「雪崩ビーコン」の版間の差分
編集の要約なし
(ビーコン発明の歴史について出典を追加し、少し加筆しました。) |
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初期の雪崩ビーコンは2.275kHzの周波数を利用していた<ref name=wildsnow />。1986年に457kHzの周波数が国際規格になった<ref name=ASTM />。数多くのメーカーがこの基準に適合したビーコンを製造している。
雪崩ビーコンは雪崩被害を防止する物ではないが、雪の下に埋められている時間を短縮
==歴史==
記録に認め
1968年に[[バッファロー (ニューヨーク州)|ニューヨーク州バッファロー]]にある{{仮リンク|Cornell Aeronautical Laboratory|en|Cornell Aeronautical Laboratory|label=コーネル航空研究所}}でジョン・ルートン博士が最初の実用的な雪崩ビーコンを発明し<ref name=Alpenglow />、北欧神話に出てくる女神の名を取り、Skadi([[スカジ (北欧神話)|スカジ]])のブランド名で1971年に販売した<ref name=Alpenglow />。2.275kHzで動作し、ラジオ信号に変換して人の耳で聞
1986年に{{仮リンク|Internationale Kommisia fur Alpines Rettingwesen|en|Internationale Kommisia fur Alpines Rettingwesen|label=国際山岳救助連盟IKAR}}が457kHzの周波数を採用した。1996年に[[ASTMインターナショナル|ASTM]]が457kHzの標準を採用した。
===デジタル式===
デジタル式は信号の強さと発信されるダイポールフレックスパターン<!-- the emitted dipole flux pattern -->を基にして埋められたビーコンの距離と方向を計算する<ref>ISSW 2000</ref>。ダイポールフレックスパターンを計算するため、デジタル式ビーコンは最低2つのアンテナを持つ必要があるが、最近のビーコンは3つのアンテナを持っている。デジタル式ビーコンはディスプレイに埋没者がいる方向を矢印で示し、音の速さや高さでも距離を示す。ローエンドやミドルクラスのビーコンは画面に5~8方向しか示すことができず、反対側に被害者がいる場合はUターンするよう示される<ref name=BeaconReviews />。Mammut® Pulse BarryvoxやArva® Linkなどのハイエンドのビーコンはデジタルコンパスに自由な角度で動く矢印を表示でき、パルスとパルスの間でも方向を維持する(この機能はデジタルコンパスや高度な加速器がなければ実現できない)。さらに大半のハイエンド機では被害者を360度示
==W-Link==
一部のデジタル式ハイエンドビーコンにはW-Linkと呼ばれる「補助的」な電波を備えている<ref name=BeaconReviews />。この電波はW-Linkに対応した他のビーコンに追加の情報を伝え
* 複数の人が埋没した場合にビーコン1台1台を区別する機能。
===生命反応の検出===
W-Linkによりビーコンは複数台の信号を区別
生体反応検知機能のないビーコン(W-Link機能のないローエンドのビーコン、またはW-Linkを搭載しているが生体反応検知機能がないビーコン)を持つメンバーがいる場合、W-Linkを搭載したビーコンを持つ救助者には2つのインディケーターが表示される。1つは被害者のビーコンがW-Linkのデータを送信していることを示し、もう1つは被害者が動いていることを示す。ビーコンが生体反応情報を送信しないため、生存反応があるという表示がないことにより、被害者が死亡していると誤解してしまうリスクをこれにより緩和
===W-Linkの問題===
W-Linkには被害者の個人情報を表示する機能があるが、W-Link対応ビーコンには個人情報を表示しないという暗黙のルールがある。生存の可能性が高い被害者が近くにいるにもかかわらず、他の人を恣意的に優先して救出してしまう問題をこれにより排除
<blockquote>4人のグループが雪崩の危険がある奥地へのツアーへ行く。ある夫婦はいずれもW-Linkの生体反応検知機能を持つビーコンを所持していた。彼らは前日に別の2人と出会い合流した。この2人のうちの1人は基本的な機能を持つデジタルビーコンを持ち、もう1人はW-Linkに対応しているものの生体反応データ送信機能を持たないビーコンを持っていた。ツアーの最中に3人が雪崩に閉じ込められ、夫婦の内の夫が取り残され、救出することになった。かれはすぐにビーコンを使って3人の被害者の場所を特定した。ディスプレイには正面の10~12メートル先に2つのビーコンが表示され、1つはW-Linkの反応があり、もう1つは普通のシグナルのみだった。また33メートル後ろにはW-Linkで生体反応が送られており、生きていることが示されていた<ref name=BeaconReviews /> 。</blockquote>
この状況において、各ビーコンは名前を表示していないが、3人の被害者を区別
===周波数及び技術情報===
W-Linkの周波数は地域により様々である。'''リージョンAは869.8 MHz'''、'''リージョンBは916-926 MHz'''となっている<ref name=Mammut />。リージョンAはヨーロッパ大陸の大半やスウェーデン、ノルウェー、グリーンランド、アイスランドとその周辺諸国で利用されている。リージョンBはカナダや米国で使われている。ロシア、中国、インド、オーストラリア、ニュージーランド、日本など、アジアや東ヨーロッパなどではW-Linkの周波数は許可されていない。ユーザーは公認の販売店でリージョンを切り替えなければ、これらの国々を訪問した際に手持ちのビーコンでW-Linkを使
==捜索のテクニック==
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