「ウミニナ」の版間の差分

旧ウミニナ科で、「フトヘナタリ科」「ヘナタリガイ科」と呼ばれることもある。成体は殻口が大なり小なり外反し、水管溝が深くえぐれる。種類によっては大きく反った殻口が水管溝を覆うように張り出す<ref name="長谷川" /><ref name="三浦" /><ref name="環境省RDB" />。
[[画像:Henatari-kawaai080623.jpg|thumb|240px|左:ヘナタリ、右:カワアイ。ヘナタリの殻口は大きく外側に反る]]
;[[ヘナタリ]](甲香) '' {{snamei||Pirenella nipponica''}} Ozawa & Reid in Reid & Ozawa, 2016
:殻高40mm・殻径12mmほど。貝殻は円錐に近い。成体になると殻口がラッパ状に反り、水管が後方に曲がる独特の形になる。殻は黄白色-褐色で、3-4本ある螺肋がはっきりとしている。ウミニナよりも黄色っぽく、横しまが強く見える。
:日本([[能登半島]]・[[房総半島]]以南)、韓国、台湾、中国中部沿岸に分布する。河口干潟の砂地に生息する。和名の由来は不明だが、かつては角質の蓋が[[香]]に使われていた。[[徒然草]]にもその旨の記述と『へなたり』の名が登場する<ref name="長谷川" />。かつては ''Cerithidea(Cerithideopsilla) cingulata'' (Gmelin,1790)'' などの学名が用いられたが別種である。
;[[カワアイ]](川合) '' {{snamei||Pirenella pupiformis''}} Ozawa & Reid in Reid & Ozawa, 2016
:殻高50mm・殻径13mmほどで、九州以北のウミニナ類としては大型種である。殻は一様に黒褐色で、いくらか紫色を帯びる。表面は3本の螺肋がほぼ同じ太さの縦肋(巻きに対して垂直方向に走る線)で区切られ、四角形の顆粒が規則正しく並ぶ。また巻き数が多く、螺層は13階に達するのも特徴である。成体は殻口が反るがヘナタリほどではない。
:日本(宮城県以南)からトウナンアジアに分布し、河口干潟の泥地に生息する。産卵期は7-8月で、泥で覆われた紐状の卵塊を産む<ref name="波部" /><ref name="長谷川" />。かつては ''C.(Cerithideopsilla) djadjariensis'' などの学名が用いられたが、これは別種の化石種である。
;[[フトヘナタリ]](太甲香) ''C.( {{snamei||Cerithidea) rhizophorarum''moerchii}} (A.Adams in G. B. Sowerby II,1855)
:殻高40mm・殻径20mmほどの大型種。成貝はヘナタリに似るが和名通り太く、殻頂が欠ける。殻口の反りも小さい。貝殻表面は粗い[[布]]目状、色は黄白色、灰色から黒褐色まで変異が多い。西太平洋の熱帯・亜熱帯域に分布し、日本では[[東京湾]]以南で見られる。汽水域に生息するが、大潮の満潮時のみ水に浸かるような高所に多く、他種と棲み分ける。[[イトカケヘナタリ]](糸掛け甲香)は奄美大島以南の西太平洋熱帯域で見られるフトヘナタリの亜種とされたこともあったが、遺伝的には単なる地理変異とされる<ref name="波部" /><ref name="長谷川" />
;[[シマヘナタリ]](縞甲香) ''C.( {{snamei||Cerithidea) ornata''tonkiniana}} A.AdamsMabille,1863 1887
:[[イトカケヘナタリ]](糸掛け甲香)は奄美大島以南の西太平洋熱帯域で見られるが、フトヘナタリの亜種 ''C. r.morchii''、または地方型の一つと考えられている<ref name="波部" /><ref name="長谷川" />。
;[[シマヘナタリ]](縞甲香) ''C.(Cerithidea) ornata'' A.Adams,1863
:殻高35mmほど。フトヘナタリに似るが縦肋が強い。中国・朝鮮半島・日本に分布する。日本の生息地は東京湾・[[瀬戸内海]]・[[玄界灘]]・[[有明海]]が知られていたが、既に東京湾と玄界灘では絶滅している<ref name="波部" /><ref name="長谷川" /><ref name="福田" />。
;[[クロヘナタリ]](黒甲香) ''C.(Cerithidea) largillerti''{{snamei||Cerithideopsis largillierti}} ({{auy|Philippi,|1848}})
:殻高25mm・殻径10mmほど。フトヘナタリに似るが小型で細長く縦肋の数が多い。殻がやや薄質で殻口が外反しないことなどから本種のみで新属が必要との説もある。西太平洋の熱帯・温帯域に分布するが、日本の生息地は東京湾・瀬戸内海・有明海だけで、東京湾では既に絶滅している<ref name="波部" /><ref name="長谷川" /><ref name="福田" />。
;[[マドモチウミニナ]](窓持ち海蜷) '' {{snamei||Terebralia sulcata''}} (Born,1778)
:殻高50mm・殻径25mmほど。殻口は大きな半円形で、外側が分厚く発達する。水管溝は発達した殻口で塞がれて「水管孔」になり、和名通り円形の「[[窓]]」が開いたようになる。殻の表面は縫合が溝状にくびれ、縦横の細い肋が交わって格子状になる。インド太平洋の熱帯域に分布し、日本では奄美郡島以南の南西諸島で見られる。[[マングローブ]]の泥底に多い<ref name="波部" /><ref name="長谷川" />。
;[[キバウミニナ]](牙海蜷) ''T.{{snamei||Terebralia palustris''}} ([[カール・フォン・リンネ{{auy|Linnaeus]],|1767}})
:殻高100mm・殻径40mmに達し、日本産ウミニナ類の最大種とされる。マドモチウミニナに似るが水管は殻口と繋がり、より大型で細長い。インド太平洋の熱帯域に分布するが、日本では[[八重山諸島]]だけに分布する<ref name="波部" /><ref name="長谷川" />。
;[[センニンガイ]](仙人貝) ''{{snamei||Telescopium telescopium''}} ({{auy|Linnaeus,1758|1767}})
:殻高100mm・殻径40mmの大型種。殻は整った円錐形で、螺層は20階以上ある。螺肋は3本あるが殻口付近では目立たなくなる。軸唇(貝殻の底・芯部にある突起)がねじれる。
:インド太平洋の熱帯域に分布し、マングローブ地帯に生息する。日本で生体の記録はないが、八重山諸島で死殻が見つかる<ref name="波部" /><ref name="長谷川" />。
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