「東武1720系電車」の版間の差分

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== 特色 ==
{{Sound|Tobu railway 1720 series DRC 1726 himemiya.ogg|東武1720系電車 1726の走行音(特急けごん3号)|(1987年12月14日 浅草 - 姫宮付近間)}}
設計時点で登場を想定していた[[日本国有鉄道]][[国鉄181系電車|151系電車]]<ref>1959年に東武鉄道内の「国鉄日光線電化対抗委員会」で検討した時点での想定車種は「[[こだま (列車)|こだま]]級」としていた。</ref>に対抗するため、速度面での優位性と、国際的な[[観光地]]である[[日光市|日光]]方面への[[外国人]]利用者にも対応した車内設備を備える。
 
性能的には1700系の電動機を改良し中速度〜高速域の性能向上を図り、平坦線釣合速度は165km/h(運転最高速度は110km/h)。[[起動加速度]]2.3km/h、減速度3.7km/h/s(常用)の高性能を得ている。
 
主回路機器は[[東武2000系電車|2000系・2080系]]と共通で、主電動機は[[東洋電機製造]]製TDK-824形補償巻線付自己通風形直巻電動機(端子電圧375V、電流225A、1時間定格出力75kW、定格回転数1,600rpm、最高回転数5,000rpm、最弱め界磁率20%、質量665kg)を搭載した。また、主制御器は多段式電動カム軸方式の[[日立製作所]]製MMC-HTB-10C(直列10段、並列8段、弱め界磁5段、発電制動17段)で、日光線の勾配区間用に抑速ブレーキを装備した。駆動方式は[[中空軸平行カルダン]]、歯車比は75:20(3.75)で当時カルダン駆動車としては[[国鉄181系電車|国鉄151系電車]](3.50)、[[小田急3000形電車_(初代)|小田急3000形電車「SE」車]](3.71)に次ぐ高速運行用の仕様であった。全界磁定格速度が66km/hと高い上に、弱め界磁制御を20%まで行うことによって上記の高速性能を確保している。
 
[[ブレーキ|ブレーキ装置]]は[[発電ブレーキ]]併用[[電磁直通ブレーキ]](HSC-D)であり、常用・[[非常ブレーキ]]時ともに発電ブレーキを併用した。
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台車は、当初[[アルストム]]式軸箱支持方式の[[空気バネ|空気ばね]]台車[[住友金属]]製FS334(東武形式TRS-60M、固定軸距2,100mm)を装着していたが、増備途中でS形[[ミンデン (ノルトライン=ヴェストファーレン)|ミンデン]]式軸箱支持方式の同FS370(TRS-67M、固定軸距2,300mm)に変更され、初期の編成についても全て後者へ換装された。
 
全[[動力車|電動車]]方式の6両固定[[編成 (鉄道)|編成]]で、[[鉄道の車両番号|車両番号]]は第1編成は1721 - 1726・第2編成は1731 - 1736・・・と付番され、[[浅草駅|浅草]]方が17○11701・[[東武日光駅|東武日光]]方が17○61706となっている。一方、旅客案内上の号車番号は逆に東武日光方が1号車で浅草方が6号車である。
 
前後の端部正面の造形デザインは、日本の車両ではいわゆる「こだま型」([[国鉄181系電車]]の記事を参照)に代表される[[ボンネット]]に似たノーズの伸びた形状だが、左右両側に航空機の双垂直尾翼にも似た細長い箱が付き、そこに灯火類が収容されている形態は、鉄道車両での類例の少なさから、斬新とも言えるスタイルである。乗用車のフェンダー、あるいは当時流行であった[[テールフィン]]の造形を取り入れたものとも言われる(しかし、本車のデビューの頃を最後に、乗用車の造形デザインでは急速に陳腐化とみなされた上リバイバルも見られない造形でもあり、後年には後述する「古い車両を使い続けている」という印象にもつながったと思われる)。なお、類似として[[日産・セドリック]](初代30型系・前期車)が言及されることもあるが、同車の発売1960年4月に対し、東武が1720系をメーカーに発注したのが1960年1月(同年9月落成)であり、直接の関連は薄いと思われる。ボンネット先端の大型[[方向幕#ヘッドマーク|ヘッドマーク]]は、電動式ではなくサボ(手で差し替える)式である。
 
またボンネット先端の、こだま型より大型の[[方向幕#ヘッドマーク|ヘッドマーク]]は、電動式ではなくサボ(手で差し替える)式である。
 
側面には当時の国鉄[[グリーン車|1等車]]と同様に座席毎の固定窓が並ぶ。塗色は伝統の渋いツートンだが、塗り分けは国鉄特急形に準じている。