「政治部記者」の版間の差分

政治家のスキャンダルや汚職事件を取材するのはおもに[[社会部]]である<ref name="asahi">{{harvnbsfn|朝日新聞記者有志|2015|pp=58-60}}</ref>{{Sfn|調査報道がジャーナリズムを変える|p=69}}。そのため社会部と政治部の関係はよくないと言われている<ref name{{sfn|朝日新聞記者有志|2015|pp="asahi" />58-60}}。社会部は政治部経由で政治家に情報が漏れるのを防ぐために汚職事件の取材内容は政治部だけには漏らさない<ref name{{sfn|朝日新聞記者有志|2015|pp="asahi" />58-60}}。政治部も社会部を政治家との信頼関係を破壊しかねない危うい存在とみなし、政治家へのぶら下がり取材に社会部記者がいるかどうかを気にする<ref name{{sfn|朝日新聞記者有志|2015|pp="asahi" />58-60}}。

地上波テレビ局の多局化が進められていた時代、ネット局を増やすためには政治家への[[ロビー活動|ロビイング]]が欠かせなかった。そのため、各テレビ局の郵政省記者クラブには記事を書く記者とは別に、チャンネルの割り当てを受けるために活動する「波取り記者」と呼ばれる政治部の記者が配属されていた<ref name="riken">{{harvnbsfn|池田信夫|2006|pp=42,89}}</ref>。

しかし、「波取り記者」が出世し、経営に関わるようになると、既存利権を守ることが最大の経営目標となってしまい、インターネットなど新しいメディアへの投資には消極的になり、むしろ妨害する。その一方で、役所に命令されれば[[デジタル放送]]のようなリターンの見込めない投資は忠実に実行するという。そこにあるのはジャーナリズムとはかけ離れた業界体質だと指摘されている<ref name{{sfn|池田信夫|2006|pp="riken"/>42,89}}。

*{{Cite book|和書|author=朝日新聞記者有志|title=朝日新聞 日本型組織の崩壊|year=2015|accessdate=2017-03-13|edition=第1刷|publisher=文藝春秋|series=文春新書|isbn=978-4166610150|ref=harv{{sfnref|朝日新聞記者有志|2015}}}}

*{{Cite book|和書|author=池田信夫|authorlink=池田信夫|title=電波利権|year=2006|accessdate=2008-12-08|edition=初版|publisher=[[新潮社]]|series=[[新潮新書]]|isbn=4106101505|ref=harv{{sfnref|池田信夫|2006}}}}