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{{旧約聖書}}
'''諸書'''(しょしょ/[[ヘブライ語]]:כְּתוּבִים)とは、[[ヘブライ聖書]](תנ"ך)に収められた二十四巻([[キリスト教]]では旧約三十九巻に含まれる)をカテゴリーごとに分類する際に用いられる[[ユダヤ教]]の概念である。
 
== 序列 ==
 
ユダヤ教の伝統では、諸書には以下の十一巻が含まれる。
 
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== サブ・カテゴリー ==
 
また、上記の書物はサブ・カテゴリーによって更に分類されている。
 
* エメット(אמ"ת):『詩篇』、『箴言』、『ヨブ記』。
*: この呼称はそれぞれの書物の頭文字、'''א'''יוב(『ヨブ記』)、'''מ'''שלי(『箴言』)、'''ת'''הלים(『詩篇』)から取られた造語で、普通名詞のאֱמֶת(エメット:真実)になぞらえられている。これらの書物は詩文学に相当するのだが、この三文献でのみ用いられる独自の[[タアミーム]](抑揚記号)や詩文学特有の段落の配置といった点で、マソラ学者たちの解釈に大きく依存している。
 
: この呼称はそれぞれの書物の頭文字、'''א'''יוב(『ヨブ記』)、'''מ'''שלי(『箴言』)、'''ת'''הלים(『詩篇』)から取られた造語で、普通名詞のאֱמֶת(エメット:真実)になぞらえられている。これらの書物は詩文学に相当するのだが、この三文献でのみ用いられる独自の[[タアミーム]](抑揚記号)や詩文学特有の段落の配置といった点で、マソラ学者たちの解釈に大きく依存している。
 
* [[メギッラー|ハメシュ・ハ=メギロット]](五つの巻物):『雅歌』、『ルツ記』、『哀歌』、『コヘレトの言葉』、『エステル記』。
*: このカテゴリーは、アシュケナジーの社会においては典礼の習慣や写本の伝承などで伝統的に用いられており、これらの書物に関する[[ミドラーシュ]]の編成に拠っている。ただし、[[マソラ本文|マソラ写本]]やセファルディムと[[ミズラヒム]]の伝統では、このカテゴリーは存在しない。
 
『ダニエル書』、『エズラ/ネヘミヤ記』、および『歴代誌』は、諸書の範疇に組み入れられてはいるものの、上記あるいは固有のサブ・カテゴリーには分類されていない。[[タルムード]]によれば、これらの書物は他の聖書文献に比べて成立年代が遅かったとされており、実際これらの書物では聖書時代史のより後期の出来事が記録されている。『エズラ/ネヘミヤ記』は明らかに『歴代誌』の続編と見なすことができる。また、『ダニエル書』と『エズラ/ネヘミヤ記』では、[[アラム語]]による執筆箇所がかなりの部分を占めている。
: このカテゴリーは、アシュケナジーの社会においては典礼の習慣や写本の伝承などで伝統的に用いられており、これらの書物に関する[[ミドラーシュ]]の編成に拠っている。ただし、[[マソラ本文|マソラ写本]]やセファルディムと[[ミズラヒム]]の伝統では、このカテゴリーは存在しない。
 
『ダニエル書』、『エズラ/ネヘミヤ記』、及び『歴代誌』は、諸書の範疇に組み入れられてはいるものの、上記あるいは固有のサブ・カテゴリーには分類されていない。[[タルムード]]によれば、これらの書物は他の聖書文献に比べて成立年代が遅かったとされており、実際これらの書物では聖書時代史のより後期の出来事が記録されている。『エズラ/ネヘミヤ記』は明らかに『歴代誌』の続編と見なすことができる。また、『ダニエル書』と『エズラ/ネヘミヤ記』では、[[アラム語]]による執筆箇所がかなりの部分を占めている。
 
== 定義 ==
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* 諸書は[[聖霊]]の力によって書かれた書物である。
 
『ダニエル書』、『エズラ/ネヘミヤ記』、および『歴代誌』には預言書として分類されるに相応しい要素が含まれているのだが、成立年代の観点からすれば相応しくないとされている。ラムバム([[モーシェ・ベン=マイモーン|ラビ・モーシェ・ベン・マイモーン]])は著書『[[迷える人々の為の導き]]』のなかでその理由について述べている。いわく、---これらの書物を成立に至らしめたインスピレーションは聖霊による力と同種のもので、それによって一つのカテゴリーを形成するに至った。対する預言書は、あくまでも預言によって成立しているため、それ固有のカテゴリーに属しているのである---。
 
== 関連項目 ==