「レコード」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
タグ: モバイル編集 モバイルウェブ編集
織部 (会話 | 投稿記録)
51行目:
 
==== LPとシングル盤の共存 ====
LPSP盤シングル比較した場合、LP盤は初期の一時こそ競合関係ディスクをかけ替える中断なしあった長時間再生能でクラシック音楽の全曲収録や短い曲の多数収録が可能なLPとシングル盤はSP盤並の収録力(片面あたりポピュラー音楽1曲程度)のままでディスク小型化オートチェンジャー適合化を指向したシングル盤は、用上の性格の相違から棲み分けが容易で、基礎技術自体はほとんど同一のためレコード針も共用できたことから、ほどなく双方の陣営が相手方の規格も発売、双方がスタンダードとなていという形で決着がついた
 
LPとシングル盤は初期の一時こそ競合関係にあったが、上記の性格の相違から市場での棲み分けが容易で、基礎技術自体はほとんど同一のためレコード針も共用できたことから、ほどなく双方の陣営が相手方の規格も発売し、双方がスタンダードとなるという形で決着がついた。この際、ビクターで多くのクラシック音楽レコードを録音していた当時の世界的著名指揮者の[[アルトゥーロ・トスカニーニ]]が、曲を分割せずにすむLPを強く推したことが影響したといわれる。音響機器メーカーからは33回転と45回転(と78回転)の切り替え可能なターンテーブルも発売され、バイナル盤への規格移行が促された。
 
LPレコードの実用化では、第二次世界大戦中にドイツで実用化され、戦後のLPレコード開発時期と同じくして民生用に用いられ始めた[[テープレコーダー]]の普及が一役買った。テープレコーダーにより長時間録音容易となったうえ、それ以前の録音用レコード盤に比べても高音質での録音が可能であり、マスター音源としての総合的な性能が優秀であったためである。特に長時間の曲が多いクラシック音楽等でミスなく長時間の演奏を行うことは難しく、リテイクと編集を可能にするテープレコーダーが役立てられた。

逆に、LPレコードとテープレコーダーがSPレコード時代の1曲5分未満という制約を取り払い、時に1曲10分を超えるような長時間即興演奏を連続収録したアルバム形式の商業レコード発売を可能としたことで、結果的に音楽ジャンル自体の発展をも促した[[モダン・ジャズ]]のような事例もある(1954年2月に録音され、同年発売された[[アート・ブレイキー]]の『[[バードランドの夜 Vol.1]]』は、長時間の即興演奏をLP盤に収録し、1950年代中期以降の新世代モダン・ジャズである[[ハード・バップ]]の先駆となった。これにはテープレコーダーの小型化も大いに寄与した)
 
レコード原盤を切り込む装置をカッティングマシンまたはカッティングレースと呼ぶが、溝を切る際マスターテープの再生ヘッドの前にモニタヘッドを取り付けることにより、音量に合わせて予めカッターの送り速度を調整すること(可変ピッチカッティング、variable groove)が可能になり、後年はコンピュータ化されて更に細かいカッターヘッド送りが可能になり、ダイナミックレンジ(録音出来る音の大小の差)の確保と録音時間を両立できるようになった。