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===動詞===
一般動詞 ([[:en:English verbs|Ordinary verb]]) は、[[法 (文法)|法]] ([[:en:Grammatical mood|Mood]]) 、[[数 (文法)|数]] ([[:en:Grammatical number|Number]]) 、[[人称]] ([[:en:Grammatical person|Person]]) による活用をほぼ消失しており、三人称単数現在形で({{en|-'''(e)s'''}}が付されるだけである。[[時制]] ([[:en:Grammatical tense|Tense]]) による変化は不規則変化動詞においては現在形、過去形、過去分詞形でそれぞれ変化するが(例:{{en|rise/rose/risen}} 「昇る」)、規則変化動詞では過去形、過去分詞形に {{en|-''ed''}} 語尾が付されるのみとなる(例:{{en|walk/walked/walked}} 「歩く」)。また、動名詞 ({{interlang|en|Gerund}}) ・現在分詞 ([[:en:Participle|Present participle]]) においては全ての動詞において原形 (Bare form) に {{en|-''ing''}} 語尾を付すれば良い。
現在分詞や過去分詞は形容詞として扱われる。
 
フランス語 ({{lang|fr|-er, -ir}}) やドイツ語 ({{lang|de|-en}}) と違い、不定形 ([[:en:Infinitive|Infinitive]]) に一見して動詞とわかる綴りの形はない。したがってある単語の原形が与えられたとき、動詞かどうか判断する手段はない。このため語形を変えずに品詞の転換が容易である。例:{{en|smoke}} は名詞では「煙」「タバコの一服」だが、そのまま動詞として「煙を出す」「タバコを吸う」とも使えるを表す
 
====法====
英語の'''[[法 (文法)|法]]'''は'''[[直説法]]'''、'''[[仮定法]]'''、'''[[命令法]]'''、[[条件法]]が存在する。
;直説法
;直説法 ([[:en:Realis mood#Indicative|Indicative|]])
:一般動詞においては過去形、過去分詞形、現在分詞形、動名詞、三人称単数現在形以外では目に見える形で活用せず、実質原形を用いる。
;仮定法 ([[:en:Subjunctive mood|Subjunctive]])
:中英語期以前までは、現在・過去のいずれの時制でも現れ、それぞれ固有の語形変化をもっていたが、現代では仮定法自体やや特殊な用法となっている。 {{en|if}} などを用いた条件[[節 (文法)|節]] ([[:en:Conditional sentence|Conditional clause]]) 内においては一般動詞を過去形に、be動詞の場合は {{en|were}} にすることによって法を表現し(現在の口語では主語が {{en|you}} 以外の単数の場合 {{en|was}} が用いられることもある)、条件節以外では助動詞の過去形(例:{{en|would, could, might, should}})を用いることによって表現する。仮定法本来の動詞変化が消失したためにこのような形で表現するのであるが、そのせいで動詞の語形変化で表される時制と、仮定法によって叙述される時制にズレが生じる。
:*例:{{en|If I ''were'' a bird, I ''could fly'' into the sky.}} 「もし私が鳥ならば、空に向かって飛んでいけるのだが。」
:これを'''「仮定法過去」といい、叙述されているのは現在の状態・動作である'''。
:仮定法によって過去の状態・動作を叙述するには、次のような構造を用いる。
:*例:{{en|If I ''had been'' a bird, I ''could have flown'' into the sky.}} 「もし私が鳥だったならば、空に向かって飛んでいけたのだが。」
:条件節内を「助動詞 {{en|have}} の過去形 {{en|had}}+過去分詞」とし、主節 ([[:en:Independent clause|Main clause]]) 内を「助動詞過去形+助動詞 {{en|have}}+過去分詞」とする。これを'''「仮定法過去完了」'''という。
 
:仮定法の条件節において {{en|if}} を使わず、助動詞を倒置させることがしばしばある。
:*例:{{en|''Had'' I had the money, I could have made my fortune.}} 「あの金さえあればひとやま築けたのに。」
;命令法 ([[:en:Imperative mood|Imperative]])
:動詞を原形で[[文]] ([[:en:Sentence (linguistics)|Sentence]]) の最初に置くことによって表現する。命令法以外では文頭に動詞の原形が置かれることはほとんど無い。
:*例:{{en|Be quiet.}} 「静かにしなさい」 {{en|Go to school.}} 「学校に行け」 {{en|Open the window.}} 「窓を開けなさい」
 
====時制====
英語の基本的な[[時制]]は'''非過去''' ([[:en:Nonpast tense|Nonpast]]) と'''過去''' ([[:en:Past tense|Past]]) の二つである。これは[[ゲルマン語]]系言語に共通する特徴である。過去形は不規則変化動詞においては語幹変化で、規則変化動詞においては {{en|-''ed''}} 語尾を付して表現する。本来英語には未来時制がないので、未来のことを表現するときは法の助動詞 {{en|''will'', ''shall''}} を用いて表現したり {{en|''be going to''}} という慣用表現を用いたりする。直近の予定は現在進行形で表現することもある。
 
英語の時制、法、相、態は以下のように結びつく。
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|do
|}
時制、法 ({{en|will}}) 、完了、進行が各2通りあるので、実質的な時間表現は16通りある。[[不定詞]]では相および態しか使えない。本来の時制の他、{{en|will}} による未来表現も時制に入れることがある。この場合、現在 (-Ø) 、過去 ({{en|-ed}}) 、未来 ({{en|will}}) 、過去未来 ({{en|would}}) と呼ばれる。
 
====相====
英語の[[相 (文法)|相]] ([[:en:Grammatical aspect|Aspect]]) は、'''[[完了相]]''' ([[:en:Perfect (grammar)|Perfect aspect]]) と'''[[進行相]]''' ([[:en:Continuous and progressive aspects|Progressive aspect]]) が存在する。
 
;完了相
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:過去完了を用いることにより、間接[[話法]]中において、時制の差異を表現することができる。これを「[[大過去]]」ともいう。
:現在完了と過去時制との違いは、後者が過去における事実を叙述するに過ぎないのに対し、前者は過去の行為が現在に及ぼす影響を含んでいること。したがって現在完了は経験や継続を表すのに使われる。
:*現在完了の例:{{en|She ''has gone'' to India.}}「彼女はインドへ行ってしまった(そのまま戻っていない)。」
:*過去の例:{{en|She ''went'' to India.}}「彼女はインドに行った(もう戻っているかもしれないし、戻っていないかもしれない)。」
:*現在完了の例:{{en|She ''has lived'' in India.}}「彼女はインドに住んだ経験がある」または「彼女はインドに(現在に至るまで)住み続けている。」
:*過去の例:{{en|She ''lived'' in India.}}「彼女は(過去のある時点で)インドに住んでいた(現在どこに住んでいるかは叙述していない)。」
:古くは自動詞の完了相は「助動詞{{en|be}} + 過去分詞形動詞」によって表されていた。現在でも少数の自動詞は慣用的にこの形をとる。「少数」とはいえ、慣用により頻出である。
:*例 {{en|He is gone.}} 「彼は行ってしまった。」
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:
;進行相
:「助動詞 {{en|be}} + 現在分詞形動詞」によって表される。ただし動作を表す動詞しか用いることはできない(例えば {{en|know}} や {{en|have}} は状態を表すので一般的には進行相にならない)。また助動詞 {{en|be}} を過去形 {{en|was, were}} にすることにより、進行相の過去時制を表現することが可能である。
:*現在進行形の例:{{en|She ''is playing'' tennis.}}「彼女はテニスをしている。」
:*過去進行形の例:{{en|She ''was playing'' tennis.}}「彼女はテニスをしていた。」
 
====態====
英語の[[態]]は'''[[能動態]]''' ([[:en:Active voice|Active voice]]) と'''[[受動態]]''' ([[:en:Passive voice|Passive voice]]) があり、能動態においては動詞によって表される状態・動作を主語が行うことを表す。一方受動態は、主語が何らかの動作を「されている」ことを表す。受動態は「助動詞 {{en|be}} + 過去分詞」で表現され、その場合の真の動作主は {{en|by}} で導かれる前置詞[[句]] ([[:en:Adpositional phrase#Prepositional phrases|Prepositional phrase]]) によって表される。ただし、[[他動詞]] ([[:en:Transitive verb|Transitive verb]]) に限定され、能動態において目的語を取らない[[自動詞]] ([[:en:Intransitive verb|Intransitive verb]]) (例:{{en|stand}}「立つ」)は受動態にできない。また、助動詞 {{en|be}} を過去形 {{en|was, were}} にすることにより、受動態の時制を表現することが可能である。
 
*「能動態」の例:{{en|He built the dog house.}}「彼は犬小屋を造った。」
*「受動態」の例:{{en|The dog house ''was built'' (by him).}} 「犬小屋が(彼によって)造られた。」
 
これらの法・時制・相を組み合わせて複雑な時間軸・動作の表現をすることも論理上可能になる。
 
*例:{{en|He would say that the building had been being built.}}「彼は言うだろう、その建物は建設中であったと。」
**({{en|would}} は仮定法、{{en|had been}} が過去完了形、{{en|been being}} が進行形、{{en|being built}} が受動態)
 
====be動詞の活用====
原形は {{en|''be''}} である。仮定法過去においては人称に関係なく {{en|''were''}} となる(主語が {{en|you}}*以外の単数の場合は {{en|''was''}} が使われることもある)。過去分詞形は {{en|''been''}}、現在分詞、動名詞は {{en|''being''}} である。
 
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{{現代英語の人称代名詞とbe動詞}}
;例
*{{en|I'm Jim.}} 私はジムです。({{en|I'm=I am}})
*{{en|You're playing soccer.}} あなたはサッカーをしています。({{en|You're=You are}})
*{{en|She was young.}} 彼女は若かった。
*{{en|It's cold.}} 寒い({{en|It's=It is}})
*{{en|Is she a teacher?}} 彼女は先生ですか?
*{{en|What are those?}} あれらは何ですか?
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*不定詞のとき 例 {{en|Be sure to '''be''' there at ten.}} 10時には必ずそこに行きなさい。
*命令文のとき 例 {{en|'''Be''' quiet.}} どうか静かにしてくれ。
*要求・提案を表す動詞につづくthat節。ただし、[[イギリス英語]]ではshould+動詞の原形となる。 例 I demanded that they '''(should) be''' present at all classes. 私は彼らがすべての授業に出ることを要求した
 
===助動詞===