「代名詞」の版間の差分

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'''[[人称]]代名詞'''は話し手、受け手、および談話の中で指定された人や物を指す代名詞である。
 
一般に、話し手を指す'''[[一人称]]'''、受け手を指す'''[[二人称]]'''、それ以外の人、物を指す'''[[三人称]]'''に分けられ、[[数 (文法)|数]]が区別されることが多い。一部の言語では、[[性 (文法)|性]]も区別する。また、一部の言語(例えば[[アイヌ語]])で、この三種類のどれとも文法的に異なる人称(一人称複数包括形、不特定の一般の人に関する表現など)を'''[[四人称]]'''と呼ぶことがある。[[フランス語]]では一般の人を表すのに三人称単数の代名詞 onが用いられるが、これは文脈に応じて一人称または二人称の意味で用いられることも多い。
 
敬意や社会的な遠近により代名詞を使い分けることがある。例えば[[ヨーロッパ]]の諸言語では、一般に聞き手を表す代名詞に[[親称]]と[[敬称]]の二つが有る。[[フランス語]]では二人称単数tuの代わりに二人称複数vousを敬称として用いる。[[ドイツ語]]では二人称単数duおよび二人称複数ihrの代わりに三人称複数Sieを用いる(最初の字を[[大文字]]にする)。英語はかつてフランス語と同じように、二人称複数のyouを二人称単数[[thou]]の代わりに用いたが、thouが廃れてしまった。
 
一人称複数を、聞き手を含む場合(包括形)と聞き手を含まない場合(除外形)とで一人称複数を区別する言語がある。例えば[[インドネシア語]]では包括形がkita、除外形がkamiである。[[中国語]]の[[普通話]]では包括形が「{{Lang|zh|咱们}}」(咱們)、包括・除外どちらにも使えるのが「{{Lang|zh|我们}}」(我們)である。
 
中国語では、三人称単数は{{Lang|zh-Latn|tā}}で表すが、現代以降、<!--{{要出典範囲|欧米語に対する崇拝・事大意識から|date=2010年8月}}-->欧米語を倣って性別などにより「{{Lang|zh|他}}」(男性または不明)、「{{Lang|zh|她}}」(女性)、「{{Lang|zh|牠}}」(動物)、「{{Lang|zh|祂}}」(神)、「{{Lang|zh|它}}」(その他)と[[漢字]]を書き分けることがある。
 
日本語の場合、体系上の人称代名詞は「われ」「なれ(」「かれ」「だれ」であるが、実際には人称代名詞は[[敬語]]法などの[[待遇表現]]と密接に結び付いており、西洋語の人称代名詞のような使い方はできない。指し示される人物との社会的関係や場面によって、「自分」「あなた」などの人称代名詞を使い分けたり、「先生」、「社長」、「おじいさん」のような社会的身分を表す語で代用したりしなければならない。同様の複雑な人称代名詞の用い方は、[[ベトナム語]]、[[マレー語]]、[[ペルシア語]]などにも見られる。
 
人称代名詞は概して時代による変化が激しい。かつて上流で用いられた日本語の「貴様」は、口頭語に移行するとともに尊敬の意味が薄れ、一人称の「手前」が音変化とともに二人称に転じたなどがある。体系上の人称代名詞も例外ではなく、「われ」「なれ」は既に共通語の口語としては廃れ、元来性別と関係なかった「かれ」は男性に限定されるとともに恋人(男性)を指す用法も生じている。
 
==指示代名詞==