「ギャルゲー」の版間の差分

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「ギャルゲー」と言う単語の[[ゲーム雑誌]]で確認されている最古の使用例は『[[ファミ通|ファミコン通信]]』1992年3月27日号の特集記事である。もっとも、この特集で取り上げられているのは『ヴァリス』を始め横スクロールのアクションゲームがメインであった。この特集とほぼ同時期にパソコンゲームでは『[[プリンセスメーカー]]』([[ガイナックス]])や『[[卒業 〜Graduation〜]]』(ジャパンホームビデオ)に代表される[[育成シミュレーション]]が登場している。
 
1992年には『[[銀河お嬢様伝説ユナ]]』([[ハドソン]]、[[レッドカンパニー]])というメディアミックス作品シリーズの一作目が発売された。また、同時期の広告では以下のようにPCエンジンをアピールしていた。
{{Quotation|かわいいあの娘。きれいなあの娘。そして、頼りになるあの娘。PC Engine Duoのソフトには、いま、新しいヒロインが次から次に登場中。目移りして困る、という優柔不断な声が一部で囁かれるくらい、魅力的な彼女でいっぱいのDUO。納得いくまで、迷って、選んで。きっと、好みのあの娘に出会えるはずです。(ここで紹介している彼女たちには、表記しているソフトタイトルの中で出会えます)|NEC-HE|「PCエンジンDUO」広告ポスター、「好みのあの娘に、DUOなら出会える。」本文より}}
また、この時期になるとユーザー層と好みに偏りが見られるようになる<ref>[http://www.highriskrevolution.com/gamelife/index.php?e=30 「それでも、それなりに売れるためには、その残っている数少ないコアなファンの心をつかむことが必要で、実質的にギャルは必須の要素になりつつあった。言い換えるなら、当時残っていたファンにとって「声が出て、大きな絵が出る」ことは、重要な要素の一つだった。」(発言者、岩崎啓眞)]</ref>。特に'''PCエンジンでのシューティングゲームの売り上げが目に見えて落ちてきた'''<ref>[[ドリマガ|ゲーマガ]]2003年10月10・24日号121ページ「アーケードから美少女へ。NECアベニューの華麗なる転身劇」多部田俊雄インタビューより。</ref>また、同時期のPCエンジンFANでは、ギャルゲーというジャンルそのものの特集記事が組まれ、'''「現在(編集者注 1992年当時のこと)のPCエンジンソフト市場は[[オタク]]によって支えられているといっても過言ではない。」'''と紹介しており、締めの文章では美少女ゲーム・ギャルゲーの市場に対して'''「PCエンジンでうまくかっさらってしまおう。」'''と記している。<ref>PCエンジンFAN1992年1月号8ページ~11ページ。この記事ではパソコンの美少女ゲームの歴史と傾向を詳細に解説した「LOLI山田のパソコン美少女講座」も掲載されている。</ref>
 
1993年にはインタラクティブコミック作品『[[ゆみみみっくす]]』([[ゲームアーツ]])も登場した。1994年には、男性向け一般[[恋愛ゲーム (ゲームジャンル)|恋愛シミュレーションゲーム]]の先駆けとなる『[[ときめきメモリアル]]』([[コナミデジタルエンタテインメント|コナミ]])が発売される。この作品はは大きな話題を呼び、このジャンルが一定の地位を確立するきっかけとなった。これに伴い、魅力的な女性が登場するゲームは恋愛シミュレーションゲームが発売されるようになり、ギャルゲーという用語はこのジャンルのゲームを指すものとして用いられるようになった。
 
1994年末には第5世代機が発売されており、ゲームソフト市場に新規参入するメーカーが多数現れた。ギャルゲーの数が特に増えたのもこの時期で、多数のギャルゲーが発売されている。[[パイオニアLDC]]の「[[NOeL]]」シリーズや[[インターチャネル|NECインターチャネル]]の『[[センチメンタルグラフティ]]』などが代表とされる。『[[宝魔ハンターライム]]』([[サイレンス (ゲーム会社)|有限会社サイレンス]]))の移植などもある。
 
また[[日本電気ホームエレクトロニクス|NECホームエレクトロニクス]]は、[[ハドソン]]と共同開発の[[PC-FX]]において美少女に重点を置いた「アニメ戦略」を推進するなど、[[PCエンジン]]時代以上にギャルゲーを積極的に活用するようになる。<ref>NEC-HEのホームサーバー事業部・粕谷氏「当初、アニメ戦略を展開しましたが、みなさんの反応を見て、現在はさらに進んでギャルアニメ路線になりました。」(引用元、[[DENGEKI HIME|電撃姫]]vol.2、113ページ)</ref>
 
特にPCエンジンにおけるこの方面への尽力と影響力は大きく、PCエンジン専門誌においても「その後、『[[ドラゴンナイト]]II』『[[卒業 (ゲーム)]]』『[[ときめきメモリアル]]』が登場。こういった今はギャルゲーと呼ばれるソフトがゲーム機で遊べるようになったのもPCエンジンの功績です。」という評価を受けている。<ref>引用元、[[PC Engine FAN]]1996年10月号、134ページ『「月刊PCエンジンファン」刊行変更のごあいさつ』(代表執筆者、PCエンジンファン編集長 北根氏)</ref>
 
2012年時点では、[[アドベンチャーゲーム]]や[[シミュレーションゲーム]]のようなものが多いが、その他のジャンルでも「ギャルゲー」と呼ばれる作品は存在する。また「[[ファイナルファンタジーX-2|FFX-2]]」([[スクウェア・エニックス]])や「[[蒼い海のトリスティア]]」([[工画堂スタジオ]])のように露出度の高いキャラクターが目立つ作品も、ゲームの内容とは関係無く「ギャルゲー」と認識されることは多い。
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== ギャルゲー依存の影響 ==
ギャルゲーファン以外からも支持されるようなストーリー性の高い作品がある一方で、あくまで「魅力的な女性が登場したりきわどい悩殺シーンが売り物」の、設定やストーリーに少々無理がある作品も存在する。特に前述のPCエンジンではその傾向が顕著に表れており、シューティングゲームの売り上げが落ちるなど<ref>[[ドリマガ|ゲーマガ]]2003年10月10・24日号121ページ</ref>の影響あった。そのためテコ入れのために美少女を付け加える場合があり。結果として美少女を使用する傾向に拍車がかかっていった。
*結局「'''美少女の出ないPCエンジンのゲームなんて誰も買わない'''」と評価をされるほどになった。<ref>[http://www.alfasystem.net/a_m/column/sub.4.0.htm 桝田省治の製作ノート ~Making of Linda3~]PCE版リンダ初回特典「リンダの秘密」より。)</ref>
 
このような市場の影響は長く続き、市場立ち上げ間もないPC-FXでもメーカーはPCエンジン同様の展開が必要になり「アニメ戦略」を発表した。
 
== ギャルゲーとアダルトゲーム ==