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[[OASYS 30AF]](1986年)は把手が着いて電源コードも掃除機のように本体内に収納できる縦型の「トランスポータブル」デザインで、[[ニフティサーブ]]へアクセスする[[パソコン通信]]機能を装備。「ワープロ通信」と呼んでいた。30AFに始まる30シリーズのワープロ通信機能メニューからは、[[MS-DOS]]プロンプトに降りることが出来た。機種により[[Basic Input/Output System|BIOS]]に細かい差異があるが、おおよそ[[FMR]]互換であったので、FMR用のソフトがわずかな修正で走った。30シリーズのICカードは Type II のPCカードの初期の規格と互換性があり、市販の[[SRAMカード]]がほぼ使えた。[[フラッシュメモリ]]は使えない。
 
30AXIIやAX-CD(CD-ROMドライブ搭載)ではDTP機能がオプションで用意された。<br />後継の30AX301・401(CRTモデルの30SX301・401やラップトップモデルの30LX651を含む)ではDTP機能が標準搭載された。ただし、その後の機種には搭載されなかった。
 
30AP101(1994年5月発表)では、記憶媒体としてハードディスクが初搭載(パーソナル向けモデルとして)された<ref>[http://museum.ipsj.or.jp/computer/word/0081.html OASYS 30AP-101 -コンピュータ博物館]</ref>。
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[[携帯情報端末|PDA]]としての機能を持ったポケットサイズワープロ<ref>[http://museum.ipsj.or.jp/computer/word/0080.html OASYS Pocket -コンピュータ博物館]</ref>である。
 
1991年に初代の[[オアシスポケット|OASYSポケット]]が商品化された。印刷機能はオプション(印刷カード別売り)であった。<br />
シリーズ第二弾の[[オアシスポケット|OASYS Pocket 2]]で印刷機能が標準内蔵され、シリーズ第三弾の[[オアシスポケット|OASYS Pocket 3]](1994年)でMS-DOSモードが内蔵された。
 
==== DOS/Vパソコンの顔をもつOASYS ====
OASYS 35DX-101(1993年)は[[DOS/V]]が正式サポートされた。<br />[[PC/AT互換機]]としてハードウェアのコストを削減し、また OASYS 48V の一部機種で[[Microsoft Windows 3.x|Windows 3.1]]を採用するなど、PCとの融合路線をアピールした。
 
OASYS Vシリーズ<ref>[http://museum.ipsj.or.jp/computer/word/0084.html OASYS Vシリーズ -コンピュータ博物館]</ref>(1994年)では、30AXシリーズのような外観のモデルの他、<!--1995年モデルでは-->[[FMV]]と共通の筐体を持つモデルも登場し、ハードウェアの差異は、キーボードと[[ハードディスクドライブ|ハードディスク]]の領域の一部をOASYS区画としている程度であった。
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1989年3月にOASYS30シリーズのラップトップモデルとして、OASYS 30LX<ref>[http://museum.ipsj.or.jp/computer/word/0010.html OASYS 30LX -コンピュータ博物館]</ref>が登場し、その後、LXシリーズは普及機の主力シリーズに成長した。
 
LX-2100/3100/3100C(1995年)で液晶画面が[[Video Graphics Array|VGA]]相当の縦480ドットに拡大。<br />3100Cでは[[STN液晶|DSTNカラー液晶]]も搭載され、[[タッチパネル]]の[[ユーザインタフェース]]搭載と相まって、ワープロ専用機の枠をはみ出して行くことになる。<br />LX-4500NT(1996年)で「ゆびタッチ」操作の[[ウェブブラウザ]]を搭載。「タッチインターネット」と称していた。<br />しかし、当時の普及価格帯ワープロ専用機では快適なWebブラウズは難しく、販売も振るわなかった。
 
=== ワープロ専用機の終焉 ===
このように業務用・家庭用の両分野でシェア第1位を獲得したOASYSも、[[パーソナルコンピュータ]]が高性能化するに従い[[ワープロソフト]]というやや異なる分野の競争相手との戦いで劣勢に立たされ、次第に販売量を落としていき、[[2001年]]2月には、ワープロ専用機の生産中止を発表した。<br />[[2008年]]5月には、印刷用リボンカセットの販売も終了している<ref>[http://www.fmworld.net/oasysworld/new/expendables_end.html ワープロ専用機OASYS用リボンカセットの販売終了について] - 富士通、2008年6月2日</ref>。
 
=== ワープロソフトのOASYS ===
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==== FM-OASYS ====
 
[[PC-9800シリーズ]]の独走を止めるべく投入した[[FM-16β]]が商業的に失敗し、再起を図った[[FMRシリーズ]]の全機種共通の柱の1つとして、ワープロ専用機市場におけるOASYSの優位が活用された。[[MS-DOS]]の[[FEP]]に[[Japanist|OAK(オアシスかな漢字変換)]]が標準装備され、キーボード配列もOASYSと親和性を持たせてあり、そしてワープロソフトFM-OASYSが用意された。
 
多くの機種でフロッピー版とハードディスク版があった。高機能化により、フロッピー版は容量の制限から印刷などの作業のたびにフロッピーを交換せねばならず大変不便であった。FMRノートのようにROMカードで提供される機種もあった。ちなみに、FMRノートは、フロッピーディスク版の利用もできた(ハードディスクインストールして利用)。FM TOWNS版は[[TownsOS]]ではなくFMR-50互換の16色モードで動作し、FM TOWNSに内蔵された辞書ROMを活用するが、MS-DOS上のOAKよりユーザー辞書が強化されていた。
 
ファイル形式もMS-DOSと異なる独自のものであり、半角8文字までというMS-DOSの制限にとらわれず、OASYS専用機と同様、日本語で長い文書名を付けることができた(文書名を付けないと自動的に1行目が文書名になる)。反面、ハードディスク上にMS-DOSからアクセスできない独自の区画を設定する必要があった。
 
==== OASYS for Windows ====
Windows版OASYSの歴史は[[FMV]]よりも古い。家庭市場を狙ったFMVデスクパワーの登場により、OASYS/Winプレインストールモデルが用意された。<br />
FMVの[[デスクトップパソコン|デスクトップ機]]は台湾メーカー製のマザーボードを採用した機種が多いが、OASYS専用機のフロッピーを読み書きするために、[[フロッピーディスク|FDD]]の[[コネクタ]]と[[ケーブル]]を制御線が1本多い独自仕様とし互換性を確保していた。<br />
 
富士通以外でもOASYS専用機のフロッピーが読める機種が一部確認されている。
 
また、富士通製(動作保証はFMVのみ)またはロジテック製の一部のUSBフロッピードライブにOASYS付属のドライバを組み込むことによっても、OASYS専用機フロッピーを読み書きすることができる。<br />
また、Vista以降のWindows上では内蔵ドライブを使ったOASYS専用機フロッピーの読み書きをサポートしないため、こちらの方法を使う必要がある。しかし、2社ともUSBフロッピードライブの生産を終了しており、入手は困難である。<br />
OASYS付属ドライバの供給元である[[アンテナハウス]]製「[[リッチテキスト・コンバータ]]」を別途購入すれば、2社以外のドライブでの読み込みも可能になる。アンテナハウス社の動作確認FDDの一覧には、オウルテックやアイ・オー・データ、イメーション製のドライブがいくつか掲載されている(但し2016年2月現在、大半は販売終了品である)。<br />
 
但しWindows10では、ワープロ専用機のディスクの読み書きについて動作保証外であるとのアナウンスがなされている<ref>[http://www.antenna.co.jp/rtc/rtc20win10.html リッチテキスト・コンバータ20 Windows10対応について]</ref>。
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===== 主なバージョン =====
[[Microsoft Windows 3.x|Windows 3.0/3.1]]はMS-DOSと同様にファイル名の長さに制限があるが、OASYS/WinおよびOASYS for Windowsは、DOS上のファイル名は6桁の文字列を生成し、OASYSの文書選択画面で日本語の文書名を見せることで、専用機同様の使い心地を実現していた。<br />ワープロソフトと同時に「富士通フォントシステム」もインストールされ、[[フォント|WIFEフォント]]形式の[[モトヤ]]製フォントが多種使えた。
 
OASYS for Windows 95 V4.0以降で[[Microsoft Windows 95|Windows 95]]に、4.1以降で[[Microsoft Windows NT|Windows NT]]に対応した。<br />Windows 95と[[Microsoft Word|Word 95]]を同日発売した[[マイクロソフト]]に対して、[[ジャストシステム]]([[一太郎|一太郎7]])と[[ロータス (ソフトウェア)|ロータス]](ワードプロ)は32ビット化と同時にソフトを全面的に再設計したため、開発スケジュールに無理があり[[バグ]]が十分取れずに出荷しシェアを失ったのに対して、OASYS for Windows V4.0は、同V3.0の事実上の32ビット版という手堅いバージョンアップであったのが幸いして、大きな苦情は聞かれなかった。
 
OASYS V5(1998年)は、FMV-DESKPOWER DCに搭載の「新OASYS」(Windows95上で動作した)とOASYS for Windows95を統合したソフトとして発表された。<br />専用機のカルク(表計算)などの資産が活用できる'''OASYS Office''' V5も用意され、非常に大規模なソフトウェアとなった。<br />また、ワープロ専用機の縮小にともない開発部隊を統合し、以後のバージョンアップを行うことになる。
 
OASYS V6(1999年)では、OASYS Officeに代わり、OASYSと[[ロータス・スーパーオフィス]]([[IBM]] [[ロータス (ソフトウェア)|ロータス]])のカスタマイズ版を搭載した(ワードプロを除く)、'''OASYS SuperOffice'''が販売されるようになった。<br />これにはOASYS 1-2-3、OASYSアプローチ、OASYSオーガナイザーが含まれる。後のバージョンで若干構成が変更され、OASYS プレゼンテーションが追加されたり、ロータスオーガナイザーがそのまま搭載されたりしている。
 
OASYS 2002 (V9相当、2001年) で[[Microsoft Windows XP|Windows XP]]に対応した。
 
OASYS V10(2006年)では[[Microsoft Windows Vista|Windows Vista]](32bit)に対応した。<br />さらに発売後のアップデートで
*[[Microsoft Windows 7|Windows 7]](当初は32bitのみ。その後64bitにも対応した)
*[[Microsoft Windows 8|Windows 8/8.1]]
*[[Microsoft Windows 10|Windows 10]]
にも対応する。<br />ただし、ロータス・スーパーオフィスの開発が打ち切られており、Vista以降のWindowsに対応したバージョンが存在しないため、OASYS SuperOfficeに含まれるソフトウェアのうち、OASYS、[[Japanist]]以外はVista以降のWindowsに対応しない。<br />このためSuperOffice版のユーザーは、Vista以降のWindowsにインストールする際に非対応ソフトウェアを外すため、特殊な手順をふむ必要がある<ref>[http://software.fujitsu.com/jp/oasys/lineup/office_install.html OASYS SuperOffice V10 インストール方法] - 富士通</ref>。<br />また、V10ではOASYSから「英文法チェック機能」および「英文スペルチェック機能」がライセンス期間満了のため削除され、OASYSプレゼンテーションから[[Microsoft PowerPoint]]のデータ変換機能が削除されている。
 
2014年3月31日を以てOASYS V10の販売は終了となり、後継製品の発売もされないことがアナウンスされた<ref>[http://www.fujitsu.com/jp/products/software/applications/applications/oasys/merit/ ご注意「OASYS SuperOffice V10.0の販売終了」] - 富士通</ref>。