翼開張150-170cm。[[体重]]1.2-1.8kg。上面は青みがかった灰色の羽毛で被われ、和名の由来(漢字表記の蒼はくすんだ青色のことも指し、中国語名と同一)になっている。種小名''cinerea''は「灰色の」の意で、英名(grey)と同義。また淡灰色の長い羽毛(飾羽)が混じる。下面は白い羽毛で被われ、胸部の羽毛は伸長(飾羽)する。頸部から胸部にかけて黒い縦縞が入る。頭部は白い羽毛で覆われ、眼上部から後頭にかけて眉状の黒い筋模様(眉斑)が入る。後頭は眉斑と繋がるように黒い羽毛が伸長(冠羽)する。雨覆の色彩は灰色で、初列雨覆や風切羽上面の色彩は黒い。人間でいう手首(翼角)の周辺には2つの白い斑紋が入る。雌は雄に比べるとやや小型で、冠羽と飾羽が短い。
[[虹彩]]は黄色。
 
--><!-- 若鳥
[[虹彩]]は黄色。
 
=== 若鳥 ===
[[ファイル:Grey_Heron.jpg|thumb|left|200px|若鳥]]
若鳥は上面が灰褐色、頭部が灰色の羽毛で被われる。また若鳥や冬羽は上嘴が黒ずむ。眉斑は不明瞭で、後頭に冠羽が伸長しない。繁殖期は眼先がピンク色で、嘴や後肢の色彩もピンク色。非繁殖期は眼先が黄緑色で、嘴や後肢の色彩が黄色。
-->
 
== 分類 ==
4亜種に分けられる。
* ''Ardea cinerea cinerea'' Linnaeus, 1758 -
 ヨーロッパからウスリー地方までと、アフリカ、中東、中央アジア、インドに分布。
* ''Ardea cinerea jouyi'' アオサギ
 モンゴルから中国、日本、東南アジアに分布。
* ''Ardea cinerea firasa''
 マダガスカル、コモロ諸島に分布。
* ''Ardea cinerea monicae''  
 [[モーリタニア]]沿岸の島嶼に分布。
 
== 生態 ==
[[ファイル:Aosagi-Ardea cinerea-Dec1-2013-Chiba-Japan.ogv|thumb|thumbtime=1|(動画) ちょっとだけ飛ぶ瞬間]]
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夕風や水青鷺の脛(はぎ)をうつ  [[与謝蕪村]]
 
== 関連項目 ==
* [[サギ科]]
** [[アオサギ属]]
* [[ベンヌ]]
* [[ヘロン (山下達郎の曲)]]
 
=== 若鳥脚注 ===
{{reflist|28em|refs=
<ref name=arkive>{{cite web |url=http://www.arkive.org/grey-heron/ardea-cinerea/#text=Facts |title=Grey heron (Ardea cinerea) |work=ARKive |accessdate=27 January 2012}}</ref>
<ref name=CRC>{{cite book |title=CRC Handbook of Avian Body Masses |editor-first=John B. |editor-last=Dunning Jr. |publisher=CRC Press |year=1992 |isbn=978-0-8493-4258-5}}</ref>
<ref name=IOC>{{cite web |editor-last=Gill |editor-first=F. |editor2-last=Donsker |editor2-first=D. |year=2014 |title=IOC World Bird List (v 4.4) |doi=10.14344/IOC.ML.4.4 |accessdate=27 December 2014}}</ref>
<ref name=Pistorius2008>{{cite journal |last=Pistorius |first=P.A. |year=2008 |title=Grey Heron (''Ardea cinerea'') predation on the Aldabra White-throated Rail (''Dryolimnas cuvieri aldabranus'') |journal=Wilson Journal of Ornithology |volume=120 |issue=3 |pages=631–632 |doi=10.1676/07-101.1 }}</ref>
<ref name=Schoffies>The heron's city life is documented in the Dutch [[Documentary film|documentary]] [http://www.idfa.nl/industry/tags/project.aspx?id=28c2da63-b1d6-460c-8819-515b60847490 ''Schoffies'' (''Hoodlums'')], shot in Amsterdam.</ref>
<ref name="Sitko & Heneberg 2015">{{Cite journal |last1=Sitko |first1=J. |last2=Heneberg |first2=P. |year=2015 |title=Composition, structure and pattern of helminth assemblages associated with central European herons (Ardeidae) |journal=Parasitology International |volume=64 |pages=100–112 |doi=10.1016/j.parint.2014.10.009}}</ref>
<ref name=Taylor>{{cite web |last1=Taylor |first1=Rosie |title=Oi, hands off our fish! Cheeky heron flies in as penguins enjoy new Olympic diving pool |url=http://www.dailymail.co.uk/news/article-2122322/London-Zoo-Penguins-enjoy-new-London-2012-Olympic-diving-pool.html |website=Daily Mail Online |accessdate=6 December 2014}}</ref>
<ref name=Tiergarten>{{cite web |title=Graureiher |url=https://www.zoovienna.at/tiere/voegel/graureiher/ |publisher=Tiergarten Schoenbrunn |accessdate=6 December 2014}}</ref>
}}
 
== 参考文献 ==
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* 『小学館の図鑑NEO 鳥』、[[小学館]]、[[2002年]]、20頁。
* 『世界の動物|分類と飼育 コウノトリ目+フラミンゴ目』、財団法人東京動物園協会、[[1985年]]、16-17頁
 
== 関連項目 ==
* [[サギ科]]
** [[アオサギ属]]
* [[ベンヌ]]
* [[ヘロン (山下達郎の曲)]]
 
== 外部リンク ==