「忠臣蔵」の版間の差分

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Dr jimmy (会話 | 投稿記録)
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一方小説は1950年の榊原潤の『生きていた吉良上野介』を皮切りに、村上元三の『新本忠臣蔵』(1951年)、[[大佛次郎]]の『四十八人目の男』など友情や恋、自立などを描いた忠臣蔵ものが発表され<ref name="miyazawab230" />、その後も[[舟橋聖一]]の『[[新・忠臣蔵]]』(1956年~)、[[山田風太郎]]の『妖説忠臣蔵』(1957年)、[[五味康祐]]の外伝物『[[薄桜記]]』(1959年)、[[尾崎士郎]]の『吉良の男』(1961年)など続々と忠臣蔵ものが書かれている<ref name="miyazawab230" />。
 
東京オリンピックの年である1964年になるとNHK[[大河ドラマ]]『[[赤穂浪士 (NHK大河ドラマ)|赤穂浪士]]』が最高視聴率53.0%に達する<ref>[[#谷川(2013)|谷川(2013)]] p331</ref>など国民的にヒットし、忠臣蔵の主力が映画からテレビへと移る<ref>[[#谷川(2013)|谷川(2013)]] p315</ref>。その後年末になると毎年のようにテレビで忠臣蔵ものの新作の放映もしくは再放送が行われている。
 
1980年代になると再び忠臣蔵の関心が高まり、1982年にはNHK大河ドラマ『[[峠の群像]]』が作られ、また[[森村誠一]]が浪士達の人間的な側面を強調した『忠臣蔵』を描き、ブームの一翼を担った<ref name="miyazawab240" />。[[井上ひさし]]や[[小林信彦]]もそれぞれ脱落者を描いた『不忠臣蔵』、赤穂事件の不条理な面を浮き彫りにした『裏表忠臣蔵』を書いている<ref name="miyazawab240" />。
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同時期に[[丸谷才一]]の『忠臣蔵とは何か』で忠臣蔵を御霊信仰と結び付けた論考に端を発するいわゆる「忠臣蔵論争」が起り、諏訪春雄が『忠臣蔵の世界』、『聖と俗のドラマツルギー』で丸谷の説に反論するなどした<ref>[[#元禄(1999)|元禄(1999)]] p216-217</ref><ref name="miyazawab240">[[#宮澤(1999)|宮澤(1999)]] p240-244</ref>。
 
1992年には[[池宮彰一郎]]による『[[四十七人の刺客]]』が登場する。本作では吉良暗殺の「刺客」としての赤穂浪士を描き、たとえば吉良による浅野の苛めは赤穂浪士側のブラックプロパガンダとするなど情報戦としての側面も描かれた。1994年には同じく池宮彰一郎の『[[最後の忠臣蔵]]』が書かれ、討ち入り後の世界を舞台に寺坂吉右衛門や脱盟者などのその後を描いた。1999年には忠臣蔵を題材としたNHK大河ドラマ『[[元禄繚乱]]』が作られた。
 
そして2013年にはハリウッドで忠臣蔵を換骨奪胎したファンタジー映画[[47RONIN]]が描かれている