「読者参加型ゲーム」の版間の差分
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「雑誌というマスメディアを使って、世界中の様々な場所の読者同士でゲームを楽しむ」と言う読者参加型ゲームの発想がいつ頃から生まれたのかはっきりしたことは定かではない。
日本における読者参加型ゲームの先駆けになったのは、[[ソフトバンク|日本ソフトバンク]][[SBクリエイティブ|出版事業部]]のゲーム雑誌『[[ゲーマガ|Beep]]』に1985年8月号から1年間連載された「[[ヤタタウォーズ]]」である。これは読者投稿のコーナーに[[サイエンス・フィクション|SF]][[ウォー・シミュレーションゲーム]]的な要素を盛り込んだ様な内容の読者投稿企画で、端的にたとえるならば『[[週刊少年ジャンプ]]』([[集英社]])の当時の読者投稿コーナー
1987年には、[[アナログゲーム]]総合誌であった『[[ゲームグラフィックス]]』誌で、武装車両によるレースをテーマにした
1988年に[[パソコンゲーム]]誌『[[コンプティーク]]』でロボットバトルものの
===キャラクター登録型の読者参加型ゲーム===
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キャラクターが冒険に成功するかどうかはキャラクターの能力値から導き出され、それを判定するためのルールは読者参加型ゲームごとに違い、ルールが簡易なものもあれば[[テーブルトークRPG]]や[[プレイバイメール]]並に煩雑なものもあった。各キャラクターの冒険の結果はただの数値だけでなくゲーム世界のストーリーを動かす要因にもなった。用意された選択肢を選ぶだけとはいえ、それを選ぶキャラクターは数百人以上いるのである。当然、相反する選択肢を選んだキャラ同士は戦いが起こることになり、どちらのキャラが勝利したかによって世界の様相は変動していく。ストーリーの変容の中でもっとも活躍したキャラクター(要するに最も高度に判定に勝利したキャラクター)は雑誌上に掲載されるイラストストーリーなどに登場し、ゲームに参加している読者たちの誇りとなった。
この時期の読者参加型ゲームの主流が、RPG風のキャラクター登録型だった理由の一つに、ゲームの多くが[[コンシューマゲーム]]誌で連載されていたこともある。一応はコンシューマゲーム誌なわけで、いわゆる「コンピュータゲームに似た空気」が読者参加ゲームには求められたのである。『コンプティーク』で連載されていた『ロボクラッシュ』や『トップをねらえ!』などはRPGというよりシミュレーションゲーム的なノリであったが、当時はコンシューマゲームではシミュレーションゲームというジャンルの認知度が低かったのもコンシューマゲーム誌でRPG風味の読者参加型ゲームが中心になった理由である。
また、コンシューマゲーム誌に限らずこの当時は[[テーブルトークRPG]]誌でも盛んに読者参加型ゲームが連載されていたが、こちらはキャラクター登録型が主流なのは変わらなかったが、SF戦記モノや美少女モノなど、当時のRPGの王道であった冒険ファンタジーなノリとはあえて違う方向を目指すことが多かった。
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===人気投票型の読者参加型ゲーム===
キャラクター登録型の冒険RPG風の読者参加型ゲームが主流の1992年、『マル勝PCエンジン』誌に
人気投票型読者参加ゲームは、読者が自分が活躍させたいキャラクターを一人選び、投票数に従いキャラクターの活躍の度合いが決定されるというのが基本的な流れである。読者が行うことは人気投票に参加するだけという手軽さが売りだが、ただの投票には終わらないようにゲーム性が工夫されているものも多く存在する。
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ゲーム性の工夫としてよくある物が、キャラクター同士がなんらかをめぐった争奪戦のライバルとして対立しているような構図になっているものである。どのキャラクターがその争奪戦で有利に立てるかは投票数によって決まる。純粋に投票数だけで争奪戦の有利不利が決まるものもあれば、RPG型と同じくキャラクターに能力値を設定して[[行為判定]]による対決で争奪戦の順位を決定するものも存在する。このとき、そのキャラクターの投票数が行為判定へのボーナスとして影響するのが基本である。人気のあるキャラクターはそれだけ強くなるのである(逆に行為判定が行われるゲームでは人気のないキャラクターが逆転することもありえる)。このような争奪戦タイプのゲームでは読者同士が組織票を行うためキャラクターごとの応援団のようなものも誌上のコーナーで発足することもある。「本命であるAというキャラクターのライバルのBというキャラクターを蹴落とすためにCというキャラクターを支援する」などといった戦略もあり、別のキャラクターの応援団同士が連携するなどといったこと良く行われる。
キャラクターへの人気投票を行うだけでなく、「キャラクターたちに対してどういう行動をさせたいか」や「キャラクターたちがどんな事件に巻き込まれるか」などを用意された選択肢から選んでハガキに書いて送ることを主体にしたゲームもある。近年ではこのタイプが人気投票型の主流である。このタイプの場合では、それぞれのキャラクターに対してもっとも応募数が多い選択肢が採用されて次回のキャラクターたちの行動が決定される。そしてその複数のキャラクターたちのそれぞれの行動が一つのストーリーを形作るのである。このタイプのゲームでは「キャラクターの対決における行為判定」のような数値処理が絡む部分をルールとしてデザインする必要がない反面、予想外の選択肢にもストーリーを対応させる高い文芸力が問われる。また、
これらの人気投票型のゲームは、応募数が大量にあってもさばきやすいということもあり、製作側からは重宝された。人気投票に対象となるキャラクターたちは基本的にいわゆる美少女キャラが用意されるのが定番だった。これは人気投票を行うのに値するだけの華がキャラクターには必要だったということが大きい。1990年代後半の時期は、『[[電撃G's magazine]]』や『[[E-LOGIN]]』など、[[アダルトゲーム]]を含む「[[美少女ゲーム]]」の紹介を主軸とする雑誌で多くの人気投票型の読者参加型ゲームが展開された
美少女キャラクターを使った人気投票型読者参加ゲームには、RPG風の読者参加型ゲーム以上にメディアミックスが容易であるというメリットもある。その美少女キャラクターさえ出せればどのような形のメディアミックスも可能だからである。いわゆる[[ギャルゲー]]の形でコンピュータゲーム化されたものは多い。コミック化、アニメ化、小説化されたものもある。中でも1999年に電撃G's magazineで開始された
この成功を受け、美少女キャラクターを使った人気投票型読者参加ゲームは、[[萌え]]系キャラクタービジネスの一つのモデルとしても使われるようになる。メディアミックス系キャラクターコンテンツを立ち上げる際、はじめに人気投票型読者参加型ゲームを行い、どんなキャラが人気か、どんなストーリー展開が望まれているかなどをリサーチすることが可能なのである。また、読者の食いつきが悪い企画はその時点でメディアミックス計画を白紙に戻すこともできる。2000年代以降はこの流れによってゲーム誌以外の、メディアミックス系キャラクター誌でも人気投票型読者参加ゲームが行われるようになった。人気投票型読者参加ゲームが積極的に行われたキャラクター誌には『[[メガミマガジン]]』や『[[電撃萌王]]』、『[[マジキュー]]』など多数ある。
==The Vot's==
1998年に『[[PC Angel]]』の増刊として創刊された'''「The Vot's(ザ・ボッツ)」'''は読者参加型ゲームの専門誌である。専門誌というのは空前にして絶後で、現在でも唯一の存在だが、わずか2号で休刊したために読者参加型ゲームを楽しむ雑誌としては機能していたとは言いがたい。
==代表的な読者参加ゲーム==
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