「フェイザー」の版間の差分

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スタートレックシリーズの世界において23世紀に発明されたとされる殺傷力の強い光速伝播のビーム兵器で、いわゆる光線銃である。主人公の宇宙艦隊士官がもっとも使用する武器のひとつで、上陸任務には拳銃型のフェイザーを携行する他、宇宙艦同士の交戦においても重要な武器となっている。
 
フェイザーは携行可能なハンドフェイザー(タイプ1~3)~艦載型の大型フェイザーバンク(タイプ4~12)まで出力により規格分けがされており、バリエーションが多い。劇中に最もよく登場するのは拳銃型のタイプ2フェイザー、ライフル型のタイプ3フェイザー、主人公の艦に搭載された艦載型のタイプ10フェイザーである。対人拳銃であるタイプ2フェイザーは出力調整がかなり厳密に設定可能であり、宇宙艦隊では最弱レベルの「麻痺」が多く使われるが、最大出力で撃つと被弾した人間は「気化」してしまうほどの威力がある。
 
「フェイザーを麻痺にセットしろ」はカーク船長の名台詞のひとつである。また「バンク」は「土手、土盛り」を意味するが、スタートレックではフェイザーやディスラプターの艦載砲台のことをバンクといい(フェイザーバンク、ディスラプターバンク)、フェイザーエネルギーの残量のことではない
 
ノベライズの「[[宇宙大作戦]]」シリーズの初期〜中期にかけては、「'''位相光線砲'''」「'''位相光線銃'''」と訳され、中期〜後期にかけては「位相光線砲」の表記に「'''フェイザー'''」の振り仮名が、現在のスタートレック作品では「'''フェイザー砲'''」と訳されている。なおフェイザーは東京の宇宙艦隊科学研究所で開発されたという裏設定がある。また劇中で20~21世紀の人物が登場してフェイザーを見た時にしばしば「光線銃(Ray gun)」という言葉を聞くことができる。
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「Phaser」は「位相エネルギー整流作用」('''''PHAS'''ed '''E'''nergy '''R'''ectification'')の略称とされており、スタートレックの世界においては位相変換型エネルギー兵器(ナディオン素粒子によるビーム兵器)の総称である。
 
[[ブラディオン|タージオン]]や[[グルーオン]]といった原子間核力を伝達する素粒子の一種である「高速ナディオン」という架空の素粒子を「フシギノウミ結晶」に通すことで起こる「高速ナディオン効果/RNE('''R'''apid '''N'''adion '''E'''ffect)」という爆発的な反応を制御しビーム状に指向性放射をすることで、対象物を原子未満のレベルにまで破壊する力を得る。フェイザーは発射装置にパワーを注入することで発生するが、エネルギー源は電力でもプラズマでもよい
 
この「ナディオン」という単語はスタートレック劇中においても比較的よく聞くことができる。宇宙艦のセンサーがナディオン放射を探知した場合、それはフェイザーおよび類似兵器のディスラプターの発砲に由来する可能性が高いため、武器サインととらえられるためである。
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=== 分類 ===
[[惑星連邦]]のフェイザーは、規模により個人携帯用のタイプ1〜3、艦載用のタイプ4〜12が存在する。艦載用のものにはフェイザータレット型(固定砲座式の、船体表面に設置された球状の砲台)・フェイザーアレイ型(船体表面にレール状に直列設置されたフェイザーエミッタバンク。発射角度に死角がなく同時に様々な方向へ撃てる)・キャノン型(高出力だが特定の一方向にのみ発射可能なバンク)がある。
* タイプ1:フェイザー銃。マウスのような形状の護身用の小さなハンドフェイザーだが、ほとんど見かけない。
* タイプ2:フェイザー銃。最もよく見かける一般的なハンドフェイザーで、23世紀では拳銃型、24世紀ではコブラヘッド型のものが主流。
* タイプ3:フェイザーライフル。タイプ2より照準がつけやすく、パワーセル(電池)も大きい。
* タイプ4:艦載フェイザー。シャトルクラフトに装備されるフェイザー。タレット型、アレイ型ともに存在バンク
* タイプ5:フェイザータレット。フェイザー導入時の23世紀宇宙艦に搭載された初期型の艦載フェイザー。
* タイプ6:フェイザータレット。コンスティテューション級改やミランダ級、エクセルシオール級など23世紀後期の宇宙艦に搭載された。
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=== 類似兵器 ディスラプター ===
同様のナディオンビーム兵器にディスラプターという武器がある。ディスラプターはクリンゴン、ロミュラン、ブリーン、カーデシア、ボーグといったいわゆる交戦的種族が用いる武器で、黄~オレンジ色のフェイザービームに対して緑~青白いビームとなっている。フェイザーとディスラプターの明確な違いは明らかにされていないが、ディスラプターのほうがより爆発力が強いと思われる(ウォーフ少佐は襲撃を受けたアマゴサ星基地の調査で「これはタイプ3のディスラプターの爆発です」と一目で見抜いている)。
 
== 破壊力==
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== 運用 ==
対人兵器としてのフェイザーは人体を蒸発させるほどの絶大な破壊力を持つ。しかし宇宙艦同士の交戦においてはフェイザービームは敵艦の[[シールド (サイエンス・フィクション)|防御シールド]]によって分散されやすく、決め手とはなりにくい。ただし光速伝播であるため命中しやすく、残弾数を気にする必要もなく、さらにあらゆる角度に同時に何発も撃てるという利点がある。このため宇宙艦同士の戦闘では、まず連射のきくフェイザーを撃ち敵艦の防御シールドを弱らせ、より破壊力のある反物質弾頭・[[光子魚雷]]を撃ち込むのがごく一般的な戦術である。なお、この際の光子魚雷は1発ではなく3発ほど同時発射していることが多い。
 
またフェイザーは光速伝播ビームであるため、ワープ(超光速推進)中の使用は基本的にされることがない。フェイザービームが艦周囲のワープフィールドを抜け出した瞬間、フェイザービームの速度は艦の速度の数百分の1にまで落ち、下手をすればビームが艦に跳ね返ってくるためである。そのためワープ中の攻撃はワープフィールド維持装置が組み込まれた光子魚雷が使われるが、フェイザーの使用不能により戦略の幅がかなり狭まるため滅多に見られない。なおワープ中のフェイザー発砲は理論上、至近距離まで敵艦に近づき、射程範囲内にまでワープフィールドを拡大すれば可能である。またボーグのトランスワープチューブのような亜空間トンネル内においても可能である。