「化学式量」の版間の差分

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Purple Quartz (会話 | 投稿記録)
2017年5月17日 (水) 19:04 (UTC)の版へrv/v、2回目
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'''化学式量'''(かがくしきりょう、{{lang-en-short|chemical formula weight}})とは[[化学式]](おもに[[組成式]])に基づいて[[原子量]]と原子数の積の総和を求めた値である。場合によっては単に'''式量'''(しきりょう、formula weight)と呼ぶこともある。'''化学式量'''はその構成単位が[[分子]]として明確に決められない場合、たとえば[[石膏#半水石膏(バサニ石)|Ca<sub>2</sub>SO<sub>4</sub>・1/2H<sub>2</sub>]]のような無機化合物などに用いられる。[[イオン]]ではイオン式量が、高分子では高分子式量が用いられる<ref name="理化学辞典">式量、『理化学辞典』、第5版、岩波書店。ISBN4-00-080090-6</ref>。これは分子が存在すると否とにかかわらずどんな物質に対しても適用できる包括的な用語であり<ref name="化学大辞典-共立">化学大辞典編集委員会(編)「化学大辞典-第3版」共立(2001/09,初版1960/09)</ref>、分子量よりも広義に用いられる<ref name="化学大辞典-東京化学同人">大木道則;田中元治;大沢利昭;千原秀昭(編)「化学大辞典」東京化学同人(1989/10)</ref>。そして[[分子量]]同様、化学式が示す[[化学量論]]に基づき反応物あるいは生成物の量的関係を把握する際に利用される。
自民党万歳
<!-- <comment>アボガドロ定数の定義を変形して説明しなおしているだけなので略す</comment>に使用する計算の為のパラメーターであり、物質の個数([[物質量]])と[[質量]]とを関係付ける比例係数である。だけに使用できる量であり、例えば純物質Xの中の[[結晶格子]]ユニットや[[高分子]]のモノマーユニットまたは分子のような繰り返し単位uの個数を''N<sub>u</sub>''(X)とすれば、その繰り返し単位の化学式から求めた化学式量を''M<sub>0</sub>''として、純物質Xの質量''G''(X)は次の式となる。
:''G''(X)=''M<sub>u</sub>''.''N<sub>u</sub>''(X)/''N<sub>A</sub>''
 
ここで''N<sub>A</sub>''は[[アボガドロ定数]]であり、純物質Xの物質量n<sub>u</sub>(X)は次の式となる。つまり繰り返し単位uとはIS基本量である[[物質量]]の定義における要素粒子に他ならない。
:n<sub>u</sub>(X)=''N''(X)/''N<sub>A</sub>''-->
 
[[物質量]]と[[原子量]]との関係から自明なように、成分1ユニット当たりの原子量の総和である化学式量に、ユニット総数を意味するモル当量を乗じた値は、化学式が表現する消費あるいは生成する物質の総質量の値を示す。[[分子量]]も[[原子質量単位]]を基準とする相対質量比であるから、[[分子量]]に分子総数を意味するモル当量を乗じた値は化学式が表現する物質の総質量の値である。
 
化学式量とは異なり、[[分子量]]は[[原子質量単位]]を1とする実在する分子の相対質量意味し、例えば[[質量分析法]] (MS) などで個々の分子についても実測できる量である。だが化学式量はあくまでも均質試料の全体について[[化学量論]]に基づいて定義されるものであり、ミクロな個々の要素粒子について定義されるものではない<!--と断言するのはためらわれるのだが-->。例えば、高分子化合物のように個々の分子の質量が異なる場合は分子量分布や平均分子量が存在するが、化学式量としてはモノマーユニットやオリゴマーユニットの化学式による式量を使う。これは高分子の分子量とは全く別の量であり、例えば化学式量分布といったものは存在しない。
 
このように、分子量は分子のように明確に区分される構成粒子が存在しないと定義できないが、'''化学式量'''の場合は、イオン性物質や金属のような明確に区分される構成粒子が無くても構成比さえ決定できれば算術的に定義することが可能である。
 
例えば、[[五酸化二リン]]は'''構造式'''的にはP<sub>4</sub>O<sub>10</sub>で表現されるべきであるが、'''組成式'''としてはP<sub>2</sub>O<sub>5</sub>となる。そして[[化学量論]]的には[[当量]]を基準とした量的関係が成立する為に、P<sub>2</sub>O<sub>5</sub>を化学式量としてもP<sub>4</sub>O<sub>10</sub>を化学式量としても反応に関係する物質の重量比は変わらない為、量的関係を算出する上での問題は発生しない。
: P<sub>2</sub>O<sub>5</sub> + 3H<sub>2</sub>O → 2H<sub>3</sub>PO<sub>4</sub>
: P<sub>4</sub>O<sub>10</sub> + 6H<sub>2</sub>O → 4H<sub>3</sub>PO<sub>4</sub>
 
逆に、分子が分子式として表現されれば分子式の化学式量と分子量の値は定義により一致するので、分子式から分子量を算術的に求める際には暗黙のうちに化学式量が利用されている。なお具体的計算で数値を求める時には、「[[分子量]]」の記事に記載してあるような計算ソフト等も使える。
 
== 出典 ==
<references />
 
== 関連項目 ==
セックス
* [[化学式]]
* [[化学量論]]
* [[原子量]]
* [[分子量]]
* [[物質量]]
 
{{デフォルトソート:かかくしきりよう}}
[[Category:化学]]
[[Category:分子]]
[[Category:表記]]