「スルフィド」の版間の差分

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== 合成 ==
通常、スルフィドは、[[チオール]]に塩基を作用させて発生させたチオラートアニオンと、[[ハロゲン化アルキル]]などの間の[[求核置換反応]]により合成される。
: <ce>R-SH - &minus; {H<sup>^+</sup>} + R'-X -> {R-S-R'} + X<sup>&minus;^-</supce>
 
:R-SH &minus; H<sup>+</sup> + R'-X → R-S-R' + X<sup>&minus;</sup>
 
対称ジスルフィドは、[[チオール]]に適当な酸化剤を作用させれば発生する。反応系を弱塩基性にすることもある。
:2 R<ce>{2R-SH} + [Ox] -> R-SS-R</ce>
 
:2 R-SH + [Ox] → R-SS-R
 
== 性質 ==
スルフィド類は特有の臭気があり、おおむね悪臭である。もっとも単純な構造のスルフィドである[[ジメチルスルフィド]]は、いわゆる「磯の香り」の主成分である。ただし、それは、ごく低濃度の場合にそう感じるということである。また、ニンニクやタマネギの臭いの元もスルフィド類である。スルフィドもジスルフィドも酸化されやすく、''S''-オキシド体あるいは ''S'',''S''-ジオキシド体へと酸化される。また生体内反応でメチル化反応は[[メチオニン]]残基に由来する ''S''-メチルスルフィドが関与している。
 
スルフィドもジスルフィドも酸化されやすく、''S''-オキシド体あるいは ''S'',''S''-ジオキシド体へと酸化される。
 
また生体内反応でメチル化反応は[[メチオニン]]残基に由来する ''S''-メチルスルフィドが関与している。
 
ジスルフィドは還元的に開裂し、それぞれ2つのチオール基となる。チオール基同士は酸化条件下でジスルフィド結合を形成する。この様に生体内においては[[蛋白質]]の[[システイン]]残基は、蛋白質のおかれた環境の酸化的あるいは還元的な雰囲気の変化に応じて、ジスルフィド結合を形成したり開裂したりしている。このことは蛋白質の高次構造を決定する上で重要な要素となっている。
: <ce>{R-SS-R} + [Red] → 2-> R2R-SH</ce>
 
:R-SS-R + [Red] → 2 R-SH
 
ジスルフィドは強い[[求核剤]] (Nu<sup>&minus;</sup>) と反応して、チオラートアニオン と置換生成物とを生成される。
: <ce>{R-SS-R} + Nu^- -> {R-S-Nu} + RS^+</ce>
 
:R-SS-R + Nu<sup>&minus;</sup> → R-S-Nu + RS<sup>&minus;</sup>
 
また、身近な例においては美容の[[パーマネントウエーブ|コールドパーマ]]は毛髪の[[シスチン]]残基のジスルフィド結合を還元的に切断した後に髪型を形成し、その後に酸化的にジスルフィド結合を再結合させることにより、毛髪を生成している蛋白質を固定化している。