「預金通帳」の版間の差分

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この副印鑑を巡っては、預金通帳を窃取し、副印鑑の印影を電子的に複写して払戻請求書を偽造し、不正な支払いを受ける事件が度々発生した。その際の金融機関の払戻しの過誤を争った預金者の訴訟が提起されるようになるが、[[1998年]](平成10年)前後の事件までは、印影の照合に過失が無いと認められた場合には、[[民法第478条]]を適用して金融機関の免責を認める判決が主だった。しかし、副印鑑から印影を偽造する手口が知られる様になり、以後は金融機関の側に厳正な印影照合と本人確認の責任を課して、手続きに過失が認められた場合には預金復元を命じる判決が言い渡されるケースが増えた。
 
判例が預金者保護の方向で定着したことから、金融機関においては各店舗で管理される印鑑票の印影自体をオンライン参照するシステムへの移行を進め(もしくは払戻しの取扱い店舗を取引店に限定し)、通帳への副印鑑の表示は[[2000年]](平成12年)前後<!--年代については曖昧なので詳しい方の加筆を願います。-->から急速に廃止されていった。ただし、[[2007年]][[10月1日]]に営業開始された[[ゆうちょ銀行]]ではシステムの導入自体は検討されてはいたものの、民間金融機関の店舗数はせいぜい数百程度なのに対しゆうちょ銀行の取扱店舗数は、[[銀行代理店]]である[[郵便局]]の貯金窓口や[[日本郵便]]([[2012年]][[10月1日]]付で、[[郵便局 (企業)|郵便局]]から社名変更)からの再委託による銀行代理店である[[簡易郵便局]]の貯金窓口を含めると、25000店舗以上という店舗数の違いもあり、システムの規模や店舗における照合装置などのコスト面等々の問題から、民営化後も、長年、印影のオンライン参照システムを導入せず、従来同様、通帳の副印鑑表示と目視にて照合する運用を継続していた。
 
しかし、[[2013年]][[6月3日]]から、通帳に貼り付けられている副印鑑を廃止すると発表し、ゆうちょ銀行・郵便局の貯金窓口にて印鑑登録を行うことで、これまで通り全国で口座貯金の取引ができるようになった<ref name ="jpbank_haishi">{{Cite press release|url = http://www.jp-bank.japanpost.jp/news/2013/news_id000931.html|title = 通帳への副印鑑貼付の廃止について|publisher = 株式会社ゆうちょ銀行|date = 2013-05-27|accessdate = 2013-06-07}}</ref>。廃止前は新規申込み時や通帳の再発行時、若しくは、預金者から要望があった場合のみ、副印鑑の印影をスキャナ等で取り込みにくくするための保護シールを貼付することで対応していたが、このシールの実用性はほとんどないので、預金者が通帳を盗まれないようにすることが大切である。この取扱いの廃止に伴って副印鑑を取り外す際には、窓口での印鑑登録の有無を確認する必要があるため、自身で勝手に副印鑑を通帳から剥がしてはいけない<ref name ="jpbank_haishi" />。なお、[[振替口座]]については、元々通帳がないことに加えて、払入店および払出店として届けているゆうちょ銀行ないしは郵便局の貯金窓口でのみ届出印鑑の照合ができる状態であるため、今般の副印鑑廃止の対象には含まれておらず、届け出ている拠点以外での手続きは基本不可能のままである
 
なお、各民間金融機関とも現行の通帳においては通例、副印鑑の表示が廃止されているが、従来発行された通帳に残存した副印鑑や、共通式印鑑票の預金者控などにより印影が第三者に漏洩する可能性があり、従来の副印鑑等についても厳重な管理(または処分)が必要である。また、現行で副印鑑表示のある通帳と、副印鑑を廃止した通帳の両方を持っている場合は、それぞれ別の印章を使用したほうが安全である。同じ印章を使用していた場合、副印鑑表示のある通帳からスキャンした印影で、別の口座の預金まで詐取される恐れがある。