「ムラサメ (ガンダムシリーズ)」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
編集の要約なし
1行目:
{{Pathnav|機動戦士ガンダムSEED DESTINY|コズミック・イラの機動兵器|this=ムラサメ|frame=1}}
{{出典の明記|date=2017-05-07}}
'''ムラサメ'''は、[[テレビアニメ]]『[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]』に登場する、[[モビルスーツ#『機動戦士ガンダムSEED』シリーズ|モビルスーツ]](MS)に分類される架空の兵器の一機種。
{{ページ番号|date=2017-05-07}}
'''ムラサメ'''は、[[テレビアニメ]]『[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]』に登場する、[[モビルスーツ#『機動戦士ガンダムSEED』シリーズ|モビルスーツ]] (MS) に分類される架空の兵器の一機種。
 
[[メカニックデザイン]]は[[大河原邦男]]。
17 ⟶ 19行目:
[[M1アストレイ]]の後継主力機として開発されたオーブ軍の空戦用[[可変モビルスーツ|可変MS]]。
 
[[機動戦士ガンダムSEEDの登場人物#ウズミ・ナラ・アスハ|ウズミ]]政権の中立宣言以来、オーブは中立国としての立場を堅持し、その戦力は外征軍としてではなく、あくまで本土・沿岸水域防衛のためのものとして整備されていた。しかし、C.E.71年6月に[[コズミック・イラ#オーブ解放作戦|地球連合との戦い]]に敗れ一時主権を失って以降、オーブ国防軍の軍事政策に変化が起きる。すなわち、攻め寄せる敵軍を眼前に迎えて本土籠城に徹するのではなく、外洋型攻撃戦力による積極防衛に転換し、艦船やMSにも制圧力が求められるようになった<ref name="pa">『パーフェクトアーカイブ機動戦士ガンダムSEED DESTINY』で[[森田繁]]が語るところによる。</ref>。このドクトリンからすると、従来オーブが整備してきた沿海水域防衛用の艦隊編成と、[[航続距離]]と速度の不足した飛行MS M1アストレイ・シュライクでは、制圧力不足であった<ref name="pa"/>。こうして、外征能力を持つ大型[[航空母艦]]「[[コズミック・イラの艦船及びその他の兵器#タケミカズチ級|タケミカズチ]]」と、[[固定翼機|固定翼]][[戦闘爆撃機|戦闘攻撃機]]の能力を併せ持つ可変MS「ムラサメ」が開発されることになったのである。MS形態に関しては、意匠能力ともにM1アストレイの発展改良型として設計された。また航空機である飛行形態は[[前進翼]]と[[カナード翼]]を組み合わせた空中機動性重視のデザインが採用されている。
 
その戦力であるオーブ軍のMSは国土の防衛が主な目的であり、島嶼国家であるオーブの防衛には必然的に航空能力が要求される。このような理由からムラサメは[[地球連合 (ガンダムシリーズ)|地球連合軍]]や[[プラント (ガンダムシリーズ)#ザフト|ザフト軍]]の次期主力MS([[コズミック・イラ|C.E.]]73時点)のようなバックパック換装型のMSではなく、大気圏内での飛行能力と[[戦闘機]]型[[モビルアーマー]](MA) (MA) への変形機構を有する可変MSとして開発された。
 
その飛行能力は機体が軽量な事であることやMA形態への変形機構を有することから、機動性、加速能力、航続距離などあらゆる点においてかなり高いレベルを獲得しており、可変機としては連合・ザフト双方の機体と比較してもトップクラスの性能を誇る<ref name="murasameandorew">プラモデルキット「1/144 HG ムラサメ アンドリュー・バルトフェルド専用機」取扱説明書参照</ref>。また、国土の防衛が目的とは言えであるが汎用性も考慮されており、宇宙空間での運用も可能である。武装はビームライフルやビームサーベルなどの基本装備のほか、MA形態時用のビーム砲や[[ミサイル#対空ミサイル|空対空ミサイル]]を備えている。さら主翼のハードポイントには連合の[[ストライカーパック#ジェットストライカー|ジェットストライカー]]と同様に[[対艦ミサイル]]やプロペラントタンクを搭載可能であるなど、高機動汎用MSと戦闘機の性能を両立した完成度の高い機体である。
 
その機動力を活かした戦闘能力は侮り難く、僚機と連携を行えば、劇中で[[カオスガンダム|カオス]]を撃墜したことからもわかるようセカンドステージシリーズクラスの高性能機を圧倒することも可能である。また、パイロットが[[コーディネイターとナチュラル|ナチュラル]]でありながら、[[コズミック・イラ#オペレーション・フューリー|オーブ防衛戦]]や[[コズミック・イラ#メサイア攻防戦|メサイア攻防戦]]ではザフト軍の主力MS部隊と互角に渡り合ったことから、ナチュラル用の量産機としては申し分ない性能を有している。
 
M1アストレイの後継機ということで、コクピット外部周辺やブレードアンテナなどにその意匠を見ることが出来できる。機動力重視の機体設計も、M1アストレイのコンセプトを踏襲していると言える。また、M1アストレイも軽量性を重視した機体であったが、本機はさらに6.62tも軽量化されている。
 
防御力に関しては装甲材質などの設定が無いが、ザフト軍宇宙戦艦「[[ミネルバ (ガンダムシリーズ)|ミネルバ]]」の40ミリCIWSの斉射を浴びせられたムラサメは細切れに粉砕されている。
 
機体名称は、小説『[[南総里見八犬伝]]に登場する犬塚信乃の佩刀「[[村雨 (架空の刀)|村雨]]」に由来し、変形機構は[[宇宙世紀]]世界における[[Ζガンダム]]系MSのそれとほぼ同様である。
 
=== 武装 ===
37 ⟶ 39行目:
:背部スタビレーターに1門装備されるビーム砲。機体と同時開発された装備であり、MA形態時の主砲として使用される。出力はビームライフル「イカズチ」とほぼ同等である。MS形態時の使用はできないが、電源が切断され、銃でいう安全装置がかけられた状態になるため、暴発の心配はない。
;66A式[[空対空ミサイル]]「ハヤテ」
:C.E.66年にオーブが制式化した国産空対空ミサイル。ムラサメの場合、左右の腰部フロントアーマーに2門ずつ計4門内装された発射筒に装填されている。MA形態時にのみ使用され、おもに在来航空機などの軽装甲航空目標に対し発射される。
:ちなみに、『[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY 連合vs.Z.A.F.T.II]]』ではMS形態でも使用でき、その際はやや山なりに4発発射される。
;72式改ビームライフル「イカヅチ」
:中距離射撃用のビームライフル。機体と同時開発された専用装備であり、MS形態時の主武装として使用されるほか、MA形態時にも固定砲台(マウントラックの可動により、ある程度射角はとれる)として使用可能。
:MS形態時はトリガーを引くことで作動させるが、MA形態時はマウントを介して発射信号を送り、作動させる。
;70J式改 ビームサーベル
55 ⟶ 57行目:
第15話では、オーブ-プラントの外交関係の変化を知らずに領空に侵入してしまった[[アスラン・ザラ]]の[[セイバーガンダム|セイバー]]に警告を与えるため、[[機動戦士ガンダムSEED DESTINYの登場人物#馬場(ババ)|馬場]]らが駆る2機が緊急発進している。
 
その後、ダーダネルスでの戦闘では地球軍の増援となったオーブ艦隊の空母タケミカズチ[[艦載機]]として[[ミネルバ (ガンダムシリーズ)|ミネルバ]]と交戦するまた、この戦闘では[[アークエンジェル (ガンダムシリーズ)|アークエンジェル]]から[[アンドリュー・バルトフェルド]]専用機も出撃し、カガリの[[ストライクガンダム#ストライクルージュ|ストライクルージュ]]やアークエンジェルを守って奮戦している。さらに、[[クレタ島|クレタ沖]]の戦闘では猛爆撃によって[[ルナマリア・ホーク|ルナマリア]]の[[ザクウォーリア#ルナマリア専用ザクウォーリア|ガナーザクウォーリア]]を大破させた後でカガリに説得されるも、死に場所を定めた馬場らのムラサメ隊は特攻を敢行。馬場し、彼はミネルバに甚大な被害を与えたほか、別の者はカガリを[[インパルスガンダム|インパルス]]の攻撃から庇い、散っていった。
 
オーブ派遣艦隊の壊滅後、残存機の一部はアークエンジェルに合流し、その戦力に加わる。ベルリンでの戦闘では[[デストロイガンダム|デストロイ]]と交戦するフリーダムを援護するべく[[機動戦士ガンダムSEED DESTINYの登場人物#イケヤ、ゴウ、ニシザワ|イケヤ、ゴウ、ニシザワ]]の駆る3機がカガリのストライクルージュとともに出撃し、巧みな連携攻撃で[[カオスガンダム|カオス]]を撃墜するという大金星を挙げた<ref>新鋭機時代の[[零式艦上戦闘機|零戦]]へのアメリカ軍側の対処などもそうであったが、格上の戦闘機には1対1では挑まないのが空戦の常識である。イケヤらは戦闘機乗りの伝統どおりに、至極真っ当な戦術を採ったといえる。</ref>。その後も、ザフトによるオーブ侵攻(オペレーション・フューリー)や[[地球連合軍の艦船及びその他の兵器#レクイエム|レクイエム]]攻防戦において、ザフトのMS隊と熾烈な戦いを繰り広げている。
 
小説版では、レクイエム攻防戦においてミネルバの艦尾スラスターを破壊して行動不能に追い込んでいる。
 
『SEED DESTINY』までの[[ガンダムシリーズ一覧|ガンダムシリーズ]]でのにおける量産型MSは完全に[[雑魚キャラ|雑魚]]扱いで、各作品の主人公(本作ではキラ、アスラン、シン)やライバル(前作では[[ラウ・ル・クルーゼ|ラウ]]、[[生体CPU|生体CPU(ブーステッドマン)]]たち)をはじめとするエースパイロットたちにあっけなく撃墜されるばかり(待遇が良くても主要なキャラクターの一時的な専用機として登場するのが精々)で、要は物語の引き立て役か作画上での[[背景]]でしかないの対し、本機は上記のように活躍する(あるいは印象に残る)場面が多く、やられ役に徹している地球連合軍の[[ウィンダム (ガンダムシリーズ)|ウィンダム]]とは対照的な扱いとなっている。
 
=== バルトフェルド専用ムラサメ ===
第23話において、[[アンドリュー・バルトフェルド]]が使用したムラサメ。バルトフェルドのパーソナルカラーである赤みがかった黄色(オレンジ)系統に塗装されているほか、コーディネイターの身体能力と技量に合わせて機体が改修されている<ref name="murasameandorew"/>。
 
カガリとアークエンジェルの護衛に徹する程度で積極的に戦闘に参加しなかったが、それでも通常のムラサメを圧倒していた。
73 ⟶ 75行目:
 
=== 偵察型ムラサメ ===
戦闘用のムラサメに偵察型への改良を加えた機体。72式高エネルギービーム砲の代わりに[[早期警戒機]]のような円盤型[[レドーム|レーダードーム]]を背負っており、元々の航空能力と相俟って長距離の偵察や索敵が可能である。レーダードームを背負っていることから機動性は通常のムラサメに劣るものの、ビーム砲以外の武装はそのまま残されており、戦闘能力も確保されている。
 
== オオツキガタ ==
81 ⟶ 83行目:
|全高=17.82m
|重量=46.88t
|武装=M2M5D 12.5mm自動近接防御火器×6<br/>72式高エネルギービーム砲<br/>72式改[[ビームライフル (ガンダムシリーズ)|ビームライフル]]「イカズチ」<br/>70J式改[[ビームサーベル]]<br/>シールド<br/>索敵・照準センサー<br/>センサー連動式[[レールガン]]
|搭乗者=[[ガンダムSEED MSV#タキト・ハヤ・オシダリ|タキト・ハヤ・オシダリ]]
}}
88 ⟶ 90行目:
通常のムラサメやアストレイタイプのMSとの連携、及びロングレンジからの超長射程高機動砲撃戦を考慮した設計になっている。ムラサメに装備されていた大気圏内飛行用の主翼を両方とも取り外されているが、左側の主翼の代わりに、高性能の索敵・照準用センサーを、右側の主翼の代わりに、センサーに連動する長距離砲撃用のレールガンを装備している。また、ムラサメ同様にビームライフル、ビームサーベル、バルカン砲、ビームキャノンを装備。変形機構も失われていないが、MA形態での運用を重点に考えられている<ref>ホビージャパンMOOK『機動戦士ガンダムSEED DETINYモデルVol.2』(2006)掲載の[[森田繁]]の解説による。</ref>。
 
オーブ国防宇宙軍の[[コズミック・イラの艦船及びその他の兵器#イズモ級|イズモ級]]宇宙戦艦[[コズミック・イラの艦船及びその他の兵器#イズモ級|スサノヲ、ツクヨミ]]の2隻に多数が配備され、メサイア攻防戦に実戦投入された。識別のために機体は赤系統から青系統のカラーリングに変更されている。代表的なパイロットは、[[ガンダムSEED MSV#タキト・ハヤ・オシダリ|タキト・ハヤ・オシダリ]]。
 
M1Aアストレイと同じく、局地用制定カラーリングとして青を基調とする塗装が施されている。
 
機体名称はムラサメと同じく南総里見八犬伝に由来するもので、里見義成の佩刀「大月像」にちなむ。
{{clear}}