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en:Anatolian hieroglyphs oldid=749695069 2016-11-15 18:35 を翻訳(Unicode 表は省略。あとで足す予定)。古代アナトリア・シリアで使われたルウィ語を表記する表語文字
 
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'''アナトリア象形文字'''(アナトリアしょうけいもじ、Anatolian hieroglyphs)は、[[アナトリア]]中部に起源をもつ[[表語文字]]であり、約500文字から構成される。かつては'''ヒッタイト象形文字'''と呼ぶのが普通であったが、この文字で表される言語が[[ルウィ語]]であって[[ヒッタイト語]]ではないことが明らかでなった。'''ルウィ象形文字'''(Luwian hieroglyphs)という用語も英語の出版物で用いられる。類型的にエジプトの[[ヒエログリフ]]に類似しているが、ヒエログリフに由来するわけではないし、エジプトにおけるヒエログリフと同等の神聖な役割を果たしたかどうかはわかっていない。{{仮リンク|ヒッタイト楔形文字|en|Hittite cuneiform}}との明白な関連性も存在しない<ref>{{Cite book |first=A. |last=Payne |title=Hieroglyphic Luwian |year=2004 |location=Wiesbaden |publisher=Harrassowitz |page=1 |isbn=3-447-05026-8 }}</ref><ref>{{Cite encyclopedia |last=Melchert |first=H. Craig |year=2004 |title=Luvian |encyclopedia=The Cambridge Encyclopedia of the World's Ancient Languages |editor-first=Roger D. |editor-last=Woodard |location=Cambridge |publisher=Cambridge University Press |isbn=0-521-56256-2 }}</ref><ref>{{Cite book |last=Melchert |first=H. Craig |year=1996 |chapter=Anatolian Hieroglyphs |title=The World's Writing Systems |editor-first=Peter T. |editor-last=Daniels |editor2-first=William |editor2-last=Bright |location=New York and Oxford |publisher=Oxford University Press |isbn=0-19-507993-0 }}</ref>。
 
== 歴史 ==
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アナトリア象形文字は[[紀元前2千年紀]]から[[紀元前1千年紀]]初頭にかけて、アナトリアと今のシリアで見つかっている。再初期の例は個人の[[印章]]だが、名前、役職、および吉祥の記号のみから構成され、これらが特定の言語を表記したものかどうか、はっきりしない。実際のテクストは石刻の記念碑として見つかるが、鉛片の上に書かれた文章もいくつか残る。
 
ルウィ語を記していることが確かな最古の碑文は後期[[青銅器時代]](紀元前約14-13世紀)のものである。その後2世紀ほどにわたって資料のほとんどない時期が続くが、アナトリア象形文字は初期[[鉄器時代]](紀元前約10-8世紀)に復活する。紀元前7世紀はじめに、すでに700年の歴史をもつルウィ象形文字は、競合する[[アルファベット]]によって淘汰されていき、忘却された。
 
== 言語 ==
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語は表語的にも、表音的にも、混在も(表語文字によって表される音の一部を表音文字で補完する)あり、[[限定符]]が先に置かれることもある。この特徴は、表音文字が子音のみでなく[[音節文字]]であるということを除けばエジプトのヒエログリフと同じである。
 
ルウィ象形文字は行ごとに左横書きと右横書きが入れかわる。この方式はギリシア人によってブーストロペードン([[牛耕式]])と呼ばれている。
 
一部の学者は[[ファイストスの円盤]]や[[クレタ聖刻文字]]とアナトリア象形文字の関連性を検討しているが、現在のところ、この点に関する意見の一致は存在しない。
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1915年までに楔形文字のルウィ語と、翻字・出版された充分な量のアナトリア象形文字を使って、言語学者たちは文字を読む実際の作業を開始した<ref name="pope"/>。
 
1930年代に、[[イグナス・ゲルブ]]、ピエロ・メリッジ、[[エミール・フォラー]]、[[ベドジフ・フロズニー]]らによって文字は部分的に解読された。言語がルウィ語であることは、1973年にジョン・デービッド・ホーキンズ、アンナ・モルプルゴ・デービス、ギュンター・ノイマンが従来の音価推定のいくつかの誤りを修正し、とくに記号 *376 と *377 の読みを ''i, ī'' から ''zi, za'' に改めたことによって確定した<ref>{{cite journal|和書|url=http://www.hmn.bun.kyoto-u.ac.jp/eurasia/newsletter/06.pdf|title=象形文字ルウィ語解読の歴史と現状|author=吉田和彦|journal=ユーラシア古語文献の文献学的研究ニューズレター|volume=6|pages=2-6|year=2004}}</ref>
 
== 翻字 ==
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* {{citation|url=http://www.ancientscripts.com/luwian.html|title=Luwian|publisher=AncientScripts.com}}
* {{citation|url=http://www.caeno.org/origins/papers/KlockFontanille_LuvianHieroglyphs.pdf|title=The invention of Luwian hieroglyphic script|author=Isabelle Klock-Fontanille}}
* {{citation|和書|url=http://www.chikyukotobamura.org/muse/wr_middleeast_23.html|title=ヒッタイト象形文字(ルウィ象形文字)|year=2016|publisher=地球ことば村・世界の文字}}
 
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