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'''シュミットトリガ''' ('''Schmitt trigger''')とは、入力[[電位]]の変化に対して出力状態が[[ヒステリシス
== 概説 ==
[[画像:Smitt hysteresis graph.svg|thumb|200px|入力Uに対する出力の比較。Aは単純なコンパレータ出力、Bはシュミットトリガの出力]]
入力信号に対する[[しきい
この2つの
電子回路におけるシュミットトリガの最大の役割は、入力信号の揺らぎ([[ノイズ
[[画像:Schmitt trigger symbol.svg|left|80px]]電子回路図では左の記号が用いられる。三角の記号は
== 発明 ==
シュミットトリガは、[[イカ]]の[[神経]]をつかった神経系の研究の成果の一つであった。当初は"Thermionic Trigger"と名付けられていたが、後に"Schmitt Trigger"として商標登録された。
==
[[画像:Opampschmitt_xcircuit.svg|thumb|200px|コンパレータで構成したシュミットトリガ]]
[[画像:Hysteresis_sharp_curve.svg|thumb|200px|ヒステリシスカーブ]]
シュミットトリガ回路は、[[
この出力を抵抗R<sub>2</sub>で
V<sub>in</sub>/R<sub>1</sub>+V<sub>S</sub>/R<sub>2</sub> = 0
∴ V<sub>in</sub> = -V<sub>S</sub>・R<sub>1</sub>/R<sub>2</sub>
となる。V<sub>in</sub>が一度この電圧を下回れば出力が低電位(-V<sub>S</sub>)になるため、今度は
V<sub>in</sub>/R<sub>1</sub>-V<sub>S</sub>/R<sub>2</sub> = 0
∴ V<sub>in</sub> = V<sub>S</sub>・R<sub>1</sub>/R<sub>2</sub>
すなわち、この回路では0Vを中心とする±V<sub>S</sub>(R<sub>1</sub>/R<sub>2</sub>)の範囲内に入力信号がある間は出力を保持するヒステリシス回路となっている。入力電圧と出力電圧の関係を示す右図においては、M = V<sub>S</sub>が論理Hを、-M = -V<sub>S</sub>が論理Lを示し、±T = V<sub>S</sub>(R<sub>1</sub>/R<sub>2</sub>)がしきい値となっている。
[[画像:Opampschmitt_realistic_xcircuit.svg|thumb|200px|より実用的なシュミットトリガ回路]]
実際には右図のように回路の動作を安定させるための素子が付加されることが多い。右図の回路では出力電圧を[[ツェナーダイオード]]で制限し、電源電圧の変動に対して強くなるように工夫されている。R<sub>3</sub>はツェナーダイオードに流れ込む
論理Lに接地電位以下(負の電圧)を使わずに、接地電位を論理Lとするためには、
== トランジスタによる構成 ==
== 発振器としての利用 ==
シュミットトリガは、弛張型の[[発振回路]]として使うことができる。シュミットトリガの出力を論理反転し、抵抗と[[コンデンサ]]による信号遅延回路を通して自身の入力に接続すると、発振するのである。出力部に
[[標準ロジックIC]]ではパッケージングの都合などにより数個の反転シュミットトリガが1つのIC内に入っていることが多い(7414など)。このとき、本来のシュミットトリガとして使わない(余った)部分を流用し、たった2個の外付け部品だけで発振回路として使えるので、便利である。
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