「ブラック・ジャック」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
ラクシュミー・バーイ (会話) による ID:64679529 の版を取り消し 無くても通じる
48行目:
 
== 医学描写 ==
本作には、医学的リアリティと大胆なフィクションが並存しているが、これは医学的事実よりも物語性を優先した、手塚の作劇術の一環である。異星人やミイラ、幽霊、しまいには無機物だが感情を持つコンピュータを手術するなどという突飛な設定の話も存在する。架空の病気も登場したほか、ブラックジャックやピノコの医学的設定も現代の医療技術をも超越している。ブラックジャックがスターシステムで登場する別作品『ミッドナイト』では、ブラックジャック本人に人間の脳交換手術について「その様な事は漫画だから可能だ」と言わせている。手塚治虫自らが語る所によると、当時東大医学部の学生から嘘を書くなと抗議の手紙をもらったとの事である。それに対して手塚は、東大生ともあろうものが、漫画に嘘があることすら知らないのかとコメントしている<ref>[[講談社]]手塚治虫漫画全集『ブラック・ジャック』18巻あとがき</ref>。
 
手塚は医師免許を持ってはいたが、医学的知識は昭和20年代(1945年から1954年)にとどまっており、外科医としての臨床経験がほとんどなかった<ref>手塚眞『天才の息子 ベレー帽をとった手塚治虫』[[ソニー・マガジンズ]]、2003年、p218</ref>。ブラックジャックの連載に当たり、医学書を買い込み独学したり、医療関係者に取材してはいたものの、劇中で治療困難な症例として扱われているものが、実際には連載当時の医療技術でも治療可能な症例であるというミス<ref>B・J症例検討会『ブラック・ジャック・ザ・カルテ』海拓社、2001年、p32 - p35, p48 - p51およびp58 - p61</ref>や、医学用語のミス<ref>安藤健二『封印作品の謎』太田出版、2004年、p165 - p166</ref>を多発していた。中でも[[精神外科#.E3.83.AD.E3.83.9C.E3.83.88.E3.83.9F.E3.83.BC|ロボトミー]]に関する描写では糾弾を受け、新聞に謝罪文を掲載、連載中止の話まで出たという<ref>安藤健二『封印作品の謎』太田出版、2004年、p176 - p182</ref><ref>[http://www.cc.kyoto-su.ac.jp/~nadamoto/work/199301B.htm マンガと差別] - 『マンガ環境・現代風俗〈’93〉』所収</ref>。