「預金通帳」の版間の差分
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預金通帳は預金証書同様、あくまでそれ自体の譲渡が債権の移動を伴うものではなく、[[有価証券]]とは異なる([[証拠証券]]と言う)。なお、預金通帳を発行する代わりに、銀行取引明細書(バンクステートメントなどとも称する)を発行する銀行もある。
通常、[[印紙税]]が発生する文書(課税文書)であることから、[[収入印紙]]を直接貼る通帳を利用する銀行
日本以外の国では通帳が存在せず残高は[[インターネットバンキング|インターネット]]か月に一度送られてくる明細([[:en:Bank statement]])で確認するか、通帳の作成・保持が有料の場合が多い。
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金融機関における預金業務のオンライン化が開始され、取引店以外における預金の払戻しが取扱われ始めて以降、預金通帳内には副印鑑(届出印と同一の印影)が表示され、取引店以外の窓口においても、副印鑑と払戻請求書にある印影とを照合して払戻請求者と預金者の同一性を確認していた。
この副印鑑を巡っては、預金通帳を窃取し、副印鑑の印影を電子的に複写して払戻請求書を偽造し、不正な支払いを受ける事件が度々発生した。その際の金融機関の払戻しの過誤を争った預金者の訴訟が提起されるようになるが、[[1998年]]
判例が預金者保護の方向で定着したことから、金融機関においては各店舗で管理される印鑑票の印影自体をオンライン参照するシステムへの移行を進め(もしくは払戻しの取扱い店舗を取引店に限定し)、通帳への副印鑑の表示は[[2000年]]
しかし、[[2013年]][[6月3日]]から、通帳に貼り付けられている副印鑑を廃止すると発表し、ゆうちょ銀行・郵便局の貯金窓口にて印鑑登録を行うことで、これまで通り全国で貯金の取引ができるようになった<ref name ="jpbank_haishi">{{Cite press release|url = http://www.jp-bank.japanpost.jp/news/2013/news_id000931.html|title = 通帳への副印鑑貼付の廃止について|publisher = 株式会社ゆうちょ銀行|date = 2013-05-27|accessdate = 2013-06-07}}</ref>。廃止前は新規申込み時や通帳の再発行時、若しくは、預金者から要望があった場合のみ、副印鑑の印影をスキャナ等で取り込みにくくするための保護シールを貼付することで対応していたが、このシールの実用性はほとんどないので、預金者が通帳を盗まれないようにすることが大切である。この取扱いの廃止に伴って副印鑑を取り外す際には、窓口での印鑑登録の有無を確認する必要があるため、自身で勝手に副印鑑を通帳から剥がしてはいけない<ref name ="jpbank_haishi" />。
== 無通帳口座 ==
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企業においては 1日何十件という、あっという間に冊子式通帳を使い切ってしまうほどの取引があり、インターネットや携帯電話が普及する前の[[1980年代]]から、冊子式通帳を用いないシステムを金融機関から導入していた。「ファームバンキング」(エレクトリックバンキングの一種)と呼ばれるもので、企業のホストコンピュータと金融機関のホストコンピュータを通信回線で結び専用端末と専用ソフトウェアを使って、[[送金]]・振替・残高照会・給与振込・税金納付などの取引や取引情報(入金確認を含む)の照会を行えるものである。このシステムにおいて、通帳の代わりとなる物はプリンタから出力する取引明細(入出金明細)である。個人版もあり「ホームバンキング」と呼ばれる。近年は企業用・個人用ともにインターネットの普及でより手軽なインターネットバンキングへの乗り換えが進んでいる。
銀行によっては、普通預金では、入金照合票の発行やリーフ口の名称で通帳を発行しないケース(キャッシュカードは発行する場合もある)や、当座預金についても、窓口で入金の際に用いる帳票である入金帳や、ATMや取引店以外の店舗でも入金可能な当座勘定入金帳あるいは当座預金入金通帳を発行して、入金帳(入金通帳)を用いて入金した部分のみを記帳する形をとるケースもある。金融機関によっては、ATM入金専用カードを発行するケースもある
=== 個人口座への導入 ===
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記帳をこまめに行わない顧客に対しては、各金融機関の判断により、「おまとめ記帳」・「圧縮記帳」等の名称で、記帳していなかった期間の入出金総額のみを記帳し、取引の流れを省略して記帳するケースも出てきている(その間の明細は、別紙で発行可能なケースが多いが、発行にあたり有償となる金融機関も存在する)。この場合は、未記帳項目数が一定の行数を超えた時点で自動的に行われる場合と、未記帳項目が各金融機関が設定した回数に達していて、事前予告した日時までに記帳しなかった場合に行うケースとがある。
近年では、窓口営業時間外に満行になった通帳の繰り越しができない不便さに対する便宜をはかる意味で、主に、総合口座通帳や普通預金通帳を支店内に設置されたATMで、稼働時間内であればいつでも繰越できるようにしている金融機関もみられる([[労働金庫]]の一部店舗外ATMのように、店舗外でもできる拠点を設定する金融機関も存在する)。これにより、入出金に冊子式通帳を用いない預金者、インターネットバンキング等の活用により預貯金口座の入出金明細を冊子式通帳で参照することを重視しない預金者、[[窃盗|盗用]]や不正引出の懸念から冊子式通帳の発行自体を望まない預金者など、預金取引に冊子式通帳を必要としない顧客層も存在する。▼
▲近年では、窓口営業時間外に満行になった通帳の繰り越しができない不便さに対する便宜をはかる意味で、主に、総合口座通帳や普通預金通帳を支店内に設置されたATMで、稼働時間内であればいつでも繰越できるようにしている金融機関もみられる
一方、冊子式通帳は顧客において保管される媒体であり、折れ、損傷、汚損、[[磁気]]消失などは特に安定した機械処理に不具合を招きやすい。また、[[紙]]を用いた現物としての情報処理媒体であり、その入出力システムの管理は、記帳する情報の蓄積や、通帳冊子の作成、配備も含めて、金融機関側にとって一定の負担となることも事実である。また、[[印紙税]]の負担もかなりの額にのぼるため(会社法に基づく法人が発行する通帳の場合、通帳1冊の発行につき年間定額の印紙税を発行元の法人は納付する義務が発生する)、インターネットで取引明細が参照でき通帳を発行しない形態に申し込むまたは切り替える事でATM手数料が無料や振込手数料が無料もしくは振込手数料が優遇割引になるなどのサービスも出ている。一部の銀行では、これらとは別に、一般の店舗でインターネットバンキングの申し込みをしたうえで、ログイン画面で手続きすれば、以降の取引がキャッシュカードによるATM利用とインターネットバンキングの利用に限定される形で、通帳発行を行わないサービスを提供している銀行も存在するが、窓口でのサービスが一切利用できなくなるケースもある(キャッシュカードの紛失など、重大性の高い取引を除く)。また、このようなシステムを採用する銀行の場合は、通帳レス取引から通帳発行に戻す場合は、通帳の発行手数料(紛失時の再発行と同様の体系扱い)を徴収する場合もある。▼
▲一方、冊子式通帳は顧客において保管される媒体であり、折れ、損傷、汚損、[[磁気]]消失などは特に安定した機械処理に不具合を招きやすい。また、[[紙]]を用いた現物としての情報処理媒体であり、その入出力システムの管理は、記帳する情報の蓄積や、通帳冊子の作成、配備も含めて、金融機関側にとって一定の負担となることも事実である。また、[[印紙税]]の負担もかなりの額にのぼるため(会社法に基づく法人が発行する通帳の場合、通帳1冊の発行につき年間定額の印紙税を発行元の法人は納付する義務が発生する)、インターネットで取引明細が参照でき通帳を発行しない形態に申し込むまたは切り替える事でATM手数料が無料や振込手数料が無料もしくは振込手数料が優遇割引になるなどのサービスも出てい
== 郵便貯金とゆうちょ銀行の貯金 ==
=== 郵政省・総務省・日本郵政公社時代 ===
[[ファイル:郵貯 縦型通帳.jpg|thumb|300px|郵便貯金時代(郵政省時代の様式)の通帳の一部]]
郵便貯金では[[郵便貯金総合通帳]]に、[[郵便貯金#通常郵便貯金|通常貯金]]、[[郵便貯金#担保定額郵便貯金|担保定額貯金]]及び[[郵便貯金#担保定期郵便貯金|担保定期貯金]]の預払いを記録する。取引毎に[[主務者印]]が押されていたが、2001年
見開きページには、記号番号と名義人の他、所管する[[貯金事務センター]]名と通帳名義人の住所が印字された(貯金事務センター名については、[[日本郵政公社]]名以降の通帳では印字されなくなった)。見開きページの名義人は、総務省時代までの通帳は漢字表記、日本郵政公社名の通帳ではカタカナ表記となっていた。表紙の名義人表示は、総務省名の通帳になってから機械印字となっていたが、郵政省名の通帳では、再発行を担当した貯金窓口係員による手書きとなっていた。
[[郵政省]]から[[総務省]]に所管が変更された[[省庁再編]]時に通帳の様式が変わり、銀行に類似するようになった。ただし、[[ゆうちょ銀行]]に移行した現在でも、[[2015年]]頃から一部の拠点で導入が始まった新型ATM利用時を除けば、郵政省時代の通帳もATMで利用できるようになっている(全銀システム接続に伴い、[[2009年]]4月以降に郵政省時代の通帳を窓口に差し出した場合、他行からの振込用の口座番号が郵政省時代の様式では印字出来ないという理由から、強制切替(ゆうちょ銀行では、紛失等ではないものの、「繰越」とは言わず、「再発行」と称する。なお、再発行後の通帳の取引欄1ページ1行目の預入額欄に表示される摘要表示は「繰越高」と表示される
上述のように、[[2015年]]ごろから、郵政省時代の通帳が利用できないATMが順次導入されており、当該ATM利用時は、キャッシュカードを利用して、後日他の対応したATMで記帳するか(あるいは、最初から対応するATMで取引を行うか)、[[総務省]]以降に発行された通帳に再発行する必要がある。
=== ゆうちょ銀行に移行後 ===
[[郵便貯金総合通帳]]は、順次[[総合口座通帳]]に移行している。ただし、[[郵便貯金総合通帳]]に定額貯金ないしは定期貯金が組み込まれて貯金していた場合、あるいはゆうちょ銀行移行後に、同通帳で定額貯金ないしは定期貯金を利用する場合は、ATMを含めて利用不可とする措置を執ったため(民営化前に預け入れを行った定額貯金や定期貯金は、ゆうちょ銀行への移行の対象とはならないため
通常郵便貯金からリニューアルした、通常貯金のフォーマットは変更はない。最終ページに6桁の[[ナンバリング]]がスタンプされていたものがあらかじめ[[バーコード]]印字されたものに変更となっており、ナンバリングは裏表紙に別途機械印字され、横に[[バーコード]]が別途機械印字されている。
また、銀行名と印紙税申告納付の記載が見開きページになされている。これまでは、事業主体名・所在地(「日本郵政公社」など)の記載はなかったが、一般の金融機関同様、'''「通帳作成地」'''として、霞が関の本社の住所が記載されている(丸の内の本店ではない)。また、民営化に伴い印紙税の納付義務が生じたことから、前述のように「印紙税申告納付につき麹町税務署承認済」という表示もなされている。
ゆうちょ銀行移行後も長らく残っていた[[副印鑑]]については、[[2013年]][[6月3日]]に廃止されたため、以降、従来からの利用者については窓口にて手続を行うことで、印鑑の貼付がない状態の通帳とすることができるようになった(はがした跡には、「副印鑑を廃止しました」というシールが貼付される)。上述した旧郵政省名通帳の差替再発行ないしは満行に伴う再発行(一般の銀行の「繰越」)を行う場合は、副印鑑廃止(印鑑登録の手続き)も同時に行う必要がある。副印鑑廃止日後に発行される通帳は、お届け印の欄に「副印鑑を廃止しました ゆうちょ銀行」というシールを張った状態の在庫(拠点により、貼らない場合もある)を吐き出した後に、お届け印欄のない通帳が発行されるようになった。
名義人の住所の印字も継続して行われていたが、個人情報保護などの観点から、[[2015年]][[10月1日]]以降に再発行(または、新規発行)される通帳から、おところ欄に住所を印字しない措置を取り始め、おところ欄のある従来の通帳の在庫がなくなり次第、おところ欄のない通帳が発行されることになった。それ以外については、ほぼ民営化前と同様である。
[[2016年]][[3月6日]]より、ゆうちょダイレクトプラスのサービスを開始し、希望により、総合口座通帳から貸越機能を取り除いた状態を条件(総合口座の定額貯金や定期貯金の預入自体は可能)として、通帳の発行を行わないサービスを開始した。これにより、ゆうちょダイレクトプラスの契約と併せて通帳を発行しない事を条件に、ゆうちょ銀行の取引開始がメールオーダーで出来るようになった。
== 通帳記入 ==
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== 磁気バーの様式 ==
通帳には磁気バー(磁気テープ)がついており、機器が口座番号を読み取るのに使用する。通帳のサイズは、各金融機関でだいたいNCR2000号通帳と呼ばれる規格に統一されている
=== 通帳磁気ストライプの種類 ===
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