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[[File:Czechowicz Zmartwychwstanie.jpg|thumb|right|250px|『[[復活 (キリスト教)|復活]]』({{仮リンク|シモン・チェホヴィッチ|pl|Szymon Czechowicz}}画、[[1758年]])。復活した[[イエス・キリスト]]が弟子達の前に現れている場面が描かれている。]]
[[File:42.-Old-Russian-Easter-Postcard.jpg|thumb|right|250px|[[ロシア帝国]]で発行された、復活祭を祝う家族が描かれた絵葉書。左上には「[[ハリストス復活|ハリストス復活!]]」と[[教会スラヴ語]]で書かれている。]]
'''復活祭'''(ふっかつさい、{{lang-el|Πάσχα}}, {{lang-la|Pascha}}, {{lang-en|Easter}}, {{lang-de|Ostern}}, {{lang-ru|Пасха}})は、[[十字架]]にかけられて死んだ[[イエス・キリスト]]が三日目に[[復活 (キリスト教)|復活]]したことを記念・記憶する、[[キリスト教]]において最も重要な祭<ref name="nagoya">[[正教会]]の出典:[http://www.orthodox-jp.com/nagoya/paschapr.htm 正教会の復活祭 2003年復活祭フォトレポート]([http://www.orthodox-jp.com/nagoya/ 名古屋ハリストス正教会])</ref><ref name="RC">[[カトリック教会]]の出典:[http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/memo/lent.htm 四旬節 断食(大斎・小斎) カーニバル]([[カトリック中央協議会]])</ref><ref name="NSU">[[聖公会]]の出典:[http://www.nskk.org/tokyo/bishop/2008/0803/index.html 復活祭を迎える]([[日本聖公会]] 東京教区 [[主教]] 植田仁太郎)</ref><ref name="dai910">[[プロテスタント]]の出典:『[[キリスト教大事典]]』910頁、教文館、昭和48年9月30日 改訂新版第二版</ref><ref name="сцт">[http://days.pravoslavie.ru/Life/slovar2336.htm {{lang|ru|Пасха + Словарь церковных терминов + Православный Церковный календарь}}](正教会:教会用語辞典){{ru icon}}</ref><ref name="RCCE">[http://www.newadvent.org/cathen/05224d.htm CATHOLIC ENCYCLOPEDIA: Easter]([[カトリック百科事典]]){{en icon}}</ref>
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多くの教会で特別な礼拝([[典礼]]・[[奉神礼]])が行われるほか、様々な習慣・習俗・行事がある。
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[[東方教会]]と[[西方教会]]とでは日付の算定方法が異なるため、日付が重なる年もあるものの、日付が異なる年の方が多い<ref group="注釈">[[春分の日]]の扱いが異なること、正教会では復活祭を[[ユダヤ教]]の[[過越]]とともに祝わないという古い規定をそのまま守っていること、これら二つの違いが[[東西教会]]間にある。</ref><ref>[http://www.orthodox-jp.com/nagoya/msj3.htm#date 復活祭の日付の問題]([http://www.orthodox-jp.com/nagoya/ 名古屋ハリストス正教会])</ref>。
 
[[異教]]が起源の風習との批判もある。
* 「アングロサクソンの春の女神エオストレに由来する」―ブリタニカ百科事典(英語)
* うさぎは豊饒のシンボルで「古代ヨーロッパおよび中東の異教の春の祭りにおける儀式や象徴に由来」―ブリタニカ百科事典(英語)
* イースター・エッグを探すことは「多産の儀式の名残」―ファンク・アンド・ワグナルズ民間伝承・神話・伝説標準辞典(英語)、伝統的な祝祭(英語)
 
== 日付 ==
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|colspan=2 align=center| [[4月20日]]
|}
復活祭は[[移動祝日]]であり、もともと[[太陰暦]]にしたがって決められた日であったため、年によって[[太陽暦]]での日付が変わる。[[グレゴリオ暦]]を用いる[[西方教会]]では、3月22日から4月25日の間のいずれかの[[日曜日]]、[[東方教会]]では、グレゴリオ暦の4月4日から5月8日の間のいずれかの日曜日に祝われる。
{{Main2|計算方法|コンプトゥス}}
 
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復活祭を表す英語「イースター({{lang|en|Easter}})」およびドイツ語「オースタン({{lang|de|Ostern}})」は[[ゲルマン神話]]の春の女神「エオストレ(Eostre)」の名前、あるいは[[ゲルマン人]]の用いた春の月名「エオストレモナト(Eostremonat)」に由来しているともいわれる。[[8世紀]]の教会史家[[ベーダ・ヴェネラビリス]]がこれに言及し、ゲルマン人が「エオストレモナト」に春の到来を祝う祭りをおこなっていたことを記録している<ref name="1911CE" />。ただしこの説も確実ではない<ref name="dai910" />。
 
== 復活祭に連動する教会暦・礼拝・典礼・奉神礼 ==
復活祭([[復活大祭]]、復活日)は教会暦において、移動祭日と呼ばれ<ref name="HO39">ホプコ、小野 p39</ref>(移動祝祭日<ref name="RCkanazawa">[http://www.kanazawa.catholic.ne.jp/calendar-gyouji-index.html 横浜・カトリック金沢教会-カレンダー]</ref>もしくは移動祝日<ref name="senri">[http://homepage3.nifty.com/st_peter/cln/ 教会のこよみ Catholic Calendar _ Senri New Town Catholic Church]</ref>とも)、最も重要な祭り(祝日)と位置づけられるとともに<ref name="nagoya" /><ref name="RC" /><ref name="NSU" /><ref name="dai910" /><ref name="сцт" /><ref name="RCCE" />、復活祭によって教会暦における他の移動祭日(移動祝祭日、移動祝日)が決められる。
 
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[[File:Påskmiddag-Swedish Easter dinner.jpg|thumb|right|復活祭の食卓(スウェーデン)]]
[[File:Oster-Striezel Zopf Brot Easter breads Kipfel Hasen.jpg|thumb|right|ドイツの復活祭の卵、オスターブロート(復活祭のパン)、オスターハーゼ(ウサギ型のパン)]]
 
=== 食品 ===
西方教会と東方教会では、伝統的に四旬節および大斎の期間中禁じられていた肉、乳製品、卵(東方教会では魚肉も)が復活祭の日に初めて解禁になるため、復活祭の正餐の食卓にはこれらの動物性食品が並ぶ。また、卵、[[バター]]、乳などをふんだんに使った復活祭独特の[[菓子パン]]や[[ケーキ]]が作られる。家禽を飼っている家庭では、四旬節および大斎の期間中に生まれたために食べられずにたまっていた卵をまとめて消費するという理由もある。
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== 日本とイースター ==
日本では近年まで馴染みが薄かったが、[[2010年代]]に入ってから「イースター」(復活祭)の要素を取り入れた[[イベント]]の開催や[[商品]]展開が各業界でされ始めている。[[東京ディズニーランド]]では4月〜6月期のイベントとして[[2010年]]から「[[ディズニー・イースターワンダーランド]]」([[2014年]]より「[[ディズニー・イースター]]」に改称)を開催<ref>[http://maihama.hateblo.jp/entry/2015/06/22/100000 「ディズニー・イースター」の功罪を考える](舞浜新聞 2015年6月22日)</ref>、また[[ユニバーサル・スタジオ・ジャパン]](USJ)でも[[2013年]]より「ユニバーサル・ イースター・セレブレーション」を開催している<ref>[https://www.usj.co.jp/company/news/2012/1218.html “史上空前の春、はじまる。” 息をのむ興奮、瞬きができないほどの感動 !! 大人も子どもも夢中になる、パーク史上最大のスケールで繰り広げる春イベント!](株式会社ユー・エス・ジェイ:ニュース 2012年12月18日)</ref>。さらに[[テーマパーク]]のイベント以外でも、[[2011年]]よりイースター限定商品を展開している[[バスキン・ロビンス|サーティワン アイスクリーム]]<ref>[http://news.mynavi.jp/news/2012/03/19/120/ 盛り上がりを見せ始めたイースター商戦 購買意欲を刺激するかわいいタマゴグッズやイベントが目白押し](マイナビニュース 2012年3月19日)</ref><ref name="sankeibiz_150401">[http://www.sankeibiz.jp/business/news/150401/bsd1504010500004-n1.htm 「イースター商戦」定着狙う 百貨店や菓子業界](SankeiBiz 2015年4月1日)/[http://www.sankei.com/premium/news/150404/prm1504040014-n1.html 東京で拡大する「イースター商戦」](産経ニュース 2015年4月4日)</ref>の他、[[2015年]]時点でイースター[[商戦]]に力を入れる[[百貨店]]や[[菓子]]メーカーが出てきているなど、イースターは[[クリスマス]]や[[バレンタインデー]]、[[ハロウィン]]に続く第4のイベントとして注目を集めている<ref name="sankeibiz_150401"/><ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ31HMI_R30C15A3TI0000/ イースター、春祝う TDLでイベント・百貨店で催事](日本経済新聞 2015年3月31日)</ref><ref>[http://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/201504/0007883569.shtml イースター商戦白熱 ウサギや卵ちなみ菓子やパン次々発売](神戸新聞NEXT 2015年4月4日)</ref><ref>[https://www.fuji-keizai.co.jp/market/14074.html 伝統的な行事である正月、新たに定着するハロウィーンなどイベントにおける加工食品市場を調査(2014年見込)](株式会社富士経済 2014年10月16日)</ref>。ただし、日本がキリスト教国ではないということもあり、これらのイベントと同様に[[宗教]]的色彩は大幅に薄められている。また、10月末という[[季節]]イベントの少ない時期に行われるハロウィンなどと比べると、イースターはちょうど[[桜]]の[[花見]]や[[卒業]]・[[入学]]シーズンにあたり、前述の3つのイベントにはない日付が毎年変動するという要素もあるため、どこまで定着するか未知数である<ref>[http://www.data-max.co.jp/2013/03/25/post_16449_dm1526_2.html 【流通】「イースター」―日本で定着しない理由](ネットアイビーニュース 2013年3月25日)</ref>。
 
== 脚注 ==