「モリのアサガオ」の版間の差分

編集の要約なし
| 終了日 = [[2007年]]4月
| 発表期間 =
| 巻数 = 全8巻(本編7巻+番外編1巻
| 話数 = 全161話
| その他 =
| インターネット =
}}
{{漫画}}
『'''モリのアサガオ'''』は[[2004年郷田マモラ]][[4月]]から[[2007年]]4月まで「[[漫画アクション]]」([[双葉社]])連載されたよる[[郷田マモラ日本]]の漫画作品。
 
== 概要 ==
[[死刑制度]]テーマで、に取り上げたヒューマン作品。[[刑務官]]や死刑囚、被害者家族などの心の交流や葛藤が、綿密な取材に基づき描かれている。
 
[[2007年|平成19年]]度[[文化庁メディア芸術祭]]マンガ部門大賞受賞<ref>[http://plaza.bunka.go.jp/festival/2007/manga/000835/ 2007年 文化庁メディア芸術祭 マンガ部門 大賞 モリのアサガオ | 文化庁メディア芸術プラザ]</ref>。
 
[[2010年]][[テレビ東京]]にてドラマ化され、[[10月18日]]から[[12月20日]]まで放送された。さらに、[[生野慈朗]]監督、[[ギャガ・コミュニケーションズ]]配給による映画化が決定しているが、[[2015年]]現在制作には至っていない<ref>[http://www.cinemacafe.net/movies/cgi/20672/ cinemacafe.net 映画/モリのアサガオ 映画作品情報]</ref>。
 
== あらすじ ==
 
== 登場人物 ==
=== 主要人物 ===
; 及川直樹 [[看守]]
: 本作の[[主人公]]。[[1981年]][[8月10日]]生まれ。
: 本作の主人公。[[大阪市]]根古田区なにわ[[拘置所]](ドラマでは東京西拘置所)の死刑囚舎房の処遇部に配属された新人刑務官。[[1981年]][[8月10日]]生まれ。山本憲人元死刑囚の息子として生まれ、及川正道元刑務官の[[養子]]になった。人一倍優しい性格のため、養母・佐和子は刑務官として務まるか心配している。少年時代は[[野球]]チームに所属していたが、小柄で体力が無く、周りに付いて行けずに辞めることを考えたが、チームメイトであった渡瀬満に励まされ、野球を続けた。恋人の沢崎麻美が勤務先の新聞社に[[ソウル特別市|ソウル]]転勤を勧められたため、下見に付き添うために[[パスポート]]取得に必要な[[戸籍謄本]]を取得したところ、山本憲人元死刑囚の息子であることが判明した。復讐殺人については肯定はしていないが、同情的である。
: [[大阪市]]根古田区なにわ[[拘置所]](ドラマ版では東京西拘置所)の死刑囚舎房の処遇部に配属された新人刑務官。山本憲人元死刑囚の息子として生まれ、及川正道元刑務官の[[養子]]になった。人一倍優しい性格のため、養母・佐和子は刑務官として務まるか心配している。
: 少年時代は[[野球]]チームに所属していたが、小柄で体力が無く、周りに付いて行けずに辞めることを考えたが、チームメイトであった渡瀬満に励まされ、野球を続けた。恋人の沢崎麻美が勤務先の新聞社に[[ソウル特別市|ソウル]]転勤を勧められたため、下見に付き添うために[[パスポート]]取得に必要な[[戸籍謄本]]を取得したところ、山本憲人元死刑囚の息子であることが判明した。復讐殺人については肯定はしていないが、同情的である。
; 沢崎麻美
: 本作の[[ヒロイン]]。及川の恋人。東陽新聞社会部記者。
: 及川の恋人。東陽新聞社会部記者。事件被害者や遺族への対応がなっていないことを日頃から憤慨している。その一方で、復讐殺人については、「どんな理由があっても許されない」としている。
: 芯の強い性格。事件被害者や遺族への対応がなっていないことを日頃から憤慨している。その一方で、復讐殺人については、「どんな理由があっても許されない」としている。
; 吉岡小春
: 渡瀬満の妹。旧姓は渡瀬。児童養護施設「竹の花園」職員。幼い頃に両親を目の前で殺害された。それ以来、事件の後遺症により[[失声症]]を患っている
: 心優しい性格。幼い頃に両親を目の前で殺害されて以来、事件の後遺症として[[失声症]]を患っている。
; 望月加奈 看守
 
: 東京拘置所処遇部の刑務官。及川に想いを寄せていたが、及川と渡瀬の固い友情を見て「付け入る隙が無い」と諦め、その後会社員と結婚した。
=== 東京拘置所 ===
; 藤間貴子
==== 処遇部 ====
: 及川と沢崎の行きつけのバー「パパゲーナ」のママ。
; 望月加奈
; 里中和明 [[看守部長]]
: 及川より少し年上。当初は及川に想いを寄せていたが、渡瀬との固い友情を見て「付け入る隙がない」と諦め、その後は別の会社員と結婚した。
: 東京拘置所処遇部刑務官。「復讐の連鎖を断ち切るためにも死刑は必要」と考える死刑肯定派で、死刑囚に対しては厳しく当たる。
; 里中和明
; 後藤了 主任看守
: [[看守部長]]「復讐の連鎖を断ち切るためにも死刑は必要」と考える死刑肯定派で、死刑囚に対しては厳しく当たる。
: 東京拘置所処遇部刑務官。星山の処刑の際に星山が絶叫しながら死んでいったことに対し、「国の命令とはいえ殺人の片棒をかついでしまった」と罪悪感に苛まれ退職した。
; 後藤了
; 谷崎俊幸 副看守長
: 主任看守。星山の処刑の際に星山が絶叫しながら死んでいったことに対し、「国の命令とはいえ殺人の片棒をかついでしまった」と罪悪感に苛まれ退職した。
: 東京拘置所処遇部刑務官。「刑務官は死刑囚の身の回りの世話をしたり話相手になったりするサービス業」と考えている。
; 谷崎俊幸
; 若林勇三 看守長
: 副看守長。「刑務官は死刑囚の身の回りの世話をしたり話相手になったりするサービス業」と考えている。
: 東京拘置所処遇部刑務官。被害者やその遺族のためにも死刑は必要であると思っているが、同時に自分の罪を心から反省している加害者を死刑に処するのが本当に正しいかどうかは答えが出せないでいる。
; 若林勇三
: 看守長。被害者やその遺族のためにも死刑は必要であると思っているが、同時に自分の罪を心から反省している加害者を死刑に処するのが本当に正しいかどうかは答えが出せないでいる。
 
==== 上層部 ====
; 拘置所所長
: 福田健吾が迫と面会したいと言う事を直樹と申し出て、看守長の若林が責任を持つという事で渋々承諾した。深堀の処刑の際も、「及川を立ち会わせろ」という深堀の要求を呑んだ。
; 及川佐和子
: 直樹の養母。正道が直樹に養子であることを話そうとする度に「幸せな生活に水を差したくない」と止めた。[[グラブ]]とキャッチャーミットの区別が付かず、正道が直樹に、まだグラブが使えるうちにキャッチャーミットを買ったことを批判した。
; 及川正道
: 直樹の養父。元東京西拘置所所長。長年子宝に恵まれなかったため、藤間貴子から直樹を引き取った。直樹の大学の卒業式に佐和子が付いて行ったことを「過保護だ」と批判した。
 
=== 死刑確定とその関係者 ===
; 渡瀬満
: 本作のもう1人の主人公。1981年[[8月15日]]生まれ。
: 死刑囚。本作のもう一人の主人公。1981年[[8月15日]]生まれ。及川と同い年で、少年時代に及川と同じチームで野球をしており、及川の憧れの人だった。将来はプロ野球選手になることが確実視されていたが、中学3年の時に強盗に入った田尻勝男に両親を殺され、自身も右肩を刺されて野球の出来ない身体となった。その後は9歳年下の妹・小春と共に施設に預けられた。田尻の死刑を待ち望んでいたが、村雨が心神喪失を訴えて有期懲役刑となり、その後は田尻に復讐を果たすため工場で働きながら腕を鍛え、10年後、田尻が元妻の実家にやってくる事を知った渡瀬は待ち伏せし、田尻を日本刀で斬殺し、この際有歌も巻き添えになった。1年逃亡の末に警察に出頭し、裁判では当初、田尻が娘を抱えていたことを認識していなかったと供述、世論の同情もあり[[情状酌量]]が認められる寸前まで裁判を進めるも、田尻達男から小春を守るために、娘が一緒にいることを分かっていて殺害したと証言を翻したため死刑判決が下り、村雨に説得されるも本人の希望で控訴をしなかったため死刑が確定した。<ref>一人は[[過失致死罪|過失致死]]でありこれで死刑になることは本来はない。</ref><ref>これ自体が村雨の信用を無くすための作戦であった。</ref>妹を守るために死刑になったものの死の恐怖に怯え(後述のように田尻達夫が亡くなった際には[[再審]]請求をしようとした)、また、前園有歌を巻き添えにしたことは後悔する一方で田尻勝男を殺害したことについては「やって良かった」と考えていたが、及川と接するうちに罪を反省し死刑を受け入れ、刑務官のことを「先生」と呼ぶようになった(及川のことは親友のため心を開いた後は「直樹」と呼ぶようになった)。「もし生まれ変わったらまた直樹と野球がしたい」と言い残し、及川も携わって(死刑執行ボタンを押す)死刑が執行された。
: 及川とは同い年の幼馴染。少年時代に及川と同じチームで野球をしており、彼にとって憧れの人だった。将来はプロ野球選手になることが確実視されていたが、中学3年の時に強盗に入った田尻勝男に両親を殺され、自身も右肩を刺されて野球の出来ない身体となった。その後は9歳年下の妹・小春と共に施設に預けられた。
: 田尻の死刑を待ち望んでいたが、村雨が心神喪失を訴えて有期懲役刑となってしまう。その後は田尻に復讐を果たすため、工場で働きながら腕を鍛える日々を送り、10年後に田尻が元妻の実家にやってくるを知り、待ち伏せして彼を日本刀で斬殺したが、この際に有歌も巻き添えにしてしまった。
: 1年逃亡の末に出頭し、裁判では当初、田尻が娘を抱えていたことを認識していなかったと供述、世論の同情もあり[[情状酌量]]が認められる寸前まで裁判を進めるも、「田尻から妹を守るため、娘が一緒にいることを分かっていて殺害した」と証言を翻したため、死刑判決が下る。その後、村雨に説得されるも本人の希望で控訴をしなかったため、死刑が確定。<ref>本来ならば、有歌の殺害は[[過失致死罪|過失致死]]にあたるため、死刑になることはまずない。</ref><ref>これ自体が村雨の信用を失くすための作戦であった。</ref>妹を守るために死刑になったものの、死の恐怖に怯え(後述のように田尻が亡くなった際には、[[再審]]請求をしようとした)、また、有歌を巻き添えにしたことは後悔する一方で、田尻を殺害したことについては「やってよかった」と考えていたが、及川と接するうちに罪を反省し死刑を受け入れ、刑務官のことを「先生」と呼ぶようになった(及川のことは親友のため心を開いた後は「直樹」と呼ぶようになった)。
: 最期に「もし生まれ変わったら、また直樹と野球がしたい」と言い残し、及川も携わって(死刑執行ボタンを押す)死刑が執行された。
; 深堀圭造
: [[鶯谷]]事件の主犯。拘置所の中では、世古に次ぐ古株。
: 死刑囚。[[鶯谷]]事件の主犯。小学生時代に川で溺れかけた山本を助けたことをきっかけに、性格が正反対(ガキ大将の深堀と優等生の山本)である山本と親友になった。深堀は[[少年院]]への出入りを繰り返し、どこに勤めても長続きしなかったが、深堀に恩義を感じていた山本が上司に頼み込み、山本と同じ鶯谷運送の社員になった。しかしその後、社長は山本の恋人で同僚の貴子を自分のものにするために、合理化を口実に山本を解雇し、友人であった深堀も巻き添えになった。深堀は解雇されたことに腹を立てて山本の家でやけ酒していたところ、山本の家に掛かってきた電話から社長に虐げられて助けを求める貴子の声が耳に入ったため激昂し、社長を殺害することを決意し、山本の家から包丁を持ち出して山本と共に会社へ向かった。会社到着後、当初は社長を殴るに留まっていたが、止めに入った社員に投げ飛ばされ、更に激昂して社員3人を刺殺した。その後山本が社長を殺害し、現場にいた者で生きている者は深堀と山本になったため、山本は「お前のおかげで自身、妻、及川の命が救われた」と深堀の身代わりに死刑になると決意、山本と口裏を合わせ、山本が3人を殺害して自身は1人を殺害したことにし、山本は死刑、自身は懲役12年となった。しかし、仮出所後、娘に会うのを拒否され、立腹していたところ通行人と肩がぶつかり、激昂して3人を次々に殺害し、死刑判決が下った。及川に対し山本のことを「あんなお人好しは見たことが無い。世界一の大馬鹿野郎だ」と笑った。
: 小学生時代、川で溺れかけていた山本を助けたことをきっかけに、性格が正反対(ガキ大将の深堀と優等生の山本)であった彼と親友になった。その後は[[少年院]]への出入りを繰り返し、どこに勤めても長続きしなかったが、恩義を感じていた山本が上司に頼み込み、彼と同じ鶯谷運送の社員になった。
処刑前日に娘、百合と面会し涙を流した。そのとき処刑されることを悟り、自分が殺した人間の名前を繰り返しつぶやいた。処刑の際には及川に会わせろと暴れだしたが、及川に会ったときには暴れるのをやめて、及川に「長生きしろよ」と言い残して、処刑された。
: しかし、勤め先の社長が山本の恋人であった貴子を自分のものにするため、合理化を口実に山本と深堀を解雇にした。その直後、腹を立てて山本の家でやけ酒していたところ、社長に虐げられて助けを求める貴子の電話があり、激昂して社長を殺害することを決意する。その際、山本の家から包丁を持ち出し、彼と共に会社へ向かった。会社到着後、当初は社長を殴るに留まっていたが、止めに入った社員に投げ飛ばされ、さらに激昂して社員3人を刺殺した。その後山本が社長を殺害し、現場にいた者で生きている者は深堀と山本になったため、山本は「お前のおかげで自身、妻、子供(及川)の命が救われた」と述べ、身代わりに死刑になると決意した。その後は口裏を合わせ、山本が3人を殺害して自身は1人を殺害したことにし、山本は死刑、自身は懲役12年となった。仮出所後、娘に面会を拒否され、立腹していたところ通行人と肩がぶつかり、激昂して3人を次々に殺害し、死刑判決が下った。及川に対し、山本のことを「あんなお人好しは見たことが無い。世界一の大馬鹿野郎だ」と笑った。
: 処刑前日、娘の百合と面会し、涙を流した。その際、処刑されることを悟り、自分が殺した人間の名前を繰り返しつぶやいた。処刑の際、「及川に会わせろ」と暴れだしたが、及川に会った際は暴れるのをやめ、彼に「長生きしろよ」と言い残して処刑された。
; 世古利一
: 一家4人を殺害した[[強盗殺人罪|強盗殺人]]犯。拘置所の中では最古参。
: 死刑囚。一家4人を殺害した[[強盗殺人罪|強盗殺人]]犯で、拘置所の中では最古参。及川が着任したときに靴音が違うことに恐怖し、殺さないでくれと絶叫した。舎房では弔いの気持ちから仏の貼り絵を作っているが、何度も貼り直し、4年経っても完成していないため深堀からは延命パフォーマンスだと言われている。赤石の冤罪判明による出所の時は「俺も実は冤罪なんだ」と言い、深堀から「やっぱり延命じゃねえか!」と突っ込まれた。「俺、まだ死ななくていいんだよな?」が口癖。「もし死刑が無ければ殺人鬼のまま[[地獄]]に堕ちていたと思います」と遺書に書いた。処刑の呼び出しの際にはおびえながらも、恐怖心に耐えて処刑場へと向かった。
: 「俺、まだ死ななくていいんだよな?」が口癖。及川が着任した際は靴音が違うことに恐怖し、「殺さないでくれ」と絶叫した。舎房では弔いの気持ちから仏の貼り絵を作っているが、何度も貼り直し、4年経っても完成していないため、深堀からは「延命措置のパフォーマンス」だと言われている。実際、赤石の冤罪判明による出所時に「実は俺も冤罪なんだ」と言い、深堀から「やっぱり、延命措置じゃねえか!」と突っ込まれた。
: 「もし死刑が無ければ殺人鬼のまま[[地獄]]に堕ちていたと思います」と遺書に印、処刑の呼び出しの際は怯えながらも、恐怖心に耐えて処刑場へと向かった。
; 香西忠伸
: 死刑囚。元不良グループのリーダーで、通りがかりの高校生とグループから抜けようとしたメンバー2人の計3人をリンチして殺害した。死刑確定後も荒れていたが、自分自身の過ちを悟って、被害者遺族に謝罪の手紙を書き続けた結果7年経った後に返事が届いた。しかしそれを読んで、より一層自分の罪が償いきれないものであると思い知り、死んで詫びようと便箋を飲み込んで自殺を図った。その際に及川に発見されて一命を取り留めた。後に処刑される。処刑の際にも改心したときと同様に穏やかに処刑されていった。
; 香西の被害者の母
: 香西に殺害された少年の母親。初めは香西を一生許さないと決め、香西から送られた謝罪の手紙を読むこともなく捨てていたが、「息子は香西を憎み続けることを望むだろうか?」、「香西のことを息子に知らせるのも自分の役目」と思い、7年経って初めて手紙を読み、香西に返事を書いた。
; 石峰明
: 死刑囚。7人の女性を強姦・殺害した。反省の様子は無く、死刑確定の順番から「あと最低5年は生きられる」と思っていたが、及川配属日の翌朝に処刑された。女性の[[乳房]]の形をしているという理由で大福餅が好物で、処刑直前に振る舞われた時、泣きながら美味そうに食べた。
; 星山克博
: 死刑囚。舎房では趣味として、毎年春になると木で家の模型を作っていた。幼い頃に両親が離婚し、母親に引き取られたが、その母親も彼を捨てて男の下へと去った。その後は「竹の花園」で日々を送った。その後、無銭飲食を咎められたことに逆切れし、食堂を経営していた倉持家の3人を殺害した。初めはその事件について全く反省していない態度をとっていたが、実は親に捨てられたことから「幸せな家庭」を夢見ていた。その後、及川の働きかけもあり、食堂一家の「幸せな家庭」を自らが破壊したことと自分の境遇とを重ね合わせて、混乱して暴れながらも、落ち着きを取り戻した後に多恵子に謝罪の手紙を送った多恵子が亡くなった後は供養のために事件現場となった食堂の模型を製作していたが、未完成のまま処刑されることとなった。処刑上に連れて行かれる際に、及川に「ありがとう人形を作ってくれて」の言葉を残した。処刑のときは恐怖により悲鳴を上げた。
; 田尻勝男
: 11年前、強盗に押し入り渡瀬の両親を殺害、渡瀬にも重傷を追わせ、事件現場に居合わせた妹の吉岡小春も失声症に至らしめた。死刑が求刑されたが村雨弁護士が心身喪失を訴えたため刑は懲役12年に留まった。<ref>原作では競馬に全財産をつぎ込むもぼろ負けし電車で客に絡んでいたところを満の父親に殴られたことになっている。</ref>その出所後、元妻の実家にやってきて、前園徳子に金を無心するも出さなかったため娘の前園有歌を気絶させて拉致、コートに包んで歩いていたところを有歌とともに渡瀬に日本刀で殺害された。
; 前園有歌
: 田尻と死別した妻の娘。親権が祖母に移った、もしくは亡くなった母が田尻とは離婚し出戻りになったため母の旧姓である「前園」になっている。母の実家で暮らしていたが出所した田尻に「女の子供は金になる」という理由で気絶させられて拉致され、そのまま目を覚ますことなく渡瀬により田尻の巻き添えを食らい斬殺された。
; 前園徳子
:田尻と死別した妻の母親。娘の死後は有歌を自分の家で育てていたが、田尻に金を無心されるも出さなかったために有歌を拉致され、渡瀬に殺害されることになった。渡瀬の逮捕後はテレビの取材に答え涙ながらに「有歌を殺されたことは悔しいが田尻は殺されて当然。最初から死刑になっていれば有歌も死なくて済んだ」と答えた。
; 楠見佳子
: 過去、星山が育ち、現在、小春の勤めている児童養護施設「竹の花園」の園長。
; 倉持多恵子
: 星山に家族3人(両親・祖母)を殺害された女性。事件当時は出前に行っていたため難を逃れた。末期の[[スキルス|スキルス胃癌]]で死期が迫っており、死ぬ前に自分の家族を殺した星山が何を考えているのか、本当に罪を悔いているのかを直樹に確認してほしいと頼む。その後、星山からの謝罪の手紙を渡され、それから5日後にこの世を去った。
; 笹野武
: 死刑囚。刑務官のことを「先生」と呼ぶ謙虚な性格の模範囚。
: 中学生の息子が同級生にいじめられ自殺したが、学校がいじめが原因であるとは認めなかったため、それにより学校や区を相手取り訴訟を起こすが、勤務先の印刷工場から区の印刷物の仕事が無くなったことを告げられた結果、退職を余儀なくされ、妻とも離婚した。それから1年後、公園でいじめの加害者の中学生3人組が別の生徒をいじめている所を偶然目撃する。いじめられていた生徒がその場から逃走した後、3人組が笹野の息子をいじめていた時のことを談笑しているのを見て逆上、衝動的に落ちていた木製バット(3人の持参物)を奪い、3人全員を撲殺した。殺害したことを後悔しつつ、渡瀬満の影響で「仇討ちは死刑に値するほど本当に悪いことなのか」と感じたため、減刑を求めて再審請求するが、殺した生徒の両親が毎年笹野の息子の命日に墓参りしているのを知り、取り下げた。
; 笹野が殺した中学生の両親
: 笹野の息子が自殺した直後は自分たちの息子がいじめをしていたことを否定していたが、息子が殺された後、それぞれのいじめの加害者の家の中で遺品整理をしている時、『笹野の息子をいじめていたことは、永遠に三人だけの秘密にすること』という旨の血判状を見つけ、愕然として認識を改めたらしく、毎年笹野の息子の命日に墓参りをしていた。それを笹野に頼まれて初めて墓参りに来た若林に目撃される。若林が事情を尋ねると、自分たちの息子のせいで笹野の息子が自殺したことについて親として申し訳なく思っているのでこうして命日に墓参りに来ていることを説明。ただし息子を殺された憎しみは消えないため、毎年墓参りに来ていることを笹野本人には絶対知られたくないと、若林に口止めをする。
; 村雨弁護士
: 渡瀬と田尻の担当弁護人。「田尻を野放しにした自分のせいで[[平成]]の仇討ち殺人事件が起こってしまった」という自責の念から渡瀬の弁護人になるが、実際は渡瀬に貶められるために利用されていた。
; 迫仁志
: 死刑囚。7年前、「うるさくて勉強の邪魔になった」という理由で、野球部の中学生8人を焼殺した。自分の罪を反省するどころか自慢するナルシストで、渡瀬に無視された時には「挨拶ぐらいしろよ!親の敵討ちがなんぼのもんじゃ!カッコ付けてんじゃねえぞ!こっちは8人も殺してるんだ!」と怒鳴った。文通を通じて獄中結婚した西田に対しても傍若無人な態度を取る。被害者遺族として面会に来た福田健吾に対しては「処刑される前に楽しんでやる」と言って舌を出した。
処刑される前にガンになり、死ぬ寸前に西田に対して遺族に申し訳ない旨を伝えてほしいとの言葉を残し病死する。
; 西田夕子
: 獄中の迫と結婚した女性。元銀行員。獄中結婚した理由はマスメディアには「有名になりたかったから」と答えていたが、実際には、中学2年生の時、彼女自身が起こした実家の工場への放火の罪を着せられ、誰にも信用されなかったショックの余り投身自殺した、同級生の山下([[中島広稀]])と境遇が似通っていて「放火」という点にも共通する迫のことを知り、迫に罪を償わせることで、山下に対する自分の罪の償いをしようとしたためである。漫画の中では迫が病死した後の消息は分からないとの記載がある。
; 福田真也
: 迫が殺害した中学生の弟。迫と結婚した夕子を持っていたカッターナイフで襲い、彼女をかばった及川を刺してしまう。両親が兄の死の真相を忘れようとしていることに憤慨していたが、両親が事件と向き合っていくことにしてからは仲を修復した。
; 福田健吾
: 迫が殺害した中学生と真也の父親。とんかつ料理店経営。事件直後は他の被害者遺族同様に事件に憤慨していたが、過剰なマスコミからの取材や世間からの同情・憐れみに辟易して転居し、被害者遺族の会にも入らず、事件のことは隠して生活してきており、真也の兄のことも「交通事故で死んだ」と客に話していた。しかし真也の抗議を目の当たりにして態度を改めて息子の事件と向き合うことにし、拘置所に迫に面会しに行ったり、その後法務大臣に対して迫の死刑停止を求めた上申書を提出するなどし、「哀しみや憎しみを背負ったまま迫と共に生きていくので、迫には勝手に死んで終わりにして欲しくない」という思いと共に暮らしていくことにした。
; 赤石英一郎
: 元死刑囚。強盗殺人の冤罪で35年間投獄されていたが、再審で無実が証明されて無罪となる。
: 小学6年の時に親を亡くし、小学校の恩師・東條松之助の元で暮らす。その後「先生ばかりに頼っていられない」と家を出るが、生活は荒み、暴力沙汰で警察の厄介になることも度々だった。そんな中、道端でバッグを拾い、東條のことが頭に浮かび、交番に届けようとしたところ、その近辺で起きた警察署長夫妻の殺人事件を捜査していた刑事に捕まった。その時拾ったバッグが署長夫人のものであったことに加え、事件直前にパチンコ店のゴミ箱の割れた瓶で手を怪我していたが、その時の目撃証言が無く、現場にあった血痕と血液型が同じB型であることから犯人であるとされ、刑事に暴行を含む取調べを継続された末に、刑事にラーメンを振る舞われて虚偽の自白をしてしまい、裁判で死刑判決が下され、3年後に刑が確定した。
: その後、東條から「お前が人殺しなんかできるわけがない」という手紙が届き、再審請求を始めるがいずれも却下される。4度目の再審請求却下の後、東條が亡くなったため絶望し、自殺も図った。が、東條の息子・隆から「父の遺志を受け継いだ」との手紙が届き、一度も会ったことのない人が自分のことを信じてくれていることに感激し、再審請求を続け、無罪を勝ち取った。死刑囚にならなければ荒んだ生活を続けていたであろうが、死刑囚になったことで自分を信じてくれる人の存在や人の優しさを知ったため、「死刑囚になってよかった」と思っている。
; 東條隆
: 東條松之助の息子。松之助の遺志を継ぎ赤石を支援する小学校教師。父の死後、赤石の支援活動を続けた結果、赤石がパチンコ店で怪我したところを目撃した人物を見つけ出し、必死の思いでその人物を説得して証人として裁判に出廷させ、赤石の無罪を勝ち取ることに成功した。
; 山本憲人
: 元死刑囚。鶯谷事件の当事者。及川の実父。小学生時代に川で溺れかけていたところを深堀に助けられ、以後、恩返しに深堀の喧嘩を止めたり、深堀と一緒に教師に謝ったり、勤務先の上司に深堀の採用を頼み込んだりしていた。社長に虐げられていた妻の貴子を助けるために会社に上がり込んだ際、一緒に来ていた深堀が社員3人を殺害し、これに激昂した社長が深堀を灰皿で撲殺しようとしたため、深堀を守るために咄嗟に落ちていた(深堀が山本の家から持ちだした)ナイフで応戦し、社長を殺してしまった。本来であれば、犠牲者が1人である上、[[過剰防衛]]または[[正当防衛]]が成立する状況であるため、死刑になることはまずない。また[[検察]]は、正当防衛の可能性を捨て切れない以上、有罪率を維持するために[[起訴]]しない可能性が高い。しかし山本は、自身、妻、息子の命を救ってくれた深堀に感謝し、身代わりに死ぬことを決意。自身は貴子が社長に虐げられていることに腹を立て、社長と止めに入った社員2人を殺害し、深堀は解雇されたことを恨んで社員1人を殺害したと述べ、死刑判決を受けた。及川は、船木和子から写真を渡され「何があっても人を傷付けない山本君が主犯だと聞いた時はびっくりした」と聞き、更に世古から深堀が6人も殺害したことを自慢していたことを聞いたため、山本が主犯であることに疑問を感じ、深堀に真実を聞き出した。山本が収監されていた当時の東京西拘置所の所長であった正道は、「立派な男だった」と述べた。
 
=== その他 ===
; 及川佐和子
: 直樹の養母。正道が直樹に養子であることを話そうとする度に「幸せな生活に水を差したくない」と止めた。[[グラブ]]とキャッチャーミットの区別が付かず、正道が直樹に、まだグラブが使えるうちにキャッチャーミットを買ったことを批判した。
; 山本貴子
: 旧姓は「藤間」。山本憲人の交際相手で及川の実母。山本の意志により、死刑執行後籍を抜き旧姓に戻る。直樹を出産後、直樹を養子に出し、及川正道の力添えもあり喫茶店を開く。正道はこの喫茶店に小さい頃から直樹を連れてきていたが、佐和子は決して来なかった。その事を直樹に尋ねられると、貴子は産みの母親から子供を奪ってしまった罪の意識からではないか?と、分析する。直樹が全てを受け入れ自立した後、佐和子が喫茶店に通うようになり、直樹、及川夫婦と良好な関係となる。
; 香西の被害者の母
 
: 香西に殺害された少年の母親。初めは香西を一生許さないと決め、香西から送られた謝罪の手紙を読むこともなく捨てていたが、「息子は香西を憎み続けることを望むだろうか?」、「香西のことを息子に知らせるのも自分の役目」と思い、7年経って初めて手紙を読み、香西に返事を書いた。
; 田尻達男
: 田尻の弟で、有歌の叔父。有歌を妹のように可愛がっていた。<ref>その有歌を金になると言いさらったのは兄であることを棚に上げている。</ref>兄と姪を殺害した渡瀬と小春を殺害しようとするが、逆に助けに入った渡瀬に殺されそうになり「俺を殺しても息子が復讐に来る」と言い、「俺が死刑になるなら小春には手を出さないと誓うか」と聞かれ「俺が憎いのはお前だけだ」と思い留まった。渡瀬の死刑確定後、交通事故に遭い死亡した。息子がいる。
; 東條隆
: 東條松之助の息子。松之助の遺志を継ぎ赤石を支援する小学校教師。父の死後、赤石の支援活動を続けた結果、赤石がパチンコ店で怪我したところを目撃した人物を見つけ出し、必死の思いでその人物を説得して証人として裁判に出廷させ、赤石の無罪を勝ち取ることに成功した。
; 西田夕子
: 獄中の迫と結婚した女性。元銀行員。獄中結婚した理由はマスメディアには「有名になりたかったから」と答えていたが、実際には、中学2年生の時、彼女自身が起こした実家の工場への放火の罪を着せられ、誰にも信用されなかったショックの余り投身自殺した、同級生の山下([[中島広稀]])と境遇が似通っていて「放火」という点にも共通する迫のことを知り、迫に罪を償わせることで、山下に対する自分の罪の償いをしようとしたためである。漫画の中では迫が病死した後の消息は分からないとの記載がある。
; 福田真也
: 迫が殺害した中学生の弟。迫と結婚した夕子を持っていたカッターナイフで襲い、彼女をかばった及川を刺してしまう。両親が兄の死の真相を忘れようとしていることに憤慨していたが、両親が事件と向き合っていくことにしてからは仲を修復した。
; 福田健吾
: 迫が殺害した中学生と真也の父親。とんかつ料理店経営。事件直後は他の被害者遺族同様に事件に憤慨していたが、過剰なマスコミからの取材や世間からの同情・憐れみに辟易して転居し、被害者遺族の会にも入らず、事件のことは隠して生活してきており、真也の兄のことも「交通事故で死んだ」と客に話していた。しかし真也の抗議を目の当たりにして態度を改めて息子の事件と向き合うことにし、拘置所に迫に面会しに行ったり、その後法務大臣に対して迫の死刑停止を求めた上申書を提出するなどし、「哀しみや憎しみを背負ったまま迫と共に生きていくので、迫には勝手に死んで終わりにして欲しくない」という思いと共に暮らしていくことにした。
; 笹野が殺した中学生の両親
: 笹野の息子が自殺した直後は自分たちの息子がいじめをしていたことを否定していたが、息子が殺された後、それぞれのいじめの加害者の家の中で遺品整理をしている時、『笹野の息子をいじめていたことは、永遠に三人だけの秘密にすること』という旨の血判状を見つけ、愕然として認識を改めたらしく、毎年笹野の息子の命日に墓参りをしていた。それを笹野に頼まれて初めて墓参りに来た若林に目撃される。若林が事情を尋ねると、自分たちの息子のせいで笹野の息子が自殺したことについて親として申し訳なく思っているのでこうして命日に墓参りに来ていることを説明。ただし息子を殺された憎しみは消えないため、毎年墓参りに来ていることを笹野本人には絶対知られたくないと、若林に口止めをする。
; 前園有歌
: 田尻と死別した妻の娘。親権が祖母に移った、もしくは亡くなった母が田尻とは離婚し出戻りになったため母の旧姓である「前園」になっている。母の実家で暮らしていたが出所した田尻に「女の子供は金になる」という理由で気絶させられて拉致され、そのまま目を覚ますことなく渡瀬により田尻の巻き添えを食らい斬殺された。
; 前園徳子
:田尻と死別した妻の母親。娘の死後は有歌を自分の家で育てていたが、田尻に金を無心されるも出さなかったために有歌を拉致され、渡瀬に殺害されることになった。渡瀬の逮捕後はテレビの取材に答え涙ながらに「有歌を殺されたことは悔しいが田尻は殺されて当然。最初から死刑になっていれば有歌も死なくて済んだ」と答えた。
; 楠見佳子
: 過去、星山が育ち、現在、小春の勤めている児童養護施設「竹の花園」の園長。
; 倉持多恵子
: 星山に家族3人(両親・祖母)を殺害された女性。事件当時は出前に行っていたため難を逃れた。末期の[[スキルス|スキルス胃癌]]で死期が迫っており、死ぬ前に自分の家族を殺した星山が何を考えているのか、本当に罪を悔いているのかを直樹に確認してほしいと頼む。その後、星山からの謝罪の手紙を渡され、それから5日後にこの世を去った。
; 村雨弁護士
: 渡瀬と田尻の担当弁護人。「田尻を野放しにした自分のせいで[[平成]]の仇討ち殺人事件が起こってしまった」という自責の念から渡瀬の弁護人になるが、実際は渡瀬に貶められるために利用されていた。
; 鶯谷運送社長
: 貴子を自分のものにするために合理化を口実にして山本と深堀をリストラする。貴子が山本と別れ自分と交際すると言っていたが、いつのまにか山本の子供(及川)を妊娠していて、それに逆上し貴子に暴力や猥褻などの行為をする。貴子に「別れないと殺される」と言わせる為に山本の家に電話をかけたが、その時に貴子が助けを求める声が届き、山本と深堀が駆けつけた。その際に深堀が社員3人を殺害し、これに激昂して灰皿で深堀を撲殺しようとし、止めようとした山本に包丁で刺され死亡した。
; 船木和子
: 深堀の元妻。深堀と[[できちゃった結婚|出来婚]]し、鶯谷事件の後離婚。深堀とのあいだに一人娘、百合がいる。
; 藤間貴子
; 田尻達男
: 及川と沢崎の行きつけのバー「パパゲーナ」のママ。聞き上手。
: 田尻の弟で有歌の叔父。有歌を妹のように可愛がっていた。<ref>その有歌を金になると言いさらったのは兄であることを棚に上げている。</ref>兄と姪を殺害した渡瀬と小春を殺害しようとするが、逆に助けに入った渡瀬に殺されそうになり「俺を殺しても息子が復讐に来る」と言い、「俺が死刑になるなら小春には手を出さないと誓うか」と聞かれ「俺が憎いのはお前だけだ」と思い留まった。渡瀬の死刑確定後、交通事故に遭い死亡した。息子がいる。
 
== 刊行情報 ==
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