「アルコール発酵」の版間の差分
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== 化学的変化 ==
アルコール発酵全体を通してみると、反応は以下の[[化学式]]で示すように、1分子のグルコースからエタノールと二酸化炭素が2分子ずつできる。この反応は大きく三つの段階に分けることが出来る。
: <chem>C6H12O6 </chem><math> \ \rightarrow </math><chem>\ 2\ C2H5OH {}+ 2\ CO2</chem>
第一段階で、1分子のグルコースが[[解糖系]]の複数の[[酵素]]によって2分子の[[ピルビン酸]]に分解される。この反応は、同時に、正味2分子の[[アデノシン二リン酸|ADP]]を[[アデノシン三リン酸|ATP]]に、2分子の[[ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド|NAD]]{{sup|+}}を[[NADH]]に変換する。この段階は、動物や植物の解糖経路と同じで、[[酸素呼吸]]の経路とも共通している。
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第二段階からがアルコール発酵特有の反応になる。1分子のピルビン酸から1分子の二酸化炭素が取り除かれ、[[アセトアルデヒド]]がつくられる。この反応は、[[ピルビン酸デカルボキシラーゼ]]({{EC number|4.1.1.1}})が触媒する。
: <chem>CH3COCOOH </chem><math> \ \rightarrow </math><chem>\ CH3CHO {}+ CO2</chem>
その後、アセトアルデヒドは還元型NADHの電子によって速やかに還元されエタノールとなる。この反応は、[[アルコール脱水素酵素]]({{EC number|1.1.1.1}})が触媒する。
: <chem>CH3CHO {}+ NADH {}+ H^+</chem><math> \ \rightarrow </math><chem>\ C2H5OH {}+ NAD^+</chem>
多くの酵母では、アルコール発酵は嫌気条件でのみ進行し、酸素があるとピルビン酸を完全に分解して水と二酸化炭素に変える([[酸素呼吸]])。しかし、よく使われる[[パン酵母]](''Saccharomyces cerevisiae'')や[[分裂酵母]](''S. pombe'')は酸素があっても発酵を好むため、適当な培養条件を選ぶと好気条件でもエタノールを生産する。
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