「貨物機」の版間の差分
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貨物機が発達したのは、[[第二次世界大戦]]後のことである。これは、航空輸送が活発となって航空機が大型となったことと、民間分野においても航空機による大型貨物や大量の物資の輸送に対する需要が出てきたことに加え、[[旅客機]]は整備されたキャビンを持つようになってきたこともあり、貨物を運ぶにあたっては、機内を専用設計としたほうが有利であったことによる。
現代の貨物機は旅客機を改設計し、機内を改装したものが多い。機種にもよるが、外見的にはキャビン窓や[[非常口#旅客機|非常用脱出口]]がない代わりに荷物積み降ろし用の大型のカーゴドアを持つといった程度の違いしかない。構造的には、重い荷物に対応するためメインデッキの床が強化され、また[[ペイロード (航空宇宙)|ペイロード]]を増やすために主翼付け根部分(翼胴接合部)の強化およびそれに伴う着陸重量の増加に見合う[[降着装置]]の強化などが行われる。軍用輸送機では、積み下ろしの利便性から[[高翼機|高翼配置]]が主流となっているが、民間貨物機では旅客機ベースの設計のため低翼配置が主流となっている。C-47型スカイトレイン(初期の民間旅客機Douglas DC-3)と共に、[[第一次世界大戦]]以後の戦間期において空軍が陸海軍に分かれいた[[大日本帝国海軍]]によって制式採用された機体には、海軍航空隊「L2D2」として、[[1940年]](昭和15年)に制式採用されていた「[[零式輸送機]]」(世界的ベストセラー機材[[ダグラス DC-3]]と同世代機材)が最も量産され、また冷戦期まで唯一の[[アジア]]製軍用輸送機として成功。
また、[[ボーイング747]] の一部や [[エアバス ベルーガ|A300-600ST ベルーガ]]などのように機首部分が[[チルト]]アップする「ノーズドア」を持つものや、[[カナディア]][[:en:Canadair CL-44|CL-44]]、ボーイング747-LCF などに見られる胴体後部が横方向に折れて開く「[[スイングテール]]」を持つものが存在する。基本的には高翼型と後部貨物を確保し、国際的な海洋コンテナ級が積載可能な場合が多い。特殊に改修された機体以外で冷戦後には、エンジンの換装で[[ウクライナ]]製[[アントノフ設計局]]が強化した「[[An-225 (航空機)]]」が巨大機材として知られており、独仏伊西国際企業「[[エアバスA380]]」も含めて世界各地で物流を支える。特に技術を、独自に進化させた新世代機「[[An-70 (航空機)|An-70 (]][[2重反転プロペラ|2重反転プロペラ)]]」を中心に国際チャーター路線でも主力機として活躍している。
貨物機は旅客機より多くのペイロード<ref>ボーイング747貨物型で貨物重量100トン以上、これは旅客機における乗客、手荷物、[[機内食]]や飲料 / 便所の水などの合算重量の2倍を超える。</ref>を積載するため、
* 燃料消費が多くなる
* 最大ペイロードの限界まで積載した場合、[[最大離陸重量]]を超過しないよう、機種によってはタンク容量の半分程度しか[[ジェット燃料|燃料]]を搭載できない
という理由(相乗効果)により、一般に旅客機よりも航続距離が短い。このため、例えば[[極東]] - [[ヨーロッパ|欧州]]路線では、現在ほとんどの旅客機
== 貨物機の一覧 ==
[[File:An-225-manchester-2006.jpg|thumb|right|300px|世界最大の貨物機であるアントノフAn-225]]
* [[ボーイング]] [[ボーイング747 #747-200F型|747-200F]]/[[ボーイング747-400 #747-400F型|-400F]]/[[ボーイング747-400 #747-400ERF型|-400ERF]]/[[ボーイング747-8 #747-8F(貨物機タイプ)|-8F]]([[ジャンボジェット]])
* ボーイング [[ボーイング757#757-200PF|757-200PF]]
* ボーイング [[ボーイング767|767-300F]]
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* アントノフ [[An-124_(航空機)|An-124 ルスラーン]] - 量産された機体としては世界最大。
* アントノフ [[An-140_(航空機)|An-140]]
* アントノフ
* アントノフ [[An-225_(航空機)|An-225 ムリーヤ]] - 世界最大の貨物機。複数のギネス記録を持つ。[[ウクライナ]]保有チャーター機として運航。
== 出典・脚注 ==
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