「ソロモンの鍵」の版間の差分

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19世紀末から20世紀初頭にかけて、マグレガー・マサースが関与した異なるふたつのソロモン系魔術書が英語圏で出版された。『[[ソロモンの大いなる鍵]]』と『[[レメゲトン|ソロモンの小さき鍵]]』という二冊の[[グリモワール|魔術書]]である。
 
このうち、『ソロモンの大きな鍵』の特徴は書の内容よりも付録的な記載の豊富な護符などの図版である。『ソロモンの小さな鍵』については、こちらのほうが有名である。『[[ゴエティア|ゲーティア]]』もしくは『レメゲトン』とも呼ばれる。その内容はソロモン72柱の解説と使役の仕方が記されている。知名度から『ソロモンの小さな鍵』の方がソロモンの鍵だと認識されることも多いが本来は『ソロモンの大きな鍵』の方を指す
『ソロモンの小さな鍵』については、こちらのほうが有名である。『[[ゴエティア|ゲーティア]]』もしくは『レメゲトン』とも呼ばれる。
その内容はソロモン72柱の解説と使役の仕方が記されている。
知名度から『ソロモンの小さな鍵』の方がソロモンの鍵だと認識されることも多いが本来は『ソロモンの大きな鍵』の方を指す。
 
前者は1889年にマサースによって出版された『ソロモン王の鍵』 (''The Key of Solomon the King'') である。これはマサースが[[大英博物館]](現・[[大英図書館]])所蔵の複数の手稿本を基に再編した英訳版の「ソロモンの鍵」である。初版はほとんど注目されなかったが、その後、マサース対[[アレイスター・クロウリー|クロウリー]]の法廷闘争が世間の耳目を騒がせたことも相まって、1909年の新版は多少注目を集めた。その後、シカゴでオカルト本の出版やオカルト用品の通信販売を手がけるL・W・デ・ローレンスによって『ソロモンの大きな鍵』 (''The Greater Key of Solomon'') という題で海賊版が出版された。
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===ソロモンの大きな鍵===
{{main|ソロモンの大いなる鍵}}
今日『ソロモンの大きな鍵』という名で知られる書物は、[[マグレガー・メイザース]]によって大英博物館にあった“ソロモンの名を冠する7種類の断章”を基に内容を再構成したグリモワールである。基になったグリモワールも15世紀前後のものとみられており、オリジナルはすでに失われている。よってオリジナルのグリモワールがソロモン本人の著作かどうかも定かではない
基になったグリモワールも15世紀前後のものとみられており、オリジナルはすでに失われている。
よってオリジナルのグリモワールがソロモン本人の著作かどうかも定かではない。
 
その内容は、魔術用具の作り方や[[儀式]]を行うための約束事に始まり、精霊の[[召喚魔術|召喚]]の仕方までに至る。魔術書としての典型、まさに理想的な内容であると言える。しかし、最も特徴的な内容は豊富な図版と付録の大量なペンタクル(魔術用の[[護符]])である。
魔術書としての典型、まさに理想的な内容であると言える。
しかし、最も特徴的な内容は豊富な図版と付録の大量なペンタクル(魔術用の[[護符]])である。
 
===ソロモンの小さな鍵===