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'''労働歌'''(ろうどうか、{{langLang-en|Work song}})とは、[[歌]]の種類である。本義としては'''作業歌'''(さぎょううた)や'''仕事歌'''(しごとうた)などと呼ばれる、特定の[[労働]]をテーマとした[[民謡]]を指す。狭義として[[労働運動]]の歌や[[労働者]]を励ます歌を労働歌と呼び、[[革命歌]]、[[組合歌]]、[[反戦歌]]などを含む。
 
== 作業歌 ==
[[Fileファイル:Haul Away, Joe.ogg |thumb |right |アメリカの船乗りの民謡 "Haul Away, Joe"]]
作業歌には
# [[地搗き歌]]のように呼吸を合わせるための掛け声として歌われたもの
# 特定の作業をテーマとして作られたもの
がある。[[農業]]など多人数が呼吸を合わせる必要がない仕事では、2に比べて1の数は非常に少ない。また、実際の作業の[[リズム]]と音楽のリズムが無関係な歌も多い。ほとんどの作業歌は作業をしながら歌われる歌というよりも、作業の合間に疲れを癒やしたり、労働の喜びを再認識するための歌といえる{{sfn|小泉 |1990|pp=23-27}}。
 
=== 主な作業歌 ===
* [[バナナ・ボート]]
* [[追分#追分節|追分節]]
* [[木遣]]
 
== 労働歌 ==
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=== 戦前の歌 ===
* 「[[インターナショナル (歌)|インターナショナル]]」([[1888年]]、作詞: ウジェーヌ・ポティエ、作曲: ピエール・ドゥジェイテル、訳詞: [[佐々木孝丸]]・[[佐野碩]])
*: [[フランス]]で作られた革命歌。労働運動を代表する歌となり、[[ソビエト連邦の国歌]]([[1944年]]まで)とされた。日本では[[1922年]]に[[佐々木孝丸]]が翻訳し、[[1929年]]に[[佐野碩]]とともに改訳した歌詞で歌われている。ただし、その歌詞は原詞には忠実でなく翻訳というより翻案に近い。
* 「聞け万国の労働者([[メーデー歌]])」([[1922年]]、作詞: 大場勇)
*: 1922年の第3回[[メーデー]]の準備の中で大場による歌詞が作られた。事実上の原曲は[[大日本帝国陸軍]]の[[陸軍戸山学校|戸山学校]][[軍楽隊#日本軍|軍楽隊]]々長[[永井建子]]が、[[1899年]]に発表(出版)した[[軍歌]]「小楠公」。なおこの「小楠公」の曲は、後に旧制[[第一高等学校 (旧制)|第一高等学校]]の[[寮歌]]「[[アムール川の流血や]]」([[1901年]]、作詞: 塩田環)、および[[陸軍中央幼年学校]]の軍歌「[[歩兵の本領]]」([[1911年]]、作詞: 加藤明勝)に流用されている。
* 「[[赤旗の歌]]」(ドイツ民謡、作詞: ジム・コンネル、訳詞: [[赤松克麿]])
*: 原曲は[[クリスマス・キャロル]]として知られる[[ドイツ]]民謡の「[[もみの木]]」。[[1889年]]に[[ロンドン]]で起きた港湾労働者の[[ストライキ]]を激励するためにコンネルが[[讃美歌]]として歌われていた「もみの木」に歌詞をつけ、それが1920年代の[[アメリカ合衆国]]の労働運動で広く歌われるようになった。日本にはアメリカの労働運動の歌として紹介され、[[1921年]]頃に赤松による歌詞で歌われるようになった。原曲の「もみの木」とは違い、[[行進曲]]風に歌われる。
 
=== 戦後の歌 ===
* 「[[がんばろう]]」([[1960年]]、作詞: [[森田ヤエ子]]、作曲: [[荒木栄]])
*: [[三池闘争]]で作られた曲。それまでの労働歌=男の労働者というイメージを変えた。
* 「炭掘る仲間」(1956年、作詞: 三池労働組合、作曲: 小林秀雄)
*: 炭鉱労働での仲間との団結を歌った。三池労組の組合歌でもある。
* 「もやせ闘魂」(1958年、作詞・作曲: 荒木栄)
*: これも三池闘争と思われがちだが、元は北海道の炭労から。歌詞を繰り返す単純な曲。
* 「おれたちは太陽」([[1962年]]、作詞: [[門倉さとし]]、作曲: 荒木栄)
*: 労働者の力強さと希望を歌っている。
* 「俺たちのシルクロード」([[1981年]]、作詞: 荒井良夫、作曲: たかだりゅうじ)
*: 1987年の[[国鉄分割民営化]]を前に製作された。現在でも労働者の集会やうたごえ祭典などでよく歌われる。
* 「[[労働讃歌]]」([[2011年]]、作詞: [[大槻ケンヂ]]、作曲・編曲: [[ザ・ゴー!チーム|Ian Parton]])
*: [[ももいろクローバーZ]]の歌う労働歌。イングランドのロックバンド "[[ザ・ゴー!チーム|The Go! Team]]" のイアン・パートンの作曲、[[筋肉少女帯]]などで活躍する[[大槻ケンヂ]]の作詞という異色の組み合わせで制作された。ミュージックビデオでは、1979年に第2次[[オイルショック]]の影響を受けて内閣が提唱した[[省エネスーツ]]を着用してのパフォーマンスをしている([http://www.youtube.com/watch?v=GDhFNdmVR5U 労働讃歌] - YouTube)。
 
== その他の運動の歌 ==
[[学生運動]]や[[市民運動]]などを励ましたり、歌ったりする歌のこと。
* 「たたかいの中に」(<!--(?年)、-->作詞: 高橋正夫、作曲: [[林光]])
*: [[1952年]]に起こった[[メーデー事件]]で、[[警察官]]に[[拳銃]]で撃たれて死亡した高橋正夫のメモを基に作られた歌。
* 「沖縄を返せ」(1956年、作詞: 全司法福岡高裁支部、作曲: 荒木栄)
*: [[沖縄返還]]運動の象徴的な歌。[[1960年代]]の学生運動などでもよく歌われた。
* 「反対同盟の歌」<!--(?年、作詞:、作曲:)-->
*: [[成田国際空港]]建設反対運動の中核的役割をした「[[三里塚芝山連合空港反対同盟]]」の歌。成田の地に住む人たちの誇り高さを歌っている。
 
== 脚注 ==
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== 参考文献 ==
* {{Cite journal |和書 |author = [[小泉文夫]] |title = 日本のリズム |journal = 民族とリズム |date = 1990 |publisher = 東京書籍 |series = 民族音楽叢書 |isbn = 4487752582 |ref = harv }}
 
== 関連項目 ==
* [[うたごえ運動]]
* [[フォークソング]]
* [[シーシャンティ]]
 
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{{DEFAULTSORT:ろうとうか}}
[[Category:労働歌|*ろうとうか]]
[[Category:社会運動]]
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