「ツキノワグマ」の版間の差分

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安全性
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:日本では古来より[[狩猟]]対象となっている。現代でも食用などに用いられ、特に[[胆嚢]]は[[生薬]]として珍重されている。{{main|熊肉|熊胆|マタギ}}
:現在は[[動物愛護管理法]]の[[特定動物]]、[[鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律|鳥獣保護法]]の[[鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律#狩猟鳥獣|狩猟鳥獣]]、[[絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律]]の[[希少野生動植物種#国際希少野生動植物種|国際希少野生動植物種]]とされている。狩猟が禁止されている地方自治体もあり一例として高知県で1986年、徳島県で1987年、四国全域・島根県・奈良県・広島県・三重県・山口県・和歌山県で1994年以降は狩猟が禁止されている<!-- 岡山県・兵庫県でも禁止されていると記述されているが、いつから禁止されているかは記述なし --><ref name="ishii"/>。
:家畜や農作物・人間への被害が発生している<ref name="obara"/>。ヒグマとは異なり、ツキノワグマは人間を襲って食べることは比較的少ない{{要出典|date=2016年6月}}。しかし出会い頭などで驚いた場合は人間を襲う場合がある。、日本ではツキノワグマが大量出没した2004年には全国で109人(うち死亡者2名)、2006年には145人(うち死亡者3名)、2010年には147人(うち死亡者2名)の被害者が報告されている<ref>[http://www.japanbear.sakura.ne.jp/cms/pdf/201203shinpohoukoku.pdf 日本のクマを考える 繰り返されるクマの出没・私たちは何を学んできたのか?―2010年の出没と対策の現状―報告書]</ref>。出没は森林内はもとより、森林と人間の居住エリアとの境界付近であることが多い。また、クマは背中を見せて逃げるものを追う習性があるため、出遭ってしまったときは、静かに後ずさりすべきである<ref>[http://www.env.go.jp/nature/choju/docs/docs5-4a/kids/full.pdf 環境省:クマに注意!-思わぬ事故をさけよう-]他</ref>。養蜂場や養魚場も熊による被害が大きい。
:日本では主に6 - 7月にカラマツ、スギ、ヒノキなどの樹皮を剥いで形成層を食べるため、林業における害獣とみなされている<ref name="watanabe"/>。全周剥皮では枯死、部分剥皮では剥皮が大規模なら衰弱し、腐食などにより材木の価値が下がるなどの被害が生じる<ref name="watanabe"/>。樹皮剥ぎの理由はよく分かっておらず、食物が乏しいため樹皮を食用とする説、繁殖行動のためのメスの誘引などの説がある<ref name="watanabe"/>。樹皮剥ぎの被害は[[西日本]]の[[太平洋]]側が中心と言われてきたが<ref name="watanabe"/>、近年では西日本の[[日本海]]側や[[東北地方]]でも深刻なことが確認されている<ref>{{cite journal|author=北原英治ほか|year=1997|title=ツキノワグマによる林木剥皮被害|journal=森林総合研究所関西支所年報|volume=第38号|publisher=[[森林総合研究所]] 関西支所|url=http://www.ffpri.affrc.go.jp/fsm/research/pubs/nenpo/past/38_03.html}}</ref>。1998 - 2000年に岐阜県で行われた糞の内容物・血中尿素濃度・血中ヘモグロビン濃度の調査では[[ウワミズザクラ]]の果実の比率が下がる年は針葉樹の樹皮の比率が上昇したこと・樹皮の比率が上昇した年は血中尿素濃度が高く血中ヘモグロビン濃度が低いことから、凶作により栄養状態の悪い年には樹皮剥ぎを行われることを示唆する報告例もある<ref>吉田洋, 林進, 堀内みどり, 坪田敏男, 村瀬哲磨, 岡野司, 佐藤美穂, 山本かおり 「[http://doi.org/10.11238/mammalianscience.42.35 ニホンツキノワグマ (''Ursus thibetanus japonicus'') によるクマハギの発生原因の検討]」、『哺乳類科学』 第42巻 1号、日本哺乳類学会、2002年、35-43頁。</ref>