「抗てんかん薬」の版間の差分
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{{Otheruses|[[てんかん]]用途|気分に対する作用|気分安定薬}}
'''抗てんかん薬'''(こうてんかんやく、Anticonvulsant、antiseizure drugs)は、[[てんかん]]および[[痙攣]]に使用する薬品である。これらは[[ハイリスク薬]]である<ref>{{cite report|author=日本薬剤師会|title=薬局におけるハイリスク薬の薬学的管理指導に関する業務ガイドライン|edition=第2版|publisher=日本薬剤師会
== 一般的な抗てんかん薬 ==
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:局在関連てんかんの場合は第一選択薬として用いることができる。また症候性・潜在性局在関連てんかんで補助剤として、ミオクローヌスてんかんでも用いることもある。開始量は成人で100~200mg、維持量は200~400mgである。パーキンソン病治療薬として用いられることもあるが、開発の経緯および診療報酬(類似薬効比較方式)の面から別の商品名「トレリーフ」とされ、流用なきよう指導されている。食思不振、体重減少の副作用が有名である。
;[[ベンゾジアゼピン]]系
ベンゾジアゼピン系抗てんかん薬は発作型に関わらず有効なことがある。ただしミオクローヌス発作など一部を除いて耐性の形成ができやすい。また重症筋無力症、急性狭隅角緑内障には禁忌である。長期使用により[[耐性]]と[[ベンゾジアゼピン依存症|依存性]]が形成される。<ref>{{cite journal
;;[[クロナゼパム]](CZP)(商品名リボトリール、ランドセン)
:ミオクローヌス発作に有効である。1~3mgを分2で投与する場合が多い。
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抗てんかん薬と抗精神病薬を判別させる為や相互作用を表として纏められた書籍の中に公益社団法人 日本てんかん協会(波の会)が出版している 抗てんかん薬ポケットブックがあり現在は第6版まで出されている。所有する医者や救急隊員などの関係者は少数ではない。
;[[カンナビノイド]]
:エピディオレックス(Epidiolex)は、大麻の成分である[[カンナビジオール]](CBD)を用いた医薬品で、[[GWファーマシューティカルズ]]が臨床試験を行っている。この成分の多い[[医療大麻]]を用いた小児治療抵抗性てんかん19人の試験では、Dravet症候群、Doose症候群、レノックス・ガストー症候群といったてんかんの患者であり、16人(84%)が発作を軽減し、うちわけは2人(11%)は完全に消失、8人(42%)は80%以上の減少、6人(32%)は25~60%減少させた<ref name="pmid24237632">{{cite journal|
=== 主な抗てんかん薬のイオンチャネルへの作用 ===
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== 新規抗てんかん薬 ==
日本において2006年以降に承認されたガバペンチン、トピラマート、ラモトリギン、レベチラセタムなどを新規抗てんかん薬という。これらの作用機序はシナプス小胞の放出減少以外、旧来の抗てんかん薬の作用機序を組み合わせたものにすぎない。しかし相互作用、一部の副作用は軽減されている。2016年4月AMPA受容体拮抗薬である[[ペランパネル]]が製造承認された<ref name="nikkeimedeical20160408">{{cite news|title
{| class="wikitable"
!物質名!!商品名!!GABA受容体の増強!!電位依存性Naチャネルの抑制!!グルタミン酸受容体の阻害!!炭酸脱水素酵素阻害!!電位依存性Caチャネルの阻害!!シナプス小胞放出阻害
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!強直間代発作
|パルプロ酸||フェニトイン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、ゾニサミド、アセタゾラミド、クロナゼパム
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全般発作抑制効果はバルプロ酸に優位性があるとされている。欠神発作にはエトスクシミド、ミオクロニー発作にはクロナゼパム、強直間代発作にはフェノバルビタールも考慮される。クロバザム、フェニトインも候補になる。症候性全般てんかんではクロナゼパム、ゾニサミドが考慮される。新規抗てんかん薬では強直間代発作ではバルプロ酸に次いでラモトリギン、トピラマート、次いでレベチラセタムが推奨されている。欠神発作ではエトスクシミドに次いで、ラモトリギン、ミオクロニー発作ではバルプロ酸に次いでレベチラセタムが推奨されている。カルバマゼピンやガバペンチンではミオクロニー発作や欠神発作が増悪するため特発性全般てんかんでは使用しないことが多い。
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