「南シナ海」の版間の差分

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|tha=ทะเลจีนใต้ <br> Tha-le Chin Tai<br>{{IPA|tʰáʔlēː tɕīːn tɑ̂i|}}
}}
'''南シナ海'''(みなみシナかい)は[[香港太平洋]]西部で、[[中華人民共和国|中国]]、[[台湾]]、[[フィリピン]]、[[マレーシア]]、[[ブルネイ]]、[[マレーインドネシア]]、[[ベトナムシンガポール]]、[[]]、[[カドネシボジ]]、[[ベトナム]]に囲まれた海域の名称。世界有数の[[シーレーン|通商航路(シーレーン)]]であるだけでなく、[[スプラトリー諸島|スプラトリー諸島(南沙諸島)]]などの領有権とその周辺海域の管轄権を巡る[[国際法]]上の紛争もあり、[[軍事]]・[[安全保障]]も重要な海域である
 
== 表記 ==
=== 日本においての表記 ===
[[20042016年]]現在時点で[[日本国政府]][[外務省]]などの公式文書等では'''南シナ海'''と表記され、日本国内では一般化している<ref>[http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/danwa/page4_002172.html 南シナ海に関するフィリピンと中国との間の仲裁(仲裁裁判所による最終的な仲裁判断)(外務大臣談話)平成28年7月12日]</ref>。[[第二次世界大戦]]までは'''南[[支那]]海'''と表記した。なお、中国語圏において当該海域の名称として用いられている「[[南海]]」は、日本国内では近畿南部と四国一帯の歴史的呼称である[[南海道]]やそれに由来する企業など(例・[[南海電鉄]])を指す。
 
=== その他の国・地域においての表記 ===
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|url=http://www.gov.ph/2011/06/04/statement-of-the-dfa-on-the-chinese-vessels-in-the-west-philippine-sea-or-south-china-sea-june-4-2011/
}}</ref>、'''{{lang|tl|Dagat Luzon}}'''([[ルソン島|ルソン]]海の意)
* [[インドネシア]] - 2017年7月14日に「北ナトゥナ海」(North Natuna Sea)と改称<ref>[https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/news/20170714_36/ [[NHK]]2017年7月14日“Indonesia declares 'North Natuna Sea'”]</ref>。
 
== 概要 ==
[[画像:South_China_Sea.jpg|thumb|南シナ海海底地形]]
緯度0度[[東南アジア]]の[[赤道]]から[[北緯]]23度付近の中国沿岸まで広がっている熱帯・亜熱帯の海域である。南西部の[[マレーシア]]東方付近は[[大陸棚]]が広く発達しており、水深200m以下となっている。東部は深く、特に[[ルソン島]]北西沖には[[マニラ海溝]]がある。太平洋とは主に[[台湾島]]、[[フィリピン諸島]]、[[カリマンタン島]]などで区切られており、[[バシー海峡]]など限られた[[海峡]]で結ばれているに過ぎない。海域内における大きな島は[[海南島]]程度であるが、[[サンゴ礁]]も含めて中小の島嶼は多く、い。中国が「[[南海諸島]]」と総称する[[南沙諸島]]、[[中沙諸島]]、[[西沙諸島]]、[[東沙諸島]]の他、[[ナトゥナ諸島]]、[[南ナトゥナ諸島]]、[[アナンバス諸島]]などがある。各国大陸棚では[[漁業]]が行われているほか、[[石油]][[天然ガス]]が発見・採掘されている。
 
== 島と海山 ==
200以上の島と礁が知られており、大部分は南沙諸島にある。同諸島は810kmと900kmの広さに及び、[[海南島]]などを除く最大の[[離]]タイピン[[太平]](イトゥアバ)で、長さ1.3km、最高海抜3.8mである。また、フィリピンの[[パラワン諸島]]とはパラワン海溝を挟んで[[リード堆]]と呼ばれる長さ100kmの[[海山]]があり、面積8,866平方kmは環礁として世界最大。いまや水深20mに沈んでいるが、約7千年前に[[氷期]]が終わり海面が上昇するまでは島であった。
 
== 領土・権益問題 ==
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| caption2 = <center>[[南沙諸島|スプラトリー諸島]]の占有状況。中国、台湾、ベトナム、フィリピン、マレーシアの5か国が入り乱れて実効支配している</center>
}}
1935年に、中華民国の中国国民党がブルネイ近海の[[ジェームズ礁]]曾母」(現行の中国名では曾母暗沙)と命名したが、国内混乱していたや海軍力不足により[[実効支配]]は出来なかった。
1939年4月に、[[日本海軍による]]はスプラトリー諸島の中に最も大きな島である[[太平島]]を占拠して「長島」と命名した。1945年12月に、日本の敗戦に伴い中華民国政府は「南沙管理処」を[[広東省 (中華民国)|広東省]]に設置した。1947年に、中華民国の国府政権は「11段線」を発表した。
その後、華人民共和国は、東南アジア諸国の本土[[領]]ぎりぎりギリギリまで含むを自国の管轄とする「[[九段線]]」(または「U字線」「牛舌線」ともいう)を引い宣言した。しかし、「九段線」の法的解釈が島嶼帰属の線か、歴史的な権利の範囲か、歴史的な水域線か、それとも伝統疆界線かということはまだ中国政府に公式的に発表されていない。
 
中国・海南島の南方にある[[西沙諸島|西沙諸島(パラセル諸島)]]については、中華人民共和国、中華民国(台湾)、ベトナムの3ヵ国が領有権を主張している。
中国政府は西沙諸島を自分の領土としてミサイルを配備したり、空母として利用できる埋め立て地を作るなど国防の施設を建設している。
中国政府は1974年の[[西沙諸島の戦い]]で[[ベトナム共和国|南ベトナム軍]]を攻撃して、島々を占領。中国人を移住させたり、[[中国人民解放軍]]を駐屯させたりして、支配を強化している。
 
[[南沙諸島|南沙諸島(スプラトリー諸島)]]などをめぐっては76カ国が領有権を主張し合っている。中華人民共和国中華民国(台湾)は全体の領有を主張し、ベトナム、マレーシア、フィリピン、ブルネイの4カ国は一部分の領有を主張している。各国資源開発を独自に行う姿勢を示したり、共同協力したりする一方資源開発を行う、軍の配置や島の基地化、[[国際司法裁判所]]への提訴など様相は複雑化しによる権益確保も進めている。先述のとおり、利害が衝突する国の間で南シナ海の呼称が異なっているのには、こうした背景が存在する<ref>{{Cite news
 
[[南沙諸島|南沙諸島(スプラトリー諸島)]]などをめぐっては7カ国が領有権を主張し合っているが、各国が資源開発を独自に行う姿勢を示したり、共同で資源開発を行うなど様相は複雑化している。先述のとおり、利害が衝突する国の間で南シナ海の呼称が異なっているのには、こうした背景が存在する<ref>{{Cite news
|url=http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110614-OYT1T00853.htm
|title=南シナ海を「西フィリピン海」…中国に抗議の意
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}}</ref>。
 
このほか中国とベトナムとフィリピは[[トンキの間にあるスプラトリー諸島については、中華人民共和国、中華民国(台)は全体の領有を主張し]]対するマレーシアとベトナムは[[タイ湾]]、マレーシアと[[フィリピン、ブ]]は東[[ボルネオ]]沖を巡って、[[排他的経済水域]]4カ国は一部分の領有を主張が重複・対立している。
 
中国・海南島の南方にある[[西沙諸島|西沙諸島(パラセル諸島)]]については、中華人民共和国、中華民国(台湾)、ベトナムの3ヵ国が領有権を主張している。
 
中国とベトナムは[[トンキン湾]]、マレーシアとベトナムは[[タイ湾]]、マレーシアと[[フィリピン]]は東[[ボルネオ]]沖を巡って[[排他的経済水域]]を主張している。
 
[[2010年]][[7月23日]]、ハノイで開かれた東南アジア諸国連合 (ASEAN) 地域フォーラム (ARF) は、南シナ海問題を重要な議題の一つとして議論した。2002年の「南シナ海行動宣言」を効果的に実施し、法的拘束力のある「南シナ海行動規範」へと発展させることへの支持を確認した。