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(1)一般に、卵子は精子よりも大きく、つくり出すのに時間がかかる。そのため雌は一回の繁殖を終えてから次の繁殖に取りかかるようになれるまでの期間が長い。(2)また、雌は妊娠中は次の繁殖に取りかかることができない。これに比べて雄は妊娠しないため、常に次の繁殖に取りかかることができる。よって、「現在生殖相手を探している雌」の数は、「現在生殖相手を探している雄」の数より常に少なくなることになり、実効性比は雄に偏り、雄の間に雌をめぐっての戦いが生じる。(3)また、雌が主に抱卵・授乳など"子育て"を担う種では、その期間の雌はやはり「現在生殖相手を探している雌」ではなくなるため、実効性比は雄に偏り、同様に雄が雌をめぐって戦うという状況が生じる。特に、[[胎生]]を採用しているために雌側の繁殖スピードが極めて遅くなる[[哺乳類]]にいたってはその傾向が顕著である。そして雄による雌獲得争いの結果、多くの生物で、雄はその種がその環境で生きていくのに最低限必要な体格よりも大きめの体格になることが多い。また先述のような二次性徴として雌の気をひきつけるための角や鰭、羽毛や体毛、派手な色彩や模様などをもつことが多く、それらが先述の婚姻色のように繁殖期になってから発現するもの、さらには個体の成熟具合や経験値によって発現の仕方が異なるものもある(例えば、[[オオルリ]]の青い羽が生え揃うまでに生後から3年前後の年月を要し、[[ライオン]]の鬣の黒さや[[オランウータン]]の頬だこの大きさなどは過去の勝敗経験が関係する)。同様の理由で、特殊な鳴き声や羽音のような音声を発したり、儀式的な求愛行動をとったりするものも非常に多くなっている。(逆に稀な例ではあるが、[[タマシギ]]という鳥は雄のみが抱卵するので、「現在生殖相手を探している雄」の方が常に雌よりも少なくなるため、雌の方が攻撃性が強く、派手な外観を持っており、求愛行動に関して積極的である。[[タツノオトシゴ]]や[[ヨウジウオ]]のように、雄が育児嚢で卵を育てて産卵する種でも、同様に雌の方が派手な外観をしている。)
 
(逆に、まれな例ではあるが、[[タマシギ]]という鳥は雄のみが抱卵するので、「現在生殖相手を探している雄」の方が常に雌よりも少なくなり、雌の方が攻撃性が強く、派手な色彩や模様を持ち、雄に対して求愛行動をとる。[[タツノオトシゴ]]や[[ヨウジウオ]]のように、雄が育児嚢で卵を育てて産卵する種でも、同様に雌の方が派手な外観をしている。
 
 
また雌雄の形質の差は、配偶の形式によって異なると考える人もいる。例えば、[[一夫多妻制]]で、一頭の雄が多くの雌をふくむ[[ハレム|ハーレム]]を独占するような動物では、雄が雌より大きく、また派手な形質を持つことが多い。そのような動物では、雌にあぶれた雄が多く出現し、雌の群れを奪おうとねらうことになり、雄同士の戦いを生じる。戦いのための武器を装備するものもあるが、戦う前のデモンストレーションのための構造を発達させるものも多い。その武器的な身体的特徴の主な例として、哺乳類だとゾウやセイウチ、ヒヒなど多くの種で見られる鋭く大きな[[犬歯]]、[[ウシ目|シカやウシの仲間]]などに見られる角、[[鳥類]]だとニワトリのような[[キジ目]]に見られる蹴爪、[[昆虫]]ではヘリカメムシ類の脚の棘、カブトムシをはじめとする[[コガネムシ上科|コガネムシの仲間]]の角や顎などがある。ただし、一見ハーレムを形成している種でも、第一位の雄の目の届かないところで二位以下の雄が生殖を行うことは多く、現実的には多夫多妻の状態になっている。↵いずれにせよ、ハーレム起因説は、ハーレムを形成しない種においても雄の方が体格が大きいことが多いことを証明できない。配偶子の大きさ、妊娠期間、抱卵・授乳などの"子育て"期間等の生物学的要因の結果、雄同士に争いが生じ、その結果雄の体格が大きくなり、またその結果としてハーレムという社会的形質をもつ種が出現すると考えられる。