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'''アダリムマブ'''(Adalimumab:ADA)とは[[遺伝子]]組換えによって作られたヒト型抗ヒト[[TNF-α]][[モノクローナル抗体]]製剤([[医薬品]])である。独[[BASF]]傘下の製薬会社であったKnoll AG(後に米[[アボット・ラボラトリーズ]]が買収)が創製した。日本での販売名は'''ヒュミラ'''皮下注40mgシリンジ0.8mL(製造販売(輸入)元:[[アボットジャパン]]、販売元:[[エーザイ]])。独[[BASF]]傘下の製薬会社であったKnoll AG(後に米[[アボット・ラボラトリーズ]]が買収)が創製した。抗体成分である蛋白配列が完全ヒト由来であるため、先行のキメラ抗体製剤よりも理論的に生体適合性が高い(より過敏症を起こしにくい)とされる。剤型はプレフィルドシリンジであり、2週間に1回投与される。一定の条件を満たした患者においては自己投与も認められている。
 
アダリムマブ等の免疫調節を作用機序とする生物学的製剤は従来のリウマチ治療薬に比べ全く異なる新しいアプローチとして高い治療効果を持つに至り、長年にわたり有効な治療法がなかった[[関節リウマチ]]において切り札的な治療法となった。しかし、一方でアダリムマブはヒトの免疫機構([[細胞性免疫]])の一部に関与するTNF-α(腫瘍壊死因子α)の生理活性を抑制する一種の[[免疫抑制剤]]であることから、投与中は特に[[細菌]]、[[真菌]]、[[ウイルス]]による重篤な感染症([[肺炎]]、[[結核]]、[[ウイルス]]性脳炎等)の発現に注意しながら使用することが重要である。また、アダリムマブ等の生物学的製剤は臨床使用(ヒトでの使用)が開始されてからまだ歴史が浅いため、今後、長期的な治療効果および安全性データの集積が待たれるという点で未知の要素を残している。
 
== 日本における適応症 ==
* [[関節リウマチ]](関節の構造的損傷の防止を含む)
* [[若年性関節リウマチ|若年性特発性関節炎]](多関節に活動性を有する)
* [[尋常性乾癬]]および[[関節症性乾癬]]…[[皮膚科]]疾患。2010年現在、日本では特定の施設でしか治療を受けることができない。
* [[クローン病]]<ref name="ref01">アボット ジャパン株式会社、エーザイ株式会社 [http://www.eisai.co.jp/news/news201059.html ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ®」国内においてクローン病ならびに強直性脊椎炎に関する効能・効果の追加を承認取得]([[2010年]][[10月29日]])</ref>(中等症または重症で活動性のもの 寛解導入および維持療法)
* 腸管型[[ベーチェット病]]<ref>{{Cite web|url=http://www.eisai.co.jp/news/news201330.html|title=アッヴィ合同会社、エーザイ株式会社 ヒュミラ®皮下注が日本において腸管型ベーチェット病に関する効能・効果の承認取得|accessdate=2016-06-30|date=2013-05-24|publisher=エーザイ}}</ref>
* [[潰瘍性大腸炎]](中等症または重症)
* [[強直性脊椎炎]]<ref name="ref01"/>
* 非感染性の中間部、後部または汎[[ぶどう膜炎|葡萄膜炎]]
 
== 禁忌 ==
重篤な感染症や活動性結核の患者の患者、鬱血性心不全の患者、脱髄疾患 (多発性硬化症等) およびその既往歴のる患者等に禁忌とされている<ref>{{Cite web|url=http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/3999426G1024_2_10/|title=ヒュミラ皮下注20mgシリンジ0.4mL/ヒュミラ皮下注40mgシリンジ0.8mL 添付文書|accessdate=2016-11-04|date=2016-09|publisher=}}</ref>。
 
== 副作用 ==
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== 作用機序 ==
[[関節リウマチ]]:アダリムマブは[[関節リウマチ]]において過剰に産生されたTNF-αに特異的に結合し、TNF-αがTNF-α受容体に結合することによって生じる関節[[滑膜]]の炎症反応の抑制や関節破壊に関与する[[破骨細胞]]の形成およびその活性化の抑制により関節破壊の進展を防止する(関節破壊防止については海外データでのみ認められている)。
 
== 脚注 出典==
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<references />