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== 概要 ==
『[[超時空要塞マクロス]]』の続編として、[[OVA]]『[[マクロスプラス]]』と並行して11年ぶりに企画・[[制作]]されたテレビシリーズ。前作から35年後の世界を描いており、一部のキャラクターも登場するなど、直接的な繋がりを見せる。突如謎の敵の襲撃を受けた[[宇宙移民]]船団[[新マクロス級超長距離移民船団#マクロス7船団|マクロス7]]を舞台に、歌にすべてを懸けるロックボーカリスト[[Fire Bomber#熱気バサラ|熱気バサラ]]が戦場で自分の歌を伝えようと挑戦する姿を描く。
 
原作・スーパーバイザーに[[河森正治]]、シリーズ構成に[[富田祐弘]]、キャラクター原案に[[美樹本晴彦]]、メカニックデザインに河森と[[宮武一貴]]など、前作における主要スタッフが本作においても中心的メンバーとして参加している。アニメーション制作はヒーロー(第34話まで)と葦プロダクション(現・[[プロダクション リード]]、全話)が担当し、監督には新たなファン層を開拓するため、これまでシリーズに無関係だった[[アミノテツロー]]が起用された<ref name="TIAS55">「スタッフインタビュー2 監督 アミノテツロー」『THIS IS ANIMATION SPECIAL マクロス7』小学館、1995年、55頁。</ref>。『超時空要塞マクロス』のメカ作画監督、『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』の作画監督を務め、「[[板野一郎#板野サーカス|板野サーカス]]」と呼ばれる独特の戦闘シーン描写で注目された[[板野一郎]]は『マクロスプラス』の[[特技監督]]を務めており、本作には参加していない<ref>劇場版『[[マクロス7 銀河がオレを呼んでいる!]]』では[[原画]]の一部を担当している。</ref>。
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== 作品解説 ==
=== 背景と意図 ===
本作は元々もともと[[アメリカ合衆国]]より[[ハリウッド]]での[[マクロスシリーズ#幻の企画|実写劇場版]]製作の企画を持ちかけられた際に、当時の子供の間では『マクロス』の知名度が低かったことから、日本国内でOVAとテレビアニメの新作を展開して人気を獲得しようという意図の下に企画された<ref name="AM199410">原口正宏「テレビとビデオの境界線が消える時」『アニメージュ』1994年10月号、徳間書店、27頁。</ref>。異なるメディアでの同時展開の理由について製作会社[[ビックウエスト]]の大西加紋は、テレビアニメの内容面やスケジュール面での制約から「[[マニア]]層」を納得させる水準維持が難しく、そうした層を取り込むためにOVAでの展開と両方が必要であったという趣旨の発言をしている<ref name="AM199410"/>。
 
『[[超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか]]』以降の10年間「マクロスにはもう手を出さない」と言ってきた河森は、それをやる以上は「路線継承だけはせずにファンを裏切ろう」と思い<ref name="BC145">インタビュー:河森正治『B-CLUB vol.145』、バンダイ出版課、1997年、23頁。</ref>、[[バンダイビジュアル]]のプロデューサーである高梨実より企画を持ちかけられた際に一度は断るが<ref name="TIAS56">「スタッフインタビュー3 原作 メカニックデザイン 河森正治」『THIS IS ANIMATION SPECIAL マクロス7』小学館、1995年、56頁。</ref>、その後1週間考えた結果<ref>インタビュー:河森正治『オトナアニメ Vol.10』洋泉社、2008年、50頁。</ref>、「歌うパイロット」というアイデアを思いつき、もう一捻りして「スポンサーに却下されるかもしれないけど、戦わない主人公はどうだろう」と考えた<ref name="BC145"/>。
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構想の背景には『愛・おぼえていますか』のクライマックスにおいて、歌で異星人の心を目覚めさせながら敵軍のボス、[[超時空要塞マクロスの登場人物一覧#第118基幹艦隊|ゴル・ボドルザー]]だけは銃撃で決着をつけたという経緯があり、本作制作中には「劇場版でも弾を撃たなければ、本当の意味で時代を変えられたかもしれない。その深い心残りが今やっていることにつながっているような気がしますね」と語っている<ref>『月刊ニュータイプ』1995年4月号、角川書店、8頁。</ref>。
 
また、同時作業の『プラス』と似ていると頭の中で混乱する上つまらないので、昔のマクロスの要素をデフォルメして振り分け、『プラス』は実写寄り、『7』は[[漫画]]寄りと設定した<ref name="BC145"/>。『7』のコンセプトは「[[メカ]]ファンからそっぽを向かれる作品」と「空前にして絶後」であり、誰もこのあと真似をしようと思わないものを作ろうと思ったという<ref name="DW">『河森正治 マクロスデザインワークス』、ムービック、2001年、155頁。</ref>。
 
河森は「スタイル」から来る「思い込み」をあえて外すのが好みで、『7』は荒唐無稽に見えながらも「戦わずに歌う主人公」という点で、一見シリアスな装いを持った『プラス』よりも重いテーマを扱っていると語っている<ref>河森正治インタビュー『アニメージュ』1995年10月号、26頁。</ref>。また、アニメ作品をリアリティを込めて制作すると[[洗脳]]に近くなってゆくため、『7』のような「際どい」テーマを扱った作品の場合、海外旅行中に拳銃を突きつけられた状況で歌いだすといったような人間が万が一にも出る可能性を考慮して、そこまでは責任をもてないためにあえて漫画的な表現にとどめたという趣旨の発言もしている<ref name="AM199511"/>。その上で「スタイルは漫画ですけど、やっている内容はそんなに外れていないはずです。全部を小説のSFとして書くと、結構筋立って見えるはずですよ」とも述べている<ref name="DW"/>。
 
監督に起用されたアミノテツローは、テレビ版の『超時空要塞マクロス』を観たことがなく、旧作の影響を避け新しいものを作るために、本作の制作にあたってあえて同作品を観ることはしなかったと述べており<ref name="TIAS55"/><ref name="AM199411p10">「「マクロス7」は「マクロス」を超えられるか!?」『[[アニメージュ]]』1994年11月号、徳間書店、10頁。</ref>、旧作の設定などについては河森や富田の意見を聞きながら制作が行われた<ref name="TIAS55"/>。助監督として自ら志願して参加した藤本義孝([[ふじもとよしたか]])は『超時空要塞マクロス』の大ファンで、河森によると旧作のスタッフも忘れているようなことをファン視点で記憶しており、旧スタッフと新スタッフの橋渡し的な存在になっていたという<ref>『アニメージュ』1995年9月号、28頁。</ref>。
 
=== 評価 ===
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作品の重要要素である「歌」に関して、『マクロス』では女性アイドル、『マクロスII』では歌巫女をフィーチャーしていたが、本作では男女ツインボーカルのロックバンドを中心に据えている。さらに新機軸として、キャラクターの通常の声を[[声優]]が演じ、歌の部分はプロのミュージシャンが担当するという方法が採られている。配役は先にミュージシャンを決めてから、歌の声と違和感のない声優を選ぶという形がとられた<ref>「マクロス音楽の真実 佐々木史郎 音楽プロデューサー」『語れ!マクロス』、KKベストセラーズ、2013年、113頁。</ref>。ただし、その分業方式は放送開始後まで伏せられており、[[1995年]][[5月21日]]に[[日本青年館]]で行われたライブ『Let's Fire!!』において初めて明かされた<ref>『アニメージュ』1995年7月号、10頁より。ライブでは最初に主演声優二人が登場し歌を披露、アンコールで初めて歌唱を担当した二人が登場する。この模様はCD『LIVE FIRE!!』に収録されているが、トーク部分の収録はない。</ref>。例外的にミレーヌによるミンメイのカヴァーアルバムという設定の『Mylene Jenius sings Lynn Minmay』では、ミレーヌ役の桜井智(現・[[櫻井智]])が全編歌唱している。
 
また本編内では[[バックグラウンドミュージック]](BGM)が一切いっさい使用されておらず、使用される音楽はすべて作品世界内における歌や演奏、スピーカーから流れる音声といった「劇中曲」である(例外的に、楽器のない状況で登場人物が歌を歌った際、その場に存在しないはずの伴奏が流れることがある<ref>代表的な場面としては第7話「サマーアクシデント」など。</ref>)。本作オリジナルの音楽に限らず、『[[超時空要塞マクロスII -LOVERS AGAIN-]]』や『[[マクロスプラス]]』などの挿入歌やBGMも使用されている。アミノはことさらに盛り上げるのを避け、ドキュメンタリー的な雰囲気作りを要求してこの方法をとったと語っている<ref name="AM199411p10"/>。
 
==== 映像・作画 ====
『マクロスプラス』では[[3次元コンピュータグラフィックス]](リンクス制作)を積極的に活用しているが、本作の[[オープニングアニメーション]]の一部でも使用されている。シティ7内に佇むバサラから一気にカメラを引いてマクロス7全景までがCGによりワンカットで描かれた冒頭部分は、制作を手がけた片塰満則によると「背景美術をそのまま動かすという狙いで作った」<ref name="AM19952">「緋と蒼のトリロジー -2つの「マクロス」の映像表現-」『アニメージュ』1995年2月号、30頁。</ref>といい、「どの時点で画面を静止させても全体が[[背景|BG]]として見える」<ref name="AM19952"/>という。サビ部分で使用されている主人公機VF-19改のCGモデルは、『プラス』第3話のラストに登場するYF-19のデータが一部流用されている<ref name="AM19952"/>。
 
当時の30分テレビアニメが一話あたり2,000枚から3,000枚程度の[[セル画]]で制作されていたのに対し、本作第1話での使用枚数はおよそ7,000枚とされている<ref>『アニメージュ』1994年12月号、13頁。</ref>。番組開始前に放映された特別番組『マクロス最速発進!!』では話数を指定せずに「7,000枚以上」と説明されている。最終話(第49話)を間近に控えた時期、藤本は[[バンクシステム|バンク]](使い回し)が15カットのみである最終話の作画枚数が「今までで一番多そう」と語り、冒頭ナレーション部分がない分第27話「七色の歌エナジー」を越えるかもしれないと述べていた<ref>『アニメージュ』1995年10月号、19頁。</ref>。ただし、全般的にメカの戦闘シーンではバンクが多用されている。
 
==== 旧作・並行制作作品との関係 ====
作品の年代は2045年とテレビ版『超時空要塞マクロス』から35年後にあたり、劇場版『愛・おぼえていますか』は作品世界内で2031年に公開された映画という設定になっているが<ref>『アニメージュ』1994年12月号の9頁、『マクロスプラス MOVIE EDITION』『マクロス7 銀河がオレを呼んでいる!』劇場パンフレットの「MACROSS HISTORY」など。</ref>、「[[メルトランディ]]」という呼称や[[エキセドル・フォルモ]]の容姿をはじめ、設定、メカニック・キャラクターデザインなど劇場版『愛・おぼえていますか』の要素も採り入れられている。これは、テレビ版『マクロス』や本作もまた作品世界内で歴史的事実を元に作られた作品(再現ドラマ)という設定であり、「史実」がテレビ版と劇場版のどちらか一方にのみあるからではないと説明されている。詳しくは項目[[マクロスシリーズ#作品の解釈|「マクロスシリーズ」の「作品の解釈」]]、[[超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか#注釈補足|「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」の「注釈補足」]]を参照。
 
『マクロスプラス』(2040年)から5年後が舞台になるため、[[メカニック]]も試作機が制式採用される(YF-19からVF-19、YF-21からVF-22Sへ)、主力機がアップデートされる(VF-11BからVF-11Cへ)などの移行が設定されている。
 
==== キャラクターデザイン ====
キャラクターデザインは、主要キャラクターの場合は美樹本の原案をもとに[[桂憲一郎]]がアニメーション用のキャラクター設定を起こすという方式をとっている。美穂とサリー以外のオペレーター、ドッカー、ジャミングバーズなど、主要でないキャラクターは桂のオリジナルデザインである<ref>桂憲一郎インタビュー『マクロス7 アニメーション資料集』93頁。</ref>。
 
==== メカニックデザイン ====
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西暦[[2045年]]、新マクロス級7番艦[[新マクロス級超長距離移民船団#マクロス7船団|マクロス7]]を中核とする第37次超長距離移民船団(通称マクロス7船団)は移民惑星を求め、銀河を旅していた。船団内の居住スペースには、地球と変わらぬ町並みが再現されており、民間人・軍人合わせて100万人以上の乗組員が平和な日々をすごしていたが、ある日船団は正体不明の敵[[プロトデビルン#バロータ軍|バロータ軍]]の奇襲を受ける。彼らに「[[#バロータ軍関連|スピリチア]]」と呼ばれる生命エネルギーを奪われた兵士や市民は「生きる気力」とも言うべきものを失い、果ては生命活動を脅かすほどまでに影響を与える。
 
その中で、ロックバンド「[[Fire Bomber]]」のボーカル・リスト、[[Fire Bomber#熱気バサラ|熱気バサラ]]は、愛機[[VF-19 エクスカリバー|VF-19改]](ファイアーバルキリー)で戦場に飛び出し、戦うことなく歌を歌い続ける。その行為に対しマクロス7を守る[[マクロスシリーズの用語一覧#地球|統合軍]]のエリートパイロット[[マクロス7の登場人物一覧#ガムリン・木崎|ガムリン・木崎]]は特に強い不快感を示し、Fire Bomberの新人[[Fire Bomber#ミレーヌ・フレア・ジーナス|ミレーヌ・フレア・ジーナス]]もバサラの意図を理解できず不満を募らせる。その一方で、敵味方の誰にも理解されない中で諦めず歌い続けるバサラに対し、わずかながらその姿勢に共鳴する人々も現れ始める。ミレーヌとガムリンは見合いをきっかけに次第に親密になり、バサラにも理解を示すようになってゆく。
 
バサラの歌はやがて敵の兵士の洗脳を解いたり、敵の中核的存在で、スピリチアを糧とする生命体「[[プロトデビルン]]」を追い払うといった効果を発揮するようになる。それに着目した統合軍はFire Bomberのメンバーを民間協力隊「サウンドフォース」として指揮下に置く。新開発された歌エネルギー変換ユニットなどを装着したサウンドフォースは襲い来るプロトデビルンを次々に撃退し、人々はそれに喝采を送るが、それは自分の歌を伝えたいというバサラの想いとは異なっていた。自分の歌が一向に伝わらないことで、バサラは歌う意味を求め放浪の旅に出かけ、その果てに迷いを振り切り再び歌い始める。
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== メカニック ==
=== マクロス7船団 ===
{{Main2|新マクロス級超大型移民船マクロス7、および第37次超長距離移民船団のその他の艦船については「[[新マクロス級超長距離移民船団#マクロス7船団]]」を参照。}}
* [[VF-19 エクスカリバー|VF-19改 エクスカリバー]] - 熱気バサラ専用機。通称ファイアーバルキリー。
* [[VF-11 サンダーボルト|VF-11MAXL改 ミレーヌ専用機]] - ミレーヌ・ジーナス専用機。通称ミレーヌバルキリー。
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* [[VF-11 サンダーボルト|VF-11C サンダーボルト]] - 統合軍の主力可変戦闘機。
* [[VF-11 サンダーボルト|VF-11D改 サンダーボルト]] - ジャミングバーズ専用機。
このほか、前作『超時空要塞マクロス』のVF-1[[VF-1 バルキリー|VF-1J バルキリー]](ミリア機)[[デストロイド]]数種類が登場。
 
=== バロータ軍 ===
詳細は「[[{{Main|プロトデビルン#兵器]]」を参照。}}
 
'''艦艇'''
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==== 統合軍マクロス7所属部隊 ====
; ダイアモンドフォース
: マクロス7護衛隊の切り札である第138航空部隊488特別攻撃隊<ref>『マクロス7』第24話「メリーゴーランド」内の台詞より。</ref>。略称はDフォース。VF-17[[VF-17 ナイトメア|ナイトメア]]に搭乗し、マクロス7ブリッジ直下の電磁カタパルトから発進する。構成は隊長の金龍大尉以下、[[ガムリン木崎]]中尉、ドッカー少尉。ドッカーの戦線離脱後、代替のフィジカ・S・ファルクラム少尉の戦死、金龍の戦線離脱に伴いガムリン大尉が新隊長となり、マクロス7シティオフィス直属の都市防空隊に任命され、ディック少尉とモーリー少尉が隊員となる。のちに金龍は戦線復帰を待たず無断出撃し、戦死する。
; エメラルドフォース
: ダイアモンドフォースの一時戦線離脱により、ドッカー大尉を隊長に編成されるマクロス7の新たなエース部隊。略称はEフォース。最新鋭主力機[[VF-19 エクスカリバー]]が配備され、ドッカーが隊長用のS型、隊員のオルデック・スタレイン、マシューズが一般用のF型に搭乗する。隊員両名はスターゲイザー作戦において戦死。のちに新入隊員が補充されるが、初出撃でプロトデビルンの攻撃を受けて死亡する。
 
==== 音楽部隊 ====
; [[Fire Bomber#サウンドフォース|サウンドフォース]]
: プロジェクトM(後述)の試験として編成される民間協力隊。隊員は[[Fire Bomber]]のメンバーがそのまま移行。
: {{main|Fire Bomber#サウンドフォース}}
; ジャミングバーズ
: サウンドフォースの戦果に満足した統合軍が編成する部隊。人員は公募によって選ばれ、第一期のメンバーはチトセ・リップル、金子・ミッシェル、マリリン・リンカーベルの3人からなる「ジャミングガールズ」とボビー・ラコステ、龍鰐昌平、マディソン・フランケルの3人からなる「ジャミングボーイズ」の計6人。持ち歌は、本来は『[[超時空要塞マクロスII -LOVERS AGAIN-]]』の挿入歌である「バルキリーで誘って」。サウンドフォースと異なり可変戦闘機の操縦技術を持たないため複座型のVF-11D[[VF-11 サンダーボルト|VF-11D サンダーボルト]]に乗り出撃するが、戦場の恐怖心と歌エネルギー不足で期待された成果は残せず終わる。漫画『[[マクロス ダイナマイト7|マクロス ダイナマイト7 ミレーヌビート]]』では、ジャミングガールズの3人がサザピーの下「ジャミング・エンジェルス」としてデビューする。
 
==== その他 ====
; ピンクペッカー
: [[マクロス7の登場人物一覧#Fire Bomber (サウンドフォース)|レイ・ラブロック]]がパイロット時代に所属していた部隊。乗機はVF-11[[VF-11 サンダーボルト|VF-11B サンダーボルト ピンクペッカー仕様]]。金龍(後のダイアモンドフォース隊長)、ステファンと組んでいたが、2030年、レイの向う見ずな行動によりステファンが戦死する。
; バロータ3198XE第4惑星特務調査部隊
: 2043年、[[#惑星|バロータ3198XE第4惑星]]の調査に向かった、地球統合軍本部幕僚イワーノ・ギュンター参謀が率いる船団。複数の[[新マクロス級超長距離移民船団#新統合軍護衛艦|ステルスフリゲート]]と護衛機[[VF-14 バンパイア|VF-14]]で構成され、オートルマウワー大尉が隊長を務める精鋭[[陸戦]]部隊ブルーライナセロス隊も組み込まれている。任務中プロトデビルンの封印チャンバーを発見、ギュンターとオートルマウワーがプロトデビルンに取り付かれ、その他の部隊員は洗脳を受けてバロータ軍の兵士となる。
 
=== バロータ軍関連 ===
; [[プロトデビルン]]
: [[プロトデビルン#バロータ軍|バロータ軍]]を率いる地球外生命体。
: {{main|プロトデビルン}}
; スピリチア
: 生命体の持つ生体エネルギー(活力、精神力)。これが奪われると生きる意欲を失い、心身虚脱状態に陥り最悪死に至ることもある。プロトデビルンはこれをエネルギー源としている。スピリチアにもさまざまな種類があり、プロトデビルンの活動を制御できる特殊なスピリチアの持ち主達は「'''アニマスピリチア'''」と呼ばれる。太古の[[プロトカルチャー (マクロスシリーズ)|プロトカルチャー]]時代、暴走するプロトデビルンを氷の惑星に封じ込めた。バロータ軍は[[熱気バサラ]]をアニマスピリチアと疑い、存在を危険視すると同時に、生体のスピリチア自己再生を促進する能力が見られることからゲペルニッチのスピリチア安定供給計画「'''スピリチアファーム・プロジェクト'''」実現の鍵として注目する。
: 『マクロス・クロニクル No.23』で付け加えられた詳細な設定では、我々の住む3次元宇宙より上位の高次元領域「サブ・ユニバース」において、このエネルギーは満たされているとされている。3次元宇宙ではスピリチアは極端に少なかったため、プロトデビルンはそれを生命活動のために必要としていたとされる<ref name="MC">「テクノロジーシート 歌エネルギー」『マクロス・クロニクル NO.23』ウィーヴ、2009年、23-26頁。</ref>。
; エビル・シリーズ
: プロトカルチャーが、ゼントラーディ人の次に開発した異形の生体兵器群。稼動実験中、異次元宇宙サブ・ユニバースのエネルギー生命体プロトデビルンに憑依され、プロトカルチャーの意図とは別の存在となった。ゼントラーディ人はこれらに従事するよう遺伝子レベルで摺り込まれているため、エビルシリーズ(プロトデビルン)が接近すると精神に異常をきたす。
: 『[[マクロス30 銀河を繋ぐ歌声]]』では、惑星ウロボロスにプロトデビルンが憑依せずそのまま封印されていた「'''フォールド・エビル'''」が登場し、藤堂潮の手によって封印を解かれる。その力は過去の歴史を書き換える能力を持っているらしく、藤堂はその力を使って[[マクロス (架空の兵器)|マクロス]]の存在を消滅させ、[[第一次星間大戦]]でゼントラーディによって壊滅された地球の過去の歴史を変えようと目論もくろむ。
 
=== サウンドエナジー関連 ===
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; チバソング
: Dr.千葉が考案したサウンドエナジー理論に基くサウンドエナジー(歌エネルギー)の単位。大きい数値のほうが、より強いサウンドエナジーを示す。サウンドブースターの起動には10万チバソング以上の歌エネルギーが必要とされている。一般人の歌エネルギーは100チバソング程度、優れた歌手であっても1,000チバソング程度が限度とされる<ref>『マクロス7 アニメーション資料集』93頁。</ref>。熱気バサラは劇中において計測当初は3,000チバソングが限度<ref>『マクロス7』第23話「サウンドフォース」Dr.千葉の台詞。</ref>だが、次第に上昇し、第40話の時点で20万チバソング超を記録する。通常は記録媒体などに記録された映像の歌からは発現しないが、極端に巨大なサウンドエナジーの持ち主の場合は、記録媒体からもある程度の数値が検出されることもある。
; 歌エネルギー変換システムユニット
: 歌の持つ波動を、高出力エネルギーに変換するシステム装置。このシステムによって質量化されたエネルギーは、サウンドエナジーシステムによって対象物へと放射される。
; サウンドエナジーシステム
: 歌の持つエネルギーを、サウンドエナジー理論に基づき効率的に高出力で対象物に放射するためのシステム。パイロットは専用ジャケットを装着し、搭乗機体にオプション装備としてサウンドブースターを搭載する。ただし、このシステムは一定以上の歌エネルギーの保有者でないと稼動しない。また、熱気バサラやミレーヌ・ジーナスほどの歌エネルギーの保有者になると、サウンドエナジーシステムを介さずとも、直接歌エネルギー変換システム(専用ジャケット)から対象物への放射も可能になる。
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=== 惑星 ===
; バロータ3198XE第4惑星
: かつてはプロトカルチャーの先進科学惑星だったが、プロトデビルンを封印したのち極寒の氷の惑星となった。2025年にメガロード13移民船団がこの星系を発見し、「バロータ」と命名。2043年、第4惑星の調査中にプロトデビルンが覚醒し始め、バロータ軍の拠点となる。2046年にプロトデビルンと[[新マクロス級超長距離移民船団|マクロス7]]船団の最終決戦の舞台となる。
; 惑星ラクス
: マクロス5船団が銀河系中心近傍のS1350N3605宙域で発見し、命名した惑星。地球とほぼ同質の緑豊かな環境で、プロトカルチャーの遺跡が眠っていた。バロータ軍との戦闘中、プロトデビルンの一体ギギルの自己崩壊([[ブラックホール]]化)に巻き込まれて消滅する。
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=== 作戦名 ===
; オペレーション・スターゲイザー
: 地球統合軍本部よりマクロス7船団のみでのプロトデビルン殲滅を命令されたことを受け、船団長の[[マクシミリアン・ジーナス]]がしたする[[#惑星|バロータ3198XE第4惑星]]への奇襲突撃作戦。作戦司令はマクシミリアン・ジーナス。精鋭部隊のダイアモンドフォース、エメラルドフォース、民間協力隊のサウンドフォースらが参加する。その内容は船団所属のステルスフリゲート「スターゲイザー」を第4惑星直上にフォールドアウトさせ、同艦から発進する12の可変戦闘機部隊がプロトデビルンの封印されている洞窟(コードネーム:ポーラスター)を急襲、反応弾を打ち込み殲滅するというものであり、敵軍の対空砲を避けるため、進撃路は洞窟へ続くと推測される渓谷が選択される。万が一に備え、マクシミリアン・ジーナス専用機であるVF-22Sが配備されている。これは攻撃部隊による作戦遂行が不可能と判断された場合、司令官自らがVF-22Sに乗り込み戦闘に参加するというものである。実際にフォールド事故の危険があった大気圏内へのフォールドを敢行したVF-22Sはポーラスターの入り口近くにフォールドアウト、洞窟内に侵入し反応弾を打ち込むことに成功するも敵軍の策略に嵌り、起爆寸前の反応弾をゲペルニッチの手により母艦付近にフォールドされ、母艦が撃沈される。結果的に参加者中27名が戦死、生き残った13名のメンバーは脱出に成功するものの、作戦そのものは失敗に終わる。
; サウンドバスター作戦
: [[新マクロス級超長距離移民船団#バトル7|バトル7]]ガンシップのフォールドシステムを改造した「サウンドバスター」で歌エネルギーをプロトデビルンの体内に直接送り込み、内部から身体機能を麻痺させる作戦。[[プロトデビルン#バロータ戦役|バロータ戦役]]の最終局面、対[[マクロス7の登場人物一覧#プロトデビルン|ゲペルニッチ]]戦で用いられる。危篤状態となった[[熱気バサラ]]の代わりに[[ミレーヌ・ジーナス]]が決行するが、改造が万全でなかったガンシップのオーバーロードにより2射目を発射した時点で作戦続行不能となり、ガンシップが大破。さらにはゲペルニッチの暴走を招き、エネルギー波によりバトル7も大破する。
 
== スタッフ ==
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=== ラジオ ===
[[TBSラジオ&コミュニケーションズ|TBSラジオ]]、[[MBSラジオ]]、[[CBCラジオ]]にて関連ラジオ番組を放送。番組の後半はドラマコーナーとなっており「マクロス・クラシック」、「[[マクロス7 トラッシュ]]」、「[[マクロス・ジェネレーション]]」等のといった「マクロス」関連作が放送され、それ以外の作品も放送された。
; マクロスワールド
: パーソナリティー - 子安武人、[[中川亜紀子]]
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==== スーパーロボット大戦シリーズ ====
シミュレーションRPGテレビゲームソフトシリーズ。このシリーズ数作品に登場(シリーズでは「参戦」と呼称する)している。
; [[スーパーロボット大戦D]]
: [[ゲームボーイアドバンス]]用。同シリーズ初登場。
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: [[PlayStation 2]]用。登場キャラクターに初めて声優ボイスが付く。
; [[第2次スーパーロボット大戦Z|第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇]]
: [[PlayStation Portable]]用。続編の『マクロス ダイナマイト7』とともに登場。本作の14年後を舞台とする『[[マクロスF]]』と共演している。
; [[第3次スーパーロボット大戦Z|第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇・天獄篇]]
: [[PlayStation 3]] / [[PlayStation Vita]]用。『第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇』の続編で、引き続き『マクロス ダイナマイト7』・『マクロスF』とともに登場する。
 
== 関連書籍・ムック ==
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== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist|2}}
 
== 外部リンク ==