「モルゴス」の版間の差分

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彼のその絶大な力は、原初のアルダの形成期の時に最も発揮された。彼は自身の欲望や目的に沿うように捻じ曲げようとし、各所で盛んに火を燃やしたのである。そして若いアルダが炎で満ちると、そこを我が物にしようとした彼は、他のヴァラールがアルダを形造ろうとするのを妨害し始めた。彼らが陸地を造り上げると、メルコールが破壊し、彼らが谷を穿つとメルコールが埋め戻してしまった。山々を積み刻み上げると、メルコールがこれを崩した。海を作るため深く掘ったなら、メルコールが海水を周囲に溢れさせてしまった。かくの如くヴァラールが仕事を始めても必ず、それを元に戻すか損ねてしまったのである。このためアルダは当初ヴァラールが思い描いていたものとは異なるものに仕上がってしまった。これらの混乱が統御されるのは大分後の事となる。
 
彼はその強大な力を用いて2つの山脈を隆起させた。中つ国の極北に造られた[[中つ国関連の記事のカテゴリー別一覧#鉄山脈|鉄山脈]](エレド・エングリン)と、中つ国の南東部に造られた[[中つ国関連の記事のカテゴリー別一覧#霧ふり山脈|霧ふり山脈]](ヒサイグリア)である。前者は彼の最初の大規模地下要塞である[[ウトゥムノ]]の防壁として築かれ、後者は狩人神[[オロメ]]が中つ国内部に分け入るのを妨げるために築かれた。また後者は、『ホビットの冒険』及び『指輪物語』にも登場し、[[トーリン・オーケンシールド|トーリン]]達や[[フロド・バギンズ|フロド]]達一行が霧ふり山脈越えを敢行しようとしたことや、ドワーフが[[モリア (トールキン)|モリア]]の王国を山脈内に築いたことでも知られる。また[[アマン (トールキン)|アマン]]から帰還した直後に鉄山脈の南側に、第二の大規模地下要塞として造り直される[[アングバンド]]を掘った時に出た大量の土砂と礫、それと地下溶鉱炉から出た大量の灰や鉱滓を積み上げた、[[サンゴロドリム]]の塔と呼ばれる連峰を築くことになる。第二代冥王となったサウロンが精々山を破壊できる程度の力であるのと比べれば、最強のアイヌアである彼の力が如何程のものであったかがこの事からもわかるだろう。
 
彼は、山々の頂から山々の下なる深い溶鉱炉に至るまで、冷気と火を支配していた。そして彼が座している所には暗黒と影が周囲を取り巻いており、その暗闇は優れた眼を持つマンウェとその召使たちでさえも見通すことは出来なかったという。またイルーヴァタールから人間が贈り物として賜った"死"に、影を投げかけて暗黒の恐怖と混同させ、"死"を忌避すべきものとしてしまったのも彼の仕業であった。