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== 難民のイメージとラベル ==
「難民」のイメージとラベルの問題は、内外の学者から常に指摘されている。世界的に難民というとアフリカの黒人とその子供らを想起しやすいが、次節で数値を示している通り、実際には[[アフガニスタン]]や[[イラク]]といった紛争地域を抱えるアジア人が多数を占めており、現実とは異なる姿を世間一般に投影している。そうした「難民」のイメージには、強制移動の境遇に貶められた人々を弱者視し、無能力な人種として取り扱おうとする傾向がある。元UNHCRで難民研究者の小泉は「いわば弱点を強調することで、イメージはそれ自体、彼ら難民のもつ(中略)可能性を覆い隠してしまう」と述べており、難民のイメージは、時に人間としての[[尊厳]]を蹂躙する危険性を孕んでいる{{要出典|date=2016年3月}}。また、『「難民である」というのは例えば「日本人である」「女である」というような生まれ持った属性ではなく、社会がつけたカテゴライズであって、本人のアイデンティティーを表すものではない。』と東京大学大学院の研究者渡部がコンゴにおける紛争・暴力をテーマにした映画「女を修理する男」の上映会・トークショー「- [http://themanwhomendswomen.peatix.com/?lang=ja 私たちは私たちの(無)関心とどう付き合うか:<nowiki>http://themanwhomendswomen.peatix.com/?lang=ja]」の中で述べている。(難民支援協会との共催。)</nowiki>
 
オックスフォード大学の『難民研究ジャーナル』<ref>[http://jrs.oxfordjournals.org/content/by/year University of Oxford "Journal of Refugee Studies"]</ref>でR.ゼッターが、「最も強力なラベルのひとつ」と述べているように、「難民」ラベルの持つ効力が[[人道支援]]の必要性を強力に世界へ訴えかける一方、ラベルを援用した実務家らによる人権ビジネスへの加担も指摘されている。そのラベル効力で得た膨大な支援物資や活動費は、人類学者B.E.ハレル=ボンドの言うところの「押し付け援助(Imposing Aid)」へと繋がり、逆に難民の労働意欲や生活維持力を減退させ、難民キャンプ内をただの「要求集団化」させてしまう[cf. 小泉]。